保育士試験では、科目ごとの難易度や点を取るポイントを押さえることが大切になります。
保育士試験は9科目もあるため、効率的に勉強を行わなければ時間が無駄になる可能性があるからです。
本記事では、保育士試験の科目ごとの難易度や点を取るポイントを解説します。
保育士試験に向けて、効率的に勉強するためにお役立てください。
目次
保育士試験は9科目
保育士試験に合格すると、国家資格である保育士資格を取得できます。
筆記試験と実技試験のどちらも合格することで、保育士資格の取得が可能です。
保育士試験の合格率は約20%となっており、難易度の高い資格試験といえるでしょう。
まずは、保育士試験の概要を紹介します。
保育士試験は9科目の筆記試験と実技試験
保育士試験の内容は、9科目の筆記試験と実技試験です。
実技試験は筆記試験に合格した人のみが受けられるため、まずは筆記試験に合格する必要があります。
筆記試験の9科目は、以下のとおりです。
- 保育原理
- 教育原理
- 社会的養護
- 子ども家庭福祉
- 社会福祉
- 保育の心理学
- 子どもの保健
- 子どもの食と栄養
- 保育実習理論
筆記試験は、すべてマークシート形式です。
1科目の問題数は10〜20問であり、時間は1科目あたり1時間と決められています。
ただし、教育原理と社会的養護のみ試験時間がそれぞれ30分です。
試験時間の配分に気をつけましょう。
保育士試験には科目免除がある
保育士試験で科目免除が適用できるのは、幼稚園教諭免許を保持している場合です。
幼稚園教諭免許を保持している場合には、「保育の心理学」と「教育原理」の2科目の筆記試験と実技試験を免除できます。
科目の免除には、幼稚園教諭免許状の提出が必要です。
幼稚園教諭免許を保持している方であれば、1種免許・2種免許・専修のいずれの区分でも免除申請をできます。
幼稚園教諭免許を保有している方は、科目免除を利用しましょう。
合格基準がすべて6割以上
筆記試験の合格基準は、すべての科目で6割以上の点数を獲得することです。
全20問の科目であれば12問以上正解する必要があります。
1科目でも合格基準を満たしていないと、保育士資格を取得できないので注意しましょう。
覚えておきたいのは、筆記試験はマークシート形式ということです。
答えがまったくわからない場合にも空欄にはせず、どこかを塗りつぶしておくと正解する可能性があります。
1問の差で結果が分かれることもあるので、気をつけましょう。
保育士試験の科目の難易度は?
保育士試験の9科目には、一般的に難易度が高いといわれる科目があります。
多くの人が難しいと感じる科目に関しては、特に念入りに試験対策しましょう。
ここでは、特に難しいと評判になっている科目と、逆に点を取りやすいといわれている科目を紹介します。
難しい科目は社会的養護・教育原理・社会福祉
一般に難しいとされているのは、社会的養護・教育原理・社会福祉の3科目です。
社会的養護と教育原理は2科目に分かれていますが、同じ試験で同時に2科目を合格しなければなりません。
また、教育原理では、過去問題の学習だけでは予習し切れない時事問題が出題されるので、試験対策をする際には注意が必要です。
社会福祉は、問題の難易度が高いといわれています。
社会保障制度や法律に関する内容が出題されるため、こうした内容が苦手な人は特に十分な対策をしましょう。
比較的点を取りやすい科目は保育実習理論・保育原理
比較的点を取りやすい科目は、保育実習理論・保育原理です。
ただし、簡単というわけではありません。
要点を押さえた学習で点数を取りやすいという意味なので、油断しないように気をつけましょう。
保育実習理論は、保育の現場での応用力を問う問題が出題されます。
点が取りやすいといわれる理由は、20問中5〜6問が音楽に関する問題と決まっているためです。
保育原理では、子どもの保育に携わる者が知っておくべき制度や保育の実践を支える理念など、保育の基礎に関する問題が出題されます。
保育所保育指針から出題されるため、出題範囲が明確です。
保育士試験の難しい科目で点数を取るポイント
保育士試験の難しい科目で点数を取るポイントを紹介します。
効率良く勉強するコツについても触れますので、筆記試験の対策をするうえでご参考ください。
試験日から逆算して勉強を開始する
まずは、保育士試験を受ける日を決めます。
学習の期限を設定することで、逆算して全体のスケジュールを決めることが可能です。
期間に余裕を持って学習を行う場合は、期間と学習の目的を明確にします。
例えば「4月は新しいことを学習して、5月は学習した内容で過去問題を解く」などです。
保育士試験は基本的に年2回ですが、地域限定(都道府県別)で3年間働ける保育士資格の試験もあるので、居住地で地域限定保育士試験がないか確認しておきましょう。
(地域限定保育士試験に合格し、3年が経過すると全国で働くことが可能です。)
科目を分けて勉強の効率を高める
保育士試験の9科目は、大きく4つのグループに分けられます。
グループ | 科目 |
---|---|
原理系 | 保育原理・教育原理・社会的養護 |
福祉系 | 社会的養護・子ども家庭福祉・社会福祉 |
子育て系 | 保育の心理学・子どもの保健・子どもの食と栄養 |
保育所・子供福祉施設系 | 保育原理・社会的養護・子ども家庭福祉・保育実習理論 |
同じグループ内の科目は、学習内容が似ていることが特徴です。
よってバラバラに学習するよりも、グループ内の科目に集中して学習するほうが理解度を高められます。
最新情報で勉強する
保育士試験は、情報の更新にも注意しましょう。
なぜなら、保育士は国家資格であり、法改正で出題内容や範囲が変更される場合があるからです。
受験年の試験に対応した内容でないと学習時間が無駄になる可能性があるので、最新情報に基づいて学習しましょう。
筆記試験で情報の更新に注意したいのは、社会福祉・子ども家庭福祉・保育原理・教育原理・社会的養護の5科目です。
特にこれらの5科目を学習する際には、問題集が最新かどうかを確認しましょう。
自分の得意科目と苦手科目を把握する
保育士資格の勉強を進めるうちに、自分の得意科目と苦手科目がわかるようになります。
一般に点が取りやすいといわれる科目だったとしても、自分が苦手と感じる科目には対策が必要です。
苦手科目でも余裕をもって点数を獲得できるように、集中的に学習時間を確保するなど工夫しましょう。
たとえ得意科目だったとしても、一度学習しただけで受験に向かうことは避けましょう。
油断によって、学習内容を忘れる恐れがあるためです。
得意科目でも定期的に復習の時間を設けて、勉強内容を忘れないようにしましょう。
勉強を習慣づける
保育士試験に向けて、勉強を習慣づけましょう。
勉強を継続させるコツは、なるべく学習のハードルを下げることです。
特に働きながら試験勉強をする場合は、毎日長時間学習することは難しくなります。
あらかじめハードルを下げておくと、負の先入観が働きにくくなり学習の挫折を予防することが可能です。
例えば、毎日10分と決めておけば、継続しやすくなります。
学習を継続できれば、ポジティブな気持ちで保育士試験と向き合えるため、モチベーションが上がる可能性が高いです。
保育士試験は科目別に対策しよう
本記事では、保育士試験の科目に関して、難易度や点を取るポイントを解説しました。
保育士試験は合格率が約20%であり、難易度が高いといわれる試験です。
すべての科目で6割以上の点数を獲得する必要があったり、出題範囲が広かったりするため、ポイントを押さえた学習が必要になります。
保育士試験の合格をめざすために、科目別に対策しましょう。