保育士の一人暮らしは、家賃補助の制度を利用したり、節約したりと、やりくりを工夫すれば可能です。
ただ、保育士1年目からの一人暮らしだと、給料が少なかったり貯金がなかったりと、不安になってしまうこともあるでしょう。
本記事では、保育士の一人暮らしで必要な費用や、家賃補助や制度、一人暮らしをした保育士の声などを紹介します。
パート・アルバイトでも一人暮らしが可能かどうかも紹介するので、ぜひシミュレーションしながら読み進めてみてください。
目次
保育士でも一人暮らしは可能
保育士への就職をきっかけに、実家を出て一人暮らしをすることは可能です。
ただ、保育士としての給料で生活できるのか、どう生計を立てていくか、気になるのではないでしょうか。
保育士で一人暮らしをする前に、実際の生活費をシミュレーションすると安心です。
補助金制度を利用したり、節約したりと、工夫すると良いでしょう。
保育士が一人暮らしをする際の生活費内訳
保育士で一人暮らしをするために、まずは次のような内訳で実際の生活費を想定してみましょう。
- 初期費用
- 家賃
- 光熱費
- 食費
- 通信費
- 交際費・娯楽費
以下、項目ごとに必要となる金額の目安を紹介します。
初期費用
一人暮らしの場合、部屋を借りる際の初期費用には、平均50万円使われています。
初期費用の内訳は次のとおりです。
- 敷金
- 礼金
- 仲介手数料
- 家賃
- 火災保険
- 引越し費用
- 家具・家電
敷金・礼金は3ヵ月分や0円など、物件によって異なります。
とことん費用をおさえて物件を選ぶと良いでしょう。
また、初めての一人暮らしでは、家具や家電をそろえる費用も必要です。
グレードにこだわらないなら、家電一式10万円前後、中古では5万円程度で揃えることも可能です。
家賃
家賃は収入の3分の1を目安にするのが一般的です。
駅の近くや街中などの立地をはじめ、築年数、物件の広さや設備などの条件によって、家賃相場は変動します。
例えば、車通勤なら駐車場代が必要ですが、家賃が高くなりがちな駅近物件を選ぶ必要はなくなるでしょう。
家賃の固定費は毎月の主な支払いになるので、生活に支障がない範囲で部屋選びの条件を満たすのがおすすめです。
光熱費
生活するうえでは電気、ガス、水道などの光熱費が欠かせません。
総務省の家計調査/ 家計収支編 単身世帯 年報によると、一人暮らしの1ヵ月あたりの平均は13,098円です。
内訳は次のとおりです。
項目 | 1ヵ月あたりの平均額 |
電気代 | 6,808円 |
ガス代 | 3,331円 |
他の光熱費 | 843円 |
上下水道料 | 2,116円 |
特に真冬や真夏は電気代が高くなる傾向にあるため、無駄遣いしないように心がけましょう。
食費
毎日の食費は、自炊回数を増やし、買い物の仕方を工夫すると抑えられるでしょう。
総務省の家計調査/ 家計収支編 単身世帯 年報によると、一人暮らしの1ヵ月あたりの平均は39,069円です。
外食すると1回1,000円ほど、飲み会に行くと1回4,000円ほどはかかってしまい、食費が高くなりがちです。
食費を抑えるために外食を抑える、昼食は弁当を持参する、園の給食が安ければ利用するなど工夫すると良いでしょう。
通信費
通信費には、スマートフォンやWi-Fiなどが含まれており、総務省の家計調査/ 家計収支編 単身世帯 年報によると、一人暮らしで1ヵ月あたり平均7,008円の費用がかかっています。
通信費は格安スマートフォンを提供している通信事業者を利用すると、月額利用料を抑えられるためおすすめです。
交際費・娯楽費
友達や同僚、パートナーとの付き合いがあると、次のような費用が発生するでしょう。
- 外食代
- ファッション
- 美容・メイク代
- 旅行費
- 交通費
総務省の家計調査/ 家計収支編 単身世帯 年報では、一人暮らしの交際費の平均は1ヵ月あたり13,831円、習い事などの教養娯楽関係費は21,377円です。
生活に無理がないように、いくら使うか目安を決めておくと安心です。
保育士の一人暮らしは家賃補助・制度を活用するのも手
保育士が一人暮らしを始める場合、勤務先や自治体によっては補助制度を活用できます。
住まいに関する一般的な制度は下記のとおりです。
- 保育園の家賃補助や社宅を利用する
- 保育士宿舎借り上げ支援事業を利用する
一人暮らし先の自治体の制度を調べてみましょう。
保育園の家賃補助や社宅を利用する
保育園によっては、家賃補助や社宅が福利厚生として用意されています。
もともと社宅がある保育園を選んで、入職を決めるのも良いでしょう。
家賃補助の場合は自分で物件を選べますが、補助額は決まっている保育園が多いため、家賃を抑えて借りると安心です。
保育園の福利厚生で住宅手当があるか、調べてみましょう。
保育士宿舎借り上げ支援事業を利用する
保育士宿舎借り上げ支援事業は、国や自治体が行っている制度で、保育士の経済的な負担を減らし、安定的に人材を確保するために実施されています。
国が1/2、自治体が1/2の家賃補助を行い、1ヵ月あたり82,000円が上限です。
令和6年度からは、採用から6年以内の保育士が対象です。
パートナーとの同棲など、単身者以外の場合は補助を受けられない場合があることを知っておきましょう。
勤め先の保育園がある自治体で、支援事業を調べてみてください。
保育士1年目で一人暮らしを経験した人の声
保育士1年目から一人暮らしをしたい人は、経験者の声を参考にして一人暮らしをイメージしてみましょう。
- 実家よりも自由に生活できる
- 勤務地から近い物件を借りたので通勤が楽
- 社会人になるのは大変で、特に行事前はストレスが溜まってしまう
- 仕事に慣れるまで家族と生活したほうが家事も楽で安心できる
- 食事や洗濯などの家事が追いつかない日がある
仕事に慣れていくと生活にも余裕が出て一人暮らしが楽しめるでしょう。
保育士パート・アルバイトでも一人暮らしは可能?
保育士のパート・アルバイトで一人暮らしをするのは、収入面で難しいです。
厚生労働省による2019年調査の幼稚園・保育所等の経営実態調査で、保育士の平均給与月額を確認してみましょう。
常勤の給与月額 | 非常勤の給与月額 | |
私立保育所 | 30.2万円 | 18.8万円 |
公立保育所 | 30.3万円 | 16.3万円 |
私立保育所と公立保育所で多少差はありますが、どちらも非常勤の保育士の給与のほうが低いです。
パート・アルバイトの月収で、家賃や光熱費などの固定費を払いながらの生活は、やりくりが大変です。
一定期間実家で生活して貯金したのちに一人暮らしを始めたり、常勤保育士として働いたりして、一人暮らしの計画を立てると良いでしょう。
保育士で一人暮らしをするシミュレーションをしてみよう
本記事では、保育士の一人暮らしで必要な初期費用や、生活に必要な費用などを紹介しました。
保育士1年目でも、自治体の家賃補助制度や保育園の福利厚生を受けると、一人暮らしのやりくりが楽になります。
家賃補助を受けていても、食費や交際費などがかさむと、生活は圧迫されてしまうでしょう。
また、初めての一人暮らしで初めての社会人経験だと、一度に過度のストレスがかかる可能性もあります。
生活費用や家事などを自分一人でやりくりできるかどうか、シミュレーションしてみると良いでしょう。