病院を受診すると、休日でも夜間でも看護師が働いているのを目にします。
「看護師は休みがなく忙しそう」といった印象は、こういった部分から来るのかもしれません。
実際に、看護師は休みが少ないのでしょうか。
その疑問に答えるため、この記事では、看護師の休みがどのくらいあるのかを紹介します。
平均的な休日日数に加え、勤務形態別の休みの状況についても解説しています。
目次
看護師の休みはどれくらいか
ここでは、看護師の休みが一年間を通してどのくらいあるのか、年間休日数を紹介します。
また、年間休日に含まれない休暇として有給休暇があり、看護師の有給休暇の取得日数についても解説します。
年間休日数
2022年病院看護・助産実態調査報告書によると、看護師の年間休日平均日数は116.8日です。
また、勤務先の就業規則で定められた所定の年間休日日数は、「120日〜130日」が全体の45.7%と最も大きい割合を占めています。
令和4年度に厚生労働省が出した統計によると、全職業の年間休日日数は107.0日です。
このことから、看護師の年間休日数は、他の職業と比較しても多いことがわかります。
有給休暇取得率
2022年病院看護・助産実態調査報告書によると、看護師の有給休暇の年間取得率は65.0%です。
全国的に見た有給休暇の取得率は、58.3%なので、看護師の有給休暇の取得率は高いことがわかります。
しかし、勤務先によっては、看護師の有給休暇の取得率が10%未満と低いところもあるため、注意が必要といえるでしょう。
また、有給休暇は年間休日数に含まれておらず、労働基準法で年に5日以上取得しなければならないと定められています。
看護師の勤務形態による休みの違い
ここまで看護師の年間休日数と有給取得率を紹介してきましたが、看護師の休みは勤務形態によっても変化します。
ここでは、看護師の勤務形態による休みの違いを紹介します。
週休形態
週休形態 | 割合 |
完全週休2日(1週間に2日休み) | 22.6% |
週休2日(4週間で8日休み) | 50.9% |
月3回週休2日(4週間で7日休み) | 4.6% |
月2回週休2日(4週間で6日休み) | 5.5% |
月1回週休2日(4週間で5日休み) | 0.4% |
週休1日半(土曜日などの半日勤務) | 1.4% |
週休1日 | 0.4% |
その他 | 14.3% |
看護師の週休形態は、上記の表からもわかるように週休2日制が多い状況です。
しかし、週休2日制のなかにも4週間に〇日休みといった換算方法をしている職場があり、完全週休2日制とは異なる場合があります。
また、完全週休2日制の場合でも土日休みとは限りません。
勤務先別に見た看護師の週休形態の傾向としては、病院では4週間に8日休みがあり、クリニックでは週に1日から2日の休診日が休みであることが多いです。
夜勤がある場合
2交代制と3交代制、夜勤専従が夜勤がある場合の看護師のシフト形態です。
基本的には、夜勤明けの次の日が休みになることが多いですが、夜勤明けの次の日に夜勤が再び入る場合もあります。
夜勤明けの次の日が再び夜勤になった場合でも、いったん自宅に帰り睡眠を取るだけの時間は確保されます。
夜勤がある場合の看護師の休みは、勤務先のシフトの形態によって変わるといえるでしょう。
看護師の休みに関する注意点
看護師の休みに関する注意点を4つ紹介します。
自分の希望どおりの休みが取れるのかどうかも踏まえて、参考にしてください。
土日休みが取りにくい
総合病院などで働く病棟看護師は、24時間365日患者さんのケアを行っています。
そのため、土日祝日も勤務をしなければならない可能性があります。
土日祝日に勤務をした場合、その週は休みがなくなるわけではありません。
土日祝日に勤務する代わりに、平日休みをもらえるでしょう。
土日休みの求人を探している場合は、以下のページで紹介しているので参考にしてください。
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年末年始・お盆など長期休暇が取りにくい
世間が長期休暇でも、勤務先の病院に入院患者さんがいる場合、看護師は交代で出勤になります。
そのため、入院患者さんがいる勤務先に務める看護師は、長期休暇が取りにくいといえるでしょう。
年越しをご家族と過ごすのではなく、病棟で過ごすことになる可能性もあります。
その分、勤務先によっては、「休日給」や「年末年始手当」がもらえることもあり、お金を稼ぎたいという方にはおすすめです。
休みが不定期なため連休を取りにくい
シフト制の勤務形態の場合は、休みが土日祝日とは決まっておらず、不定期となります。
自分の予定を入れたい場合に、予定の調整が難しいことがデメリットです。
また、一人が連休を取ると、他の看護師が連勤になってしまうため、連休が取りにくいといったこともあるかもしれません。
連休を取りたい看護師は、就業前に勤務形態や連休の取りやすさを確認しておくことをおすすめします。
夜勤明けが休みとカウントされてしまうことがある
夜勤のある病院によっては、夜勤明けの日が休みと同等に扱われてしまうケースがあります。
また、先述したように、夜勤明けの次の日に再度夜勤が入ったり、日勤になったりする場合もあるため、体力勝負となってしまう可能性もあります。
夜勤明けの日が休みの場合でも、勉強会や病棟会のために夕方から出勤しなければならないこともあるでしょう。
よって、夜勤がある勤務先によっては、夜勤明けの休みが取りにくいことが考えられます。
看護師の休日は職場の勤務形態によって異なる
看護師の年間休日数は、116.8日、有給休暇取得率は65.0%とほかの職業に比べて休日が多い傾向にあります。
しかし、2交代制や3交代制、シフト制など勤務形態によって、土日祝日休みが取れなかったり、夜勤明けの日が出勤になったりする可能性もあります。
休みが不定期で予定が立てにくいことは、看護師の休日における大きなデメリットです。
とはいえ、看護師は希望どおりの休みが取れないわけではありません。
自分の希望する形で休暇を取れる職場を、じっくり探してみてはいかがでしょうか。