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医療事務の窓口対応事例や例文を紹介|丁寧さが求められる理由も解説

医療事務として働いていると、窓口対応に戸惑う場面もあるかもしれません。
窓口業務を担当する医療事務は、病院やクリニックを訪れた患者さんが、最初に対応するスタッフです。
患者さんの状態を観察しつつ、丁寧な言葉遣いと状況に合わせた接遇が求められます。

本記事で紹介するいくつかのポイントをおさえておくことで、より良い接遇が可能になるでしょう。
また、医療事務の窓口対応で丁寧さが求められる理由や、実務で使える例文も紹介していきます。

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医療事務の窓口対応マニュアル【よく使う例文】

医療事務の窓口対応マニュアル【よく使う例文】

医療事務の窓口対応は、患者さんを接遇するシーンに合わせ、適切な言葉遣いで声がけすると印象が良くなります。
良く使うフレーズはマニュアル化し、すぐ対応できるよう覚えておくと良いでしょう。
実際に使える例文を、状況別にご紹介します。

患者さんが来院された場合

医療機関を訪れる患者さんは、初めて訪れる人、定期的に診察を受けている人、緊急性のある人など、事情や状況がそれぞれ異なります。
患者さんの様子を確認し、必要な言葉を丁寧に伝えましょう。

【例文】

● こんにちは、本日はどうなさいましたか?(診察券がある人・顔見知りの患者さんへの対応)
● 診察券をお作りしますので、こちらにご記入をお願いします。(初めての人への対応)
● 順番がきましたらお名前をお呼びします。楽な姿勢でおかけになってお待ちください。(体調が悪そうな人への対応)

患者さんの待ち時間が長くなる

医療機関が混み合っていると待ち時間が長くなるため、待合室での待機が困難になったり、外出を希望したりする患者さんもいます。
状況に合わせ、患者さんの気持ちが和らぐ声かけをしましょう。

【例文】

● お待たせして申し訳ございません。あと〇人で順番がきますので、今しばらくお待ちください(待ち時間が長く苛立っている患者さんへの対応)
● 別室で横になっていただけるかどうか、看護師に確認して参りますね(症状が重そうな患者さんへの対応)
● 保険証の返却までしばらくお待ちください。お呼び出しにご返答がないと、順番を後回しにされる可能性もあるのでご注意願います。(外出を希望する患者さんへの対応)

会計・お見送り時

診察を終え、会計をして患者さんをお見送りする際には、金額や処方箋の説明などをしつつ、気配りをまじえた声かけをしましょう。

【例文】

● 本日の診察料は〇〇円です。(領収書に印字された金額を示しながら)
● 本日は処方箋が出ています。処方箋は期限があるので、本日から4日以内に調剤薬局さんに提出して、お薬をお受け取りください。(処方箋が出ているとき)
● 本日の診療でわからないことはございませんでしたか?
● お大事になさってください。
● お気をつけてお帰りください。

医療事務の窓口対応で丁寧さが求められる理由

医療事務の窓口対応では、医療接遇と呼ばれる、患者さんの気持ちに寄り添った、丁寧な言動・行動が必要です。
また、身だしなみから表情・言葉遣いまで、細部に気を配らなければなりません。
ここでは、医療事務の窓口対応に丁寧さが求められる理由を、詳しく解説します。

窓口対応も命を預かる大切な仕事だから

窓口対応する医療事務は、医療行為に直接携わることはありません。
しかし、患者さんにとっては医師や看護師と同じく、医療施設の一員です。
命を預かる立場で対応し、より適切な治療ができるよう注意を払わなければなりません。

例えば、受付時の患者さんの様子を見て、緊急性が高そうに見えた場合、その旨を看護師に伝えれば適切な対応をすることができるでしょう。
窓口での丁寧な対応も、患者さんの命や健康を支える助けになります。

不安や悩みを和らげることで満足度を高めるから

医療施設を訪れる患者さんの多くは、体調が悪かったり、健康に対する悩みを抱えていたりする状態です。
待合室で座っているだけだと、気持ちが後ろ向きになり医療施設に不満を感じるかもしれません。

医療事務の丁寧な口調や、患者さんを慮った態度は、沈みがちな患者さんの気持ちを支え、医療施設全体への満足度を高められるでしょう。

窓口評価をもとに来院される人もいるから

窓口担当として、患者さんと最初に接する医療事務は、医療施設の第一印象を左右する重要な役割を持っています。
事実、病院やクリニックに対するインターネットの口コミのなかには、窓口対応に関する書き込みも少なくありません。
窓口業務の丁寧な対応は、患者さんの満足度を高め、医療施設全体の高評価や、収益の増加にも貢献できるでしょう。

