理学療法士の給料や年収には相場があります。
理学療法士の給料や年収の相場を知っておかないと、就職してから後悔するかもしれません。
給料や年収を踏まえて、今後のキャリアを考えたいのではないでしょうか。
この記事では、理学療法士の給料や年収を紹介します。
あわせて、理学療法士の給料や年収が上がるかどうかや、アップさせる方法も紹介します。
目次
理学療法士の給料・年収
厚生労働省が発表している「令和4年賃金構造基本統計調査」結果によると、理学療法士の平均年収は約431万円です。
（作業療法士、言語聴覚士、視能訓練士を合わせたデータです。）
ここでは、他の医療職との比較や初任給、経験年数別など、さまざまな角度から理学療法士の給料・年収について見ていきます。
他の医療職との年収・月収比較
| 平均月給 | 平均年収 | 平均年齢 | |
| 理学療法士 | 30万円 | 431万円 | 34.7歳 |
| 医師 | 110万円 | 1,429万円 | 44.1歳 |
| 薬剤師 | 41万円 | 383万円 | 41.1歳 |
| 診療放射線技師 | 37万円 | 544万円 | 41.5歳 |
| 看護師 | 35万円 | 508万円 | 40.7歳 |
| 臨床検査技師 | 35万円 | 509万円 | 39.8歳 |
| 栄養士 | 26万円 | 379万円 | 38.4歳 |
上表は、厚生労働省が発表している「令和4年賃金構造基本統計調査」の理学療法士を含めた各医療職の平均年収や月収をまとめたものです。
理学療法士は、医師や薬剤師、看護師といった他の医療職と比べると、平均月給や平均年収が高いとはいえません。
これは、理学療法士は夜勤があまり発生しない職種であることが関係していると考えられます。
夜勤などがある医療職では、夜勤手当などの手当がつくため、年収が高くなる傾向があるからです。
理学療法士の初任給
| 男性 | 女性 | 男女計 | |
| 理学療法士 | 240,300円 | 238,100円 | 239,100円 |
| 産業計（大卒者） | 229,700円 | 227,200円 | 228,500円 |
上表は、厚生労働省が発表している「令和4年賃金構造基本統計調査」から、理学療法士の男女別の初任給をまとめたものです。
理学療法士の初任給は、女性よりも男性のほうが多くなっています。
男性・女性ともに理学療法士の初任給は、大卒者の初任給平均と比較すると、やや高い傾向です。
【経験年数別】理学療法士の年収
| 年収（男性） | 年収（女性） | 年収（男女計） | |
| 0年 | 2,962,900円 | 2,895,700円 | 2,926,700円 |
| 1～4年 | 3,758,400円 | 3,693,500円 | 3,722,400円 |
| 5～9年 | 4,123,400円 | 3,875,800円 | 4,023,000円 |
| 10～14年 | 4,723,400円 | 4,063,700円 | 4,436,500円 |
| 15年以上 | 5,271,700円 | 4,833,300円 | 5,056,900円 |
上表は、厚生労働省が発表している「令和4年賃金構造基本統計調査」から、経験年数別に理学療法士の男女別の年収をまとめたものです。
男性、女性、男女計ともに経験年数が増えると年収が多くなります。
全体的に女性よりも男性のほうが年収が多くなっています。
初年度の年収は、男女ともに300万円以下となっていますが、経験年数を重ねるごとに増加している状況です。
経験年数が15年以上になると、男女計と男性の年収が500万円、女性は480万円を超えます。
【年齢別】理学療法士の年収
| 年齢 | 年収 |
| ～19歳 | – |
| 20～24歳 | 336万円 |
| 25～29歳 | 392万円 |
| 30～34歳 | 421万円 |
| 35～39歳 | 456万円 |
| 40～44歳 | 498万円 |
| 45～49歳 | 518万円 |
| 50～54歳 | 515万円 |
| 55～59歳 | 570万円 |
| 60～64歳 | 463万円 |
| 65～69歳 | 467万円 |
上のグラフは、厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査をもとに、年代別の理学療法士の平均年収を示したものです。
これを見ると、年齢ごとに年収は上がっていき、50代でピークに達しています。
