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看護師のスキルアップとしてケアマネジャーはあり?両方の資格を持つメリット

この記事の監修者
蔵重雄基
【資格】
理学療法士/介護支援専門員

【プロフィール】
広島大学医学部保健学科理学療法学専攻を卒業後、介護施設や整形外科クリニックに勤務。 介護予防の講師や県の地域リハビリ推進のための委員も行っている。
理学療法士と並行してライターとしても活動。 医療や介護分野での経験を活かし、さまざまなメディアに執筆中。

ケアマネジャー(介護支援専門員)とは、在宅や施設で療養している患者さんのケアプランを作成する仕事です。

実は、ケアマネジャー試験の合格者のなかには看護師資格の保有者もいます。

そこで、本記事では看護師がケアマネジャーの資格を取ることのメリットを説明していきます。
「看護師として新しい知識やスキルを身につけたい」と考えている人はぜひ参考にしてみてください。

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ケアマネジャー資格保有の看護師の需要は?

ケアマネジャー資格保有の看護師の需要は?

ケアマネジャーの資格を持った看護師の需要はかなり高いです。
その背景には、少子高齢化にともない、在宅看護の重要性が増していることがあります。
そして、在宅看護にかかわる看護師にとって、ケアプランの作成や多職種間の連絡調整を担うケアマネジャーとの連携は欠かせないものとなります。
そこで、看護師がケアマネジャーの知識を持っていれば、この連携をよりスムーズに行うことができ、より良い看護の提供につながるのです。

スキルアップにケアマネジャーの資格取得がおすすめの看護師

ケアマネジャーは、看護師がスキルアップを図るうえで有用な資格です。

なかでも、急性期だけでなく中~長期的に患者さんと関わり、一人ひとりの生活を基盤にした看護を提供したいと考えている看護師の方は、ケアマネジャーの取得が特におすすめです。
ケアマネジャーのスキルは、患者さんからの相談に乗ったり、高齢の患者さんをサポートしたりする際など、看護現場のさまざまな場面で役立ちます。

また、ケアマネジャーの資格を持つことで、訪問看護ステーションや地域包括支援センターなど、職場の選択肢も広がります。
もちろん、看護師からケアマネジャーへの転身が選択肢に入る場合もあるでしょう。

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看護師がケアマネジャーの資格を持つメリット

看護師がケアマネジャーの資格を持つメリット

ここでは、看護師がケアマネジャーの資格を持つメリットとして、次の4つを紹介していきます。

  • ケアマネジャーとしても働けるようになる
  • 福祉施設や地域包括支援センターなどへの転職に有利
  • 訪問看護師への転職に有利
  • 病院での退院支援を円滑に行える

それぞれ見ていきましょう。

ケアマネジャーとしても働けるようになる

ケアマネジャーの資格を取得したら、ケアマネジャーとして働けるようになります。
ケアマネジャーは主に居宅ケアマネと施設ケアマネに分けられます。

居宅ケアマネ 【仕事内容】
主に居宅介護支援事業所に勤務し、在宅で療養をうける利用者さんのケアプランを作成する。ヒアリングする際は直接家を訪問し、利用者さんの調査を行う。
【勤務先】
居宅介護支援事業所
施設ケアマネ 【仕事内容】
介護施設に入居している利用者さんのケアプランを作成する。サービスが実施されたら定期的にアセスメントを行い、ケアプランを評価していく。
【勤務先】
・特別養護老人ホーム
・介護老人保健施設
・グループホーム など

居宅ケアマネ、施設ケアマネのいずれも、利用者さんの心身の状態や体調の変化について理解してケアプランを作成・変更しなければなりません。
看護師の経験がある人は、医療現場での経験から利用者さんの状況や体調を理解しやすいため、ケアマネジャーの仕事でも有利になります。
注意する点として、ケアマネジャーとして働く場合、看護師時代よりも給与が低くなる場合があることです。
厚生労働省によると、看護師の平均月給が24.9万円なのに対し、ケアマネジャーは23.7万円となっています。

