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精神保健福祉士は実務経験があれば受験できる?要件について解説

生活支援員や職業指導員として勤務している人のなかには、「実務経験を活かして精神保健福祉士の資格を取得し、キャリアアップしたい」と考えている人もいるでしょう。
しかし、精神保健福祉士国家試験の受験資格の一つの実務経験は、年数のほかにも、業務内容や勤務先の施設といった要件を満たさなければなりません。

今回は、実務経験を活かして精神保健福祉士の国家試験を受験する場合の要件について解説します。
資格取得を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

精神保健福祉士は実務経験があれば受験できる?

精神保健福祉士は実務経験があれば受験できる?

精神保健福祉士の受験資格には、いくつかのルートがあります。
そのうち、4年以上の実務経験を経るルートは、学歴を問わず受験資格を満たすことが可能です。
ここでは、受験資格を得るための各ルートについて軽く触れたうえで、4年以上の実務経験を経るルートについて解説していきます。

受験資格を得るルート

受験資格を得る方法は以下のように、大きく4つのパターン、11種類のルートがあります。

【保健福祉系大学等卒業後すぐに受験資格を得るルート】

  • 4年制大学で指定科目を履修、卒業

【保健福祉系短大等卒業後、実務経験を経て受験資格を得るルート】

  • 3年制の保健福祉系短大等で指定科目履修+相談援助実務1年
  • 2年制の保健福祉短大等で指定科目履修+相談援助実務2年

【短期養成施設等の卒業が必要なルート】

  • 4年制福祉系大学等にて基礎科目履修+短期養成施設等6ヵ月以上
  • 3年制福祉系短大等にて基礎科目履修+相談援助実務(1年)+短期養成施設等(6ヵ月以上)
  • 2年制福祉系短大等にて基礎科目履修+相談援助実務(2年)+短期養成施設等(6ヵ月以上)
  • 社会福祉士登録者+短期養成施設等(6ヵ月以上)

【一般養成施設等の卒業が必要なルート】

  • 4年制大学等卒業(基礎科目または指定科目の履修なし)+一般養成施設等1年以上
  • 3年制の短大等卒業(基礎科目または指定科目の履修なし)+相談援助実務1年+一般養成施設1年以上
  • 2年制の短大等卒業(基礎科目または指定科目の履修なし)+相談援助実務2年+一般養成施設等1年以上
  • 相談援助実務経験4年+一般養成施設等1年以上

学校の種類や履修している科目によって受験要件は異なりますが、実務経験を4年積んでいれば一般養成施設に1年通うことで受験資格が得られます。

実務経験4年以上で受験資格を得られる

精神保健福祉士国家試験の受験資格を満たすために必要な実務経験の年数は、卒業した学校や履修した科目によって異なります。
しかし、4年以上の実務経験があれば、過去の履修状況は関係ありません。
なお、実務経験を証明するためには、実務経験証明書を提出する必要があります。

精神保健福祉士資格の実務経験に関する要件

精神保健福祉士資格の実務経験に関する要件

精神保健福祉士の受験資格に必要な実務経験は、業務内容や施設の要件が規定されています。
該当する業務と施設、また実務経験の計算方法について確認していきましょう。

相談援助に該当する業務

相談援助に該当する業務に、通年で業務時間の約5割以上従事していることが条件です。
相談援助にあたる業務は、具体的に以下の5種類となっています。

業務の種類 内容
1.精神障がい者の相談 精神疾患の状態に配慮しながら、円滑に社会復帰するための各種情報提供を行う
2.精神障がい者に対する助言、指導 精神疾患の状態に配慮しながら、退院後の住居や再就労先の選択などについて、提案・誘導をする
3.精神障がい者に対する、日常生活へ適応するために必要な訓練 社会復帰の途中にある精神障がい者に対して、生活技能を身につける訓練を行う
・時間を決めて洗面させる
・清掃、洗濯などの習慣をつけさせる
・公共交通機関の利用に慣れさせるなど
4.精神障がい者に対するその他の援助 個々のニーズに応じた多様な支援をする
・精神障がい者自身が行うことに困難がともなう手続きを代行する
・社会復帰をめざす精神障がい者を受け入れるご家族、学校、会社に理解を求めるなど
5.援助を行うための関係者との連絡・調整等 ・会議への出席
・関係書類の整理
・職員間の申し送り、連絡、調整
・関係機関との連絡、調整

実務経験が認められる施設

実務経験が認められるのは、特定の法律に基づいた施設と職種に限られます。
さまざまな法律があるなかで、代表的な5種類と該当する施設、主な職種について紹介していきましょう。

法律 施設の種類 主な職種
精神保健および精神障がい者福祉に関する法律 ・精神科病院
・精神保健福祉センター
・精神科ソーシャルワーカー
・精神保健福祉相談員
・社会福祉士
・心理判定員
児童福祉法 ・障害児通所支援事業を行う施設
・乳児院
・児童養護施設
・福祉型障害児入所施設
・児童心理治療施設
・児童相談所
・母子生活支援施設
・障害児相談支援事業を行う施設
・児童自立支援施設
・児童家庭支援センター
・児童自立生活援助事業を行う施設
・保育士
・職業指導員
・心理指導担当職員
・家庭支援専門員
・児童指導員
・児童発達支援管理責任者
・児童福祉司
・児童心理司
地域保健法 ・保健所
・市区町村の保健センター
・精神保健福祉相談員
・社会福祉士
・精神科ソーシャルワーカー
・心理判定員
医療法 ・病院
・診療所
・精神科ソーシャルワーカー
・医療ソーシャルワーカー
生活保護法 ・救護施設
・更生施設
・被保護者就労支援事業を行う事業所
・被保護者就労準備支援事業を行う事業所、被保護者家計改善支援事業を行う事業所
・就労支援事業を行う事業所
・日常生活支援住居施設
・生活指導員
・就労支援員
・被保護者就労準備支援担当者
・相談支援に従事する者

実務経験の計算方法

該当する事業所と雇用関係を結び、常勤または労働時間が常勤者の4分の3以上勤務した期間を通算して計算します。
なお、パート・アルバイトの場合も、常勤者の4分の3以上労働時間があれば受験資格を得られます。

精神保健福祉士の受験資格は実務経験があれば得られる

精神保健福祉士国家試験の受験資格を得るためのルートは全部で11あります。
そのうち、4年以上の実務経験を経るルートであれば、学歴を問わずに受験資格を得ることが可能です。

ただし、実務経験には、具体的な業務内容や勤務する施設などの要件が定められています。
実務経験を活かして受験を検討する場合は、自分が該当するかどうかをよく確認しておきましょう。

執筆者について

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