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保育士の勤務時間は長い?平均的な勤務時間や残業時間の実態

残業の多さや長時間労働のイメージを持たれやすい保育士。
将来の仕事として保育士を視野に入れている方にとって、保育士の長時間労働は不安を感じる問題です。

特に近年は、共働き世帯の多様なニーズに対応しようと、延長保育や早朝保育、夜間保育などを取り入れる保育園があります。
保育園で働く保育士の労働時間にどのような影響があるのか気になるところです。

そこで本記事では、保育士の勤務時間や残業の実態を明らかにします。
さらに、保育士の職場環境の改善をめざした国の政策や、長時間労働を回避するポイントもご紹介します。
ぜひキャリアプランの選択に活用してください。

保育士の平均勤務時間は?

保育士の平均勤務時間はどのくらいなのでしょうか?
厚生労働省の統計をもとに解説します。

厚生労働省の統計調査における保育士の労働時間

令和3年、保育士の1ヵ月間の実労働時間は、残業を含めて約170時間でした。

所定内実労働時間(月) 超過実労働時間(月)
166 3

あくまで統計上ですが、1日8時間労働と仮定すると、所定内実労働時間166時間より、保育士は月に約21日間勤務していることになります。
月21日間勤務とすると、超過実労働時間3時間より、残業時間は1日10分程度です。

保育士は月に21日間勤務し、1日あたりの労働時間は8時間10分程度という計算になり、労働者としては一般的な条件だと考えられます。

保育士の勤務時間、実はもっと長い?

では、実のところ保育士の勤務時間はどうなっているのでしょうか?
統計上のデータは、保育士の実態をどの程度反映しているのかみていきます。

保育士の勤務時間、実はもっと長い?

(参照元:厚生労働省 保育士の現状と主な取り組み

上のグラフでは、「仕事量が多い」「労働時間が長い」という理由が退職した理由の上位にランクインされています。

統計上、残業は毎日10分となっていますが、保育士は子どもが降園したあとも、翌日の準備や事務作業、室内の清掃・消毒など、行うべき業務が多々あります。
なかには、休憩時間を業務に当てたり、自宅に制作物を持ち帰り、帰宅後も仕事を続けたりする保育士もいるのが現状です。

本来は、労働時間が8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩時間を取らなければなりませんが、それすらままならないこともあるといいます。

幼稚園教員や保育教諭(認定こども園の先生)との違いは?

保育士と、幼稚園教諭や保育教諭(認定こども園の先生)との間には、労働時間に違いはあるのでしょうか?

下記は令和3年の幼稚園教諭・保育教諭の労働時間と残業時間を表したものです。

所定内実労働時間(月) 超過実労働時間(月)
171 3

統計上、1日8時間労働と仮定すると、所定内実労働時間171時間より、幼稚園教諭や保育教諭は月に約21日間勤務していると推察されます。
月21日間勤務とすると、超過実労働時間3時間より残業時間は1日10分程度となり、保育士と大きな差はありません。

保育士の勤務時間は労働条件によって異なる

保育士の勤務時間は、労働条件によっても大きく異なります。
ここでは、勤務形態別にみた勤務時間について解説していきます。

勤務形態別の勤務時間

下記は勤務形態別に労働時間の目安を表したものです。

勤務形態 特徴 労働時間の目安
シフト制勤務 1日の業務時間を時間帯に分けて交代制で働く 8時間
固定時間勤務 就業時間や出勤する曜日などが固定されている 8時間
短時間勤務 育児や介護などの事情がある場合、勤務時間を短縮して働く 6時間
変形労働時間勤務 月単位や年単位などに労働時間を調整する 時期により変動

シフト制を取り入れている保育園が一般的ですが、固定時間勤務や短時間勤務を採用している保育園もあります。

シフト制勤務

シフト制は早番・遅番など、1日の業務を時間帯に分けて勤務する形態です。

シフト制の勤務時間は8時間が目安です。
例えば、早番7:00~16:00、中番9:00〜18:00、遅番11:00〜20:00のような設定になっています。

固定時間勤務

固定時間勤務は、勤務する時間帯や曜日が固定されている勤務形態です。
パート・アルバイトの保育士や派遣保育士などは、固定時間勤務で就業することがあります。
時間帯は保育園の規定で8時から17時などとなっていることもありますが、パート・アルバイトの場合は保育士の希望で時間や曜日が決まる場合もあります。

短時間勤務

短時間勤務は、3歳未満の子どもを養育しているなど、一定の条件を満たした保育士が利用できる勤務形態です。
育児・介護休業法によって定められています。

希望時には、残業の免除も受けられます。
短時間勤務では、6時間勤務が労働時間の目安です。

詳しい育児・介護休業法については、厚生労働省の育児・介護休業法のあらましを参照してください。

変形労働時間勤務

変形労働時間勤務は、月単位や年単位で労働時間が異なる勤務形態です。
繁忙期や閑散期がある職場で採用されることの多い勤務形態であり、今のところ、保育園で取り入れているところは多くありません。

