
MRとして働いていると、「より自分に合った分野でスキルアップをしたい」「別の分野での経験を積みたい」という気持ちが芽生えることもあると思います。
そこで、MRの転職事情について解説していきます。
MRの転職難易度は、決して低くはありません。
本記事では、転職を成功させるためのポイントについても紹介しているため、今後のキャリアで転職を考えている方は参考にしてみましょう。
目次
MRの転職事情とは?将来性や需要について
転職を考えるうえで、業界の将来性が気になる方は多いでしょう。
MRも一時期は飽和状態で、需要が低くなってきているといった懸念の声がありました。
事実、MRの数は年々減少傾向にあります。
しかし、MRの人数は少なくなる一方、企業におけるMRの中途採用枠は増加しています。
特に、医薬品販売業務受託機関(CSO)に所属しながら製薬会社に派遣されて働くコントラクトMRの数は、年々増加傾向です。
近年では、がんを中心とする腫瘍を扱うオンコロジー領域が注目を集めていましたが、他にも遺伝子治療や再生医療といった新しい分野への期待が高まってきました。
新しい分野での需要が高まったことが、企業がMR経験者の採用枠を増やしている一つの理由といえます。
MRの転職を成功させるポイント
それでは、MRが業界内での転職を成功させるためのポイントを、紹介していきます。
MRとしてキャリアプランを明確にする
転職を成功させるためには、まず自分がどのようなMRになりたいのかキャリアプランを明確にしておくことが重要です。
「転勤がなく、ライフワークバランスを重視したい」「新薬開発が盛んな企業で働きたい」など、自分が選択する転職の軸によって、めざす転職先は変化します。
多種多様なMRの働き方を熟考したうえで選択すれば、自分の思い描く未来とずれが生じることも少なくなるでしょう。
需要の高い分野を把握する
需要の高い分野を転職先に選択するのも重要です。
というのも、MR業界では中途採用が増えている状況ではありますが、決して求人がたくさんあるという訳ではありません。
そのため、転職難易度は決して低くないのです。
市場のニーズが高い分野であれば、求人情報は多くなります。
近年では、がん治療や再生医療といった領域の需要が高まってきました。
自分が経験を持つ領域だけではなく、需要が高い分野を選択するのも、転職を成功させるポイントの一つといえるでしょう。
転職年齢を見定める
MRの転職では、年齢も考慮することが大切です。
特に30代以降の転職では、マネジメントスキルや管理職の募集が増えます。
それにともない、当然転職で求められるスキルも向上します。
30代でリーダー経験がなかったり、経験分野が少ないといった場合には、さらに転職の難易度は高くなると考えたほうが良いでしょう。
経験年数が浅すぎるのも問題ですが、年数ばかりが長く、経験やスキルが見合わないのも問題です。
MRでは転職年齢を見極めるのもポイントとなるでしょう。
市場のニーズに合わせたスキルを身につける
転職したい企業があるならば、その企業がどのような人材を求めているかを明確に理解する必要があります。
昨今のMR業界ではデジタルツールも導入され、営業方法が見直されはじめています。
つまり、一般的なコミュニケーション能力だけでは、職を得にくくなってきたのです。
たとえば、外資系の製薬会社に務めるのなら、押さえておきたいスキルの一つとして英語があげられます。
このように、市場や時代に合わせ、求められるニーズを満たすことが重要です。
MR以外でも多様なキャリアプランがある
ここまで読んでMRでの転職が難しいと感じたら、MR以外の道を考えてみるのも良いでしょう。
ここでは、MRの経験を活かせる他職種を紹介します。
MRからMSL(メディカル・サイエンス・リエゾン)への転職
MSL(メディカル・サイエンス・リエゾン)とは、業界内で高い発言権・権威を誇る医師や研究者たちに、最新の医薬品の情報提供を行う職業です。
MRと似たように感じますが、MRが営業目的であるのとは異なり、MSLの目的は、医師や研究者たちの論文寄稿や研究の支援とされています。
仕事内容は主に、自社の臨床研究支援や、論文寄稿、学会での発表などとなり、外資系の企業を中心に採用枠が増加傾向です。
MSLになるためには、権威性の高い医師や研究者たちと対等に議論を行わなければならないため、医学や薬学に関する豊富な知識が必要とされます。
また、海外文献なども日常多く扱うため、英語力は必須といえるでしょう。
MRから薬剤師への転職
薬剤師の免許を取得しているMRなら、薬剤師への転職も可能です。
特に、薬剤師は免許があれば未経験でも比較的転職しやすくなっています。
製薬会社でMRとして働いていると、薬を購入する患者さんと直接会話することはありません。
しかし、薬剤師であれば患者さんと直接コミュニケーションが取れます。
患者さんが元気になった様子を見られたり、感謝の言葉が聞けるのは、大きな励みになるでしょう。
また、転勤や出張なども勤務先によってはなくなるため、ワークライフバランスも取りやすくなります。
MRの転職は自分にあったキャリアプランを立てよう
本記事では、MRの転職事情に関して解説してきました。
一時期は飽和状態とされていたMRですが、需要はなくならず新たな分野での活躍が期待されています。
また、MRは薬剤の専門知識をもつ職業であり、MRだけでなくとも経験を活かせる職業はあります。
市場のニーズや流れを把握して、自分のキャリアプランに沿った仕事を選ぶようにしましょう。