看護師からケアマネジャーに転職したい方は、これらのことを念頭に置いたうえで検討してください。

福祉施設や地域包括支援センターなどへの転職に有利

ケアマネジャーの資格を有している看護師は、福祉施設や地域包括支援センターへの転職が有利になる傾向にあります。

福祉施設や地域包括支援センターでは看護師以外にもケアマネジャーや社会福祉士など、多職種が連携して介護サービスを提供しています。

看護師だけではなくケアマネジャーの資格を取得していれば、ケアマネジャーへの造詣が深いと判断され即戦力として活躍できるでしょう。

訪問看護師への転職に有利

訪問看護ステーションで働きたい場合も、ケアマネジャーの資格は有利に働きます。

訪問看護はケアマネジャーがケアプランに組み込んで初めてサービスが提供されます。
そのため、訪問看護においてケアマネジャーの存在は欠かせません。

ケアマネジャーの資格を持つ看護師であれば、両者の視点を活かして看護を提供することができます。

また、訪問看護師は日頃からケアマネジャーと連携を密に行います。
訪問看護師側がケアマネジャーの仕事をより深く理解することで、連携も取りやすくなるでしょう。

病院での退院支援を円滑に行える

在宅看護の現場でなくても、ケアマネジャーの資格は活かせます。

病棟では、日々たくさんの患者さんを在宅へ帰すために退院支援を行っています。
退院支援カンファレンスでは多職種が連携して、患者さんの退院に向けた課題点を話し合います。
その際にケアマネジャーの資格を持つ人がいれば、患者さんの課題を在宅の視点からとらえられるため、会議を円滑に進めることができるでしょう。

ケアマネジャーと直接連携をとる場合もあるため、患者さんの在宅生活に有用な情報を伝えたり、ケアプランに対して専門的な助言を伝えたりすることがスムーズにできます。 

また、患者さんやご家族から、退院後の生活について相談されたときでも、専門的なアドバイスをしやすくなるでしょう。

看護師がケアマネジャーの資格を取得するには?

看護師がケアマネジャーになるには、まず、介護支援専門員実務研修受講試験を受験し、合格しなければなりません。

なお、介護支援専門員実務研修受講試験を受験するには、後述の受験資格を満たす必要があります。

受験資格を満たし、介護支援専門員実務研修受講試験に合格したら、その後、介護支援専門員の実務研修を受講しましょう。

実務研修を修了したら、勤務する都道府県より介護支援専門員証の交付を受けることで、ケアマネジャーの資格を取得できます。

看護師は受験資格を得やすい

介護支援専門員実務研修受講試験を受けるには、看護師を含む特定の国家資格職において、5年以上かつ900日以上の経験を積む必要があります。

つまり、看護師として5年以上働いている場合は、今すぐにでもケアマネジャーの受験資格が得られるということです。

看護師に試験内容の解答免除はなし

看護師に必要な知識と、ケアマネジャーに必要な知識は、共通点が少なくありません。
そのため「すでに看護師として国家試験を受験し、資格を有しているのだから、ケアマネジャーの試験にすべて解答する必要があるのか?」と疑問に思う方もいると思います。

以前は正式に看護師の解答免除が認められていましたが、平成27年度の改定により、解答免除がなくなりました。

改定の背景には、ケアマネジャーの需要が高まったことにより、より専門性を高める必要があると判断されたことがあります。

しかし、ケアマネジャーの試験内容には保健や医療の分野といった看護師としての知識を生かせる部分が60問中20問出題されるため、試験に有利であることは変わりありません。

ケアマネジャーは看護師のスキルアップにもおすすめ

本記事では看護師がケアマネジャーの資格取得をするメリットや、両方の資格を持った人材の需要の高さについて解説しました。

看護師とケアマネジャー、どちらで働くにしても、ふたつの資格を持つことは医療現場における、自分の希少性を高めることにつながります。

これから訪問看護や在宅医療など、地域に根差した看護を提供したいと考えている看護師の方は、ぜひケアマネジャーの資格取得を前向きに検討してみましょう。

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