変形労働時間勤務を採用している保育園では、ゴールデンウイークやお盆など登園する園児が少ない期間に長期休暇を取得できることもあり、ワークライフバランスが取りやすいのが魅力です。

保育士の休日について

多くの園が保育士の1日の労働時間を8時間としていることから、労働基準法により保育士の休みは週休二日になります。
ほかにも、祝日や園独自の休日(誕生日休暇など)が休みになるほか、年次有給休暇を取得して休みを取ることもできます。

休日は週休二日制

法定労働時間が週40時間という決まりのなかで、フルタイムで働く保育士は1日8時間勤務をしています。
そのことから「1日8時間×5日=週40時間」となり、保育士は主に週休二日で働いていると考えて良いでしょう。

保育園は日曜と祝日、年末年始を休園日としているところが多く、保育士の休日も、日曜・祝日・年末年始になります。
では、土曜日はどのような扱いになるのでしょうか?
近年は土曜日も出勤する保護者が増え、全体の98%の保育園が土曜日も開園しています。
(参考:全国保育協議会「会員の実態調査報告書2016」

土曜日出勤した保育士は、日曜日が休園日の場合、平日に振替休日を取ります。

有給の取得状況は3~6日が約30%

下記は、全国保育協議会「会員の実態調査報告書2016」が発表した保育士の有給取得状況です。

有給の取得状況は3~6日が約30%

全体では「3〜6日」が31%と割合が最も多く、次いで「7〜9日」が全体の29%でした。
「2日以内」は全体の3%であり、保育士の有給消化率は極端に少ないわけではありません。

2019年4月からは、すべての労働者に対して年間5日間の年休の取得が、事業者に義務付けられています。
より休みが取りやすい環境になるでしょう。

詳しくは、厚生労働省の「年5日の年次有給休暇の確実な取得」でご確認いただけます。

保育士の長時間労働を避けるための方法は?

保育士の長時間労働を避け、ワークライフバランスを整えていくためには、どのような対策があるのでしょうか?
長時間労働を回避するポイントをご紹介します。

時間外労働が少ない保育園を選ぶ

長時間労働を回避するうえで重要なことは、時間外労働が少ない保育園を選ぶことです。
保育士の業務が定時に片付くよう積極的に業務改善している保育園、あるいは定時帰りを勧めている保育園を選びましょう。

とはいえ、保育園の実情は求人案内だけでは見えてきません。
保育園を見学したうえで、関係者に話を聞き、子どもが通っている知人がいれば保育士の出入りやイベントの頻度などを確認すると良いでしょう。
人材紹介会社に登録して、求人を探しつつ情報収集したり、キャリアアドバイザーなどに条件交渉を代行してもらったりするのも一つの方法です。

時間外労働が短い働き方を選ぶ

長時間労働を避けるために、時間外労働が短い雇用形態を選択する方法もあります。
具体的には、正社員でなく非正規社員として勤務したり、短時間勤務を選んだりすることです。

短時間勤務や非正規雇用の場合、事務作業や制作物、職員会議などが免除されることがあります。
保育に集中でき、比較的定時で退勤しやすいため、長時間労働を回避できる働き方といえるでしょう。
ただし、短時間勤務を希望できるのは、3歳未満の子どもを育てている場合や介護を必要とする家族がいる場合に限ります。

厚生労働省による保育士の労働時間短縮に向けた活動も行われている

近年、国は保育士の負担を減らすため、さまざまな対策を講じています。

例えば、給与改善のサポートです。
実際、民間保育園を対象とした給与の改善では、平成25年度に比べ、給与平均額は約14%(月額4万4千円)増えました。
令和4年2月からは、公立保育園も対象とし、さらに収入が3%(月額9,000円)上がる措置を取っています。

また、保育補助者の雇用支援やICT(情報通信技術)導入による仕事の効率化、保育士をめざす学生への金銭的援助を行い、保育士を取り巻く環境を整備しています。

(参考)
厚生労働省 保育士の働く環境は?3つの改善

保育士として、自分にあった勤務時間で働ける職場を探そう

保育士の労働時間は基本1日8時間です。
しかし、事務作業やイベントの準備、保護者の対応などで残業になることも少なくありません。
仕事量の多さや労働時間の長さを理由に、保育園を辞めてしまう人もいます。

そのなかで保育士の長時間労働を回避する方法は、以下の2つです。

  • 時間外労働が少ない保育園を選ぶ
  • 時間外労働が短い働き方を選ぶ

特に女性は結婚や出産・育児など、ライフスタイルに変化が生じやすいものです。
自分に合った勤務時間で働ける職場を探しましょう。

執筆者について

情報かる・けるは、医療・介護従事者として働いている方や、これから目指す方の「知りたい」に応えるメディア。 全国61,000件以上の求人を扱う弊社スタッフが、編集部として情報発信! “いい仕事が見つかる・いい仕事を見つける”ための、有益なコンテンツをお届けします。 https://x.com/karu_keru

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