20代の平均年収は約369万円です。
施設規模によって違いはありますが、役職がつけば、手当などでさらに年収をアップさせられるでしょう。
【施設規模別】理学療法士の年収
| 月給 | 年収 | 平均年齢 | |
| 1,000人以上 | 31.9万円 | 473万円 | 34.5歳 |
| 100～999人 | 29.0万円 | 417万円 | 34.2歳 |
| 10～99人 | 31.7万円 | 431万円 | 37.3歳 |
ここまでは一般的な理学療法士の平均年収について解説してきましたが、ここからは、施設規模による年収の違いを解説していきます。
理学療法士の就職先は、総合病院や整形外科クリニック、訪問リハビリなど多種多様です。
令和4年賃金構造基本統計調査による施設規模別の理学療法士の平均年収を確認すると、施設規模が大きくなればなるほど、年収が高くなる傾向があります。
例えば総合病院では、母体が公立病院か医療法人かでも年収は変わります。
また、訪問リハビリではインセンティブ制度を設けている事業所もあり、それにより給与が高くなるところも多いです。
理学療法士の給料・年収は上がる？
前述のとおり、理学療法士の給料や年収は、他の医療職と比較するとそこまで高くありません。
また、将来的な昇給の幅もあまり大きくはなく、給料が安い職種といわれてしまうこともあります。
理由としては、以下のような背景です。
- リハビリの診療報酬制度の制限を受ける：理学療法士は、リハビリを行った単位数に応じた報酬を受け取れます。
しかし、報酬に制限があるため、年収にも上限があります。 - 理学療法士の人数が増加傾向にある：理学療法士は、毎年9,000人以上が国家試験に合格しており、年々増えています。
そのため、有効求人倍率が高くなっています。 - 理学療法士として独立・開業ができない：理学療法士は、法律上、医師の指示により理学療法を行うと定められています。
そのため、理学療法士として独立開業することは難しく、介護施設や病院での勤務を続けることとなります。
理学療法士として給料や年収をアップさせたいのであれば、次で紹介するようなことに留意することが必要です。
理学療法士の給料・年収をアップさせる方法
理学療法士が収入を上げる方法はいくつかあります。
勤務先で昇給をして役職につく
理学療法士は年齢ごとに年収が上がっていくことを前述しましたが、役職について役職手当をもらうことで、さらに年収アップが期待できます。
そのためには、病院内や課内で業績を残す必要があります。
自己研鑽を怠らないことが大切です。
専門性を磨いて、給与が高い施設または企業に転職をする
今の職場の昇給制度に不満がある、役職ポストが空いていないなどで今後の昇給が見込めない場合、転職も選択肢の一つです。
今まで培ってきた経験を認めてもらえれば今よりも年収アップが見込める可能性もあります。
また先ほど紹介した訪問リハビリテーションはインセンティブ制度を取り入れている事業所もあるため手当がついて年収アップが期待できます。
自費診療や整体院の名で起業をする
理学療法士に開業権は認められていないため、起業するのであれば、自費診療や整体院の形をとる必要があります。
その場合、診療報酬を気にしなくても良いため、自由に施術費を設定することで高収入が見込めるでしょう。
もちろん、廃業のリスクもあるため、綿密な業務・資金計画が必要です。
大学教授になる
理学療法士としての知識と経験を活かし、大学教授をめざす道もあります。
特に私立大学であれば、高収入が期待できます。
しかし、大学教授になるには学位の取得や論文の執筆など、超えなければならないハードルも高いです。
理学療法士の給料や年収をアップさせる方法があります。
具体的な方法が気になる人は、下記の記事をご参照ください。
理学療法士の給料・年収を踏まえてキャリアを考えよう
理学療法士の平均年収は、431万円です。
理学療法士の給料は、医師や薬剤師、看護師といった他の医療職と比べると、高いとはいえません。
とはいえ、経験年数や年齢によって年収が上がります。
さらに、理学療法士の給料や年収をアップさせる方法もあります。
この記事を参考にして、理学療法士の給料や年収を踏まえてキャリアを考えましょう。
情報かる・けるは、医療・介護従事者として働いている方や、これから目指す方の「知りたい」に応えるメディア。
全国61,000件以上の求人を扱う弊社スタッフが、編集部として情報発信！
“いい仕事が見つかる・いい仕事を見つける”ための、有益なコンテンツをお届けします。