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医療事務の窓口対応のポイント

医療事務の窓口対応では、以下の4つのポイントを意識しましょう。

  1. 接遇の基本をおさえる
  2. 患者さんとは対等な関係で関わる
  3. 患者さんの名前を添えて相手に応じた気配りをする
  4. クッション言葉を使う
    一つずつ解説していきます。

➀接遇の基本をおさえる

以下の5項目は、接遇の5原則と呼ばれ、医療事務の窓口対応でも重要な要素です。

  • 清潔感のある身だしなみ
  • 患者さんの年齢や状況に合わせた挨拶
  • 穏やかさ・信頼感を与える表情
  • 誠実で落ち着いた態度
  • 丁寧な言葉遣い

上記項目をきちんと身につけ、より良い形で診察へとつなげましょう。

②患者さんとは対等な関係で関わる

医療事務の窓口対応は、患者さんの気持ちに寄り添い、対等な立場で接遇しましょう。
患者さんの言葉をよく聞いていなかったり、別の作業をしながら会話したりすると、患者さんが「下に見られている」と感じてしまいます。

かといって、ホテルマンのような丁寧さで対応すると、患者さんが緊張してしまいかえって不安になるかもしれません。
患者さんと接するときは、対等を意識してリラックスしてもらえる対応をしましょう。

③患者さんの名前を添えて相手に応じた気配りをする

医療事務の窓口対応では、患者さんの状態に合わせ、対応を柔軟に変えることも大切です。例えば、定期検診で訪れた患者さんと、緊急性が高い症状の患者さんでは、適切な対応がそれぞれ異なります。
また、「〇〇さん」と個人名を添えて話しかけるだけで親しみやすさが増し、患者さんの気持ちが和らぐでしょう。

④クッション言葉を使う

クッション言葉とは、本題に入る前に添える、以下のような一言を意味します。

● 恐れ入りますが
● お手数ですが
● 申し訳ございませんが
● もしよろしければ
● 差し支えなければ

会話の冒頭にクッション言葉を使用してから、患者さんへのお願いやお断りを申し入れると、本題を伝えてもやわらかい印象を与えられるでしょう。

医療事務の窓口対応で想定される事例・対応例

医療事務の窓口対応で想定される事例・対応例

窓口対応では、ケース別の対応例をある程度頭に入れておくと、いざというときスムーズに対応できます。
ここでは、医療事務の窓口対応でよくある事例と、それぞれの対応例を見ていきましょう。

問診票の記入を拒否する患者さんの場合

問診票の記入を患者さんから拒否されたら、まず「なぜ拒否するのか」と気持ちを推測し、妥協点を探って納得してもらいましょう。

例えば、住所・電話番号は個人情報に当たるため、患者さんが書きたくないと訴えたとします。
しかし、病院側は手続きや診察のため、できるだけ多くの情報を書いてもらわなければなりません。

「書ける範囲で結構ですよ」「後日連絡する可能性があるため、連絡先だけでもお教えください」と妥協案を提案すれば、患者さんの拒否感も和らぐ可能性があります。

耳が遠い患者さんの場合

耳が遠くて会話が通じにくい患者さんには、顔をみてゆっくり丁寧に話すと良いでしょう。
通常の距離感・スピードだと聞き取れない患者さんも、顔を見ながらゆっくり話すと声が聞き取りやすくなります。
また、話す表情から真剣さが伝わるため、患者さんの聞く態勢も整い、大きな声で話さなくても会話が成立する場合もあるでしょう。

高齢者や難聴の患者さんに対しては、話しながら要点をメモ書きして渡したり、最初から筆談するのも効果的です。
相手の状況に合わせ、話し方・伝え方を工夫してみましょう。

順番が遅いと苦情をいう患者さんの場合

診察の順番がなかなか回ってこず、「遅い」と苦情を入れる患者さんには、相手の主張を聞いたうえで、なぜ待ってもらわなければならないのか、理由を丁寧に伝えましょう。
例えば、受付時に順番表へ記入している場合は、表を提示しながら「あと〇人で診察です」と視覚的に説明できます。
待ち時間に外出する患者さんには、「間に合わなかった場合後回しになる」と事前説明しておき、苦情をいわれても対応しやすい状況を作っておくと良いでしょう。

医療事務の窓口対応は病院の顔と心得て働こう

医療施設の窓口対応を担う医療事務は、患者さんにとって最初に接する病院関係者であり、病院全体の評判を左右します。
また、受付対応のなかで患者さんの異常や、必要な配慮について気付くこともあるので、丁寧な対応が肝要です。

接遇の基本をおさえ、よくある事例と対応方法をチェックしておくと、いざというときスムーズに行動できます。
患者さんの症状や状態を見極め、臨機応変な対応で気を配り、理想的な窓口サービスを提供しましょう。

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