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理学療法士の仕事の将来性は?問題点や今後の需要について

理学療法士は、医学的な見地から身体のケアを行う専門家です。

理学療法士の国家資格を持つ人は年々増加傾向にありますが、仕事としての将来性や今後の需要に不安を感じる声も聞かれます。
今回は、理学療法士の将来性が不安視される理由や現在の状況、理学療法士として長く勤めるためにやったほうが良いことについて、くわしく解説しましょう。

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理学療法士の将来性がないと言われる理由

医療職という安定感から人気がある理学療法士ですが、近年その将来性を疑問視する声も耳にするようになりました。
国家資格である理学療法士がなぜ将来性がないと言われるのか、その理由を解説します。

理学療法士の人数が増加傾向

理学療法士に将来性がないと言われる理由の一つに、理学療法士の人数が増加傾向にあることが挙げられます。

公益財団法人日本理学療法士会協会の資料によると、2012年に累計100,560人だった理学療法士は、10年後の2022年度には202,423人になっています。
2040年には、供給数が需要数の約1.5倍になると推測されており、厳しい就職状況が予想されます。

理学療法士の養成学校施設や、定員数が増加していることも考えると、理学療法士の将来性を不安視する声は今後も聞かれることでしょう。

人工知能AIの発展

人工知能(AI)の発展が、理学療法士の今後の需要に影響しているという意見もあります。
近年急速に発展したAIは、すでにさまざまな業界に導入されており、理学療法士が行うリハビリテーションでも、少しずつ取り入れられている状況です。

しかし、AIが導入されたからといって、必ずしも理学療法士がいらなくなるわけではありません。
機能訓練のサポートや画像解析といった点では、AIが理学療法士の助けになります。
ですが、患者さんとのコミュニケーションや細やかなフォローは、理学療法士だからこそ担える仕事です。

このような点を踏まえると、どれだけ上手にAIを取り入れられるかが、理学療法士の今後の需要に関わってくることでしょう。

理学療法士の現状

理学療法士の現状

将来性が疑問視されている理学療法士ですが、現状はどのようになっているのでしょうか。
先述したとおり、医療全体では2040年頃に、理学療法士の供給数が需要数の約1.5倍になると予想されています。
しかし、介護分野においてはニーズが高くなる可能性があるため、今後も理学療法士は必要だと判断されているのが現状です。

将来的な不安の声はあるものの、現時点において理学療法士は安定していると考えて良いでしょう。

理学療法士の給料についてもっとくわしく知りたい人は、以下のページもご参照ください。

理学療法士の働き方の未来像

人数の増加やAIの導入などで、理学療法士としての未来に不安を感じる人もいるかもしれませんが、悲観する必要はありません。
将来的に、新たな働き方の可能性があるのです。

医学的なアプローチで身体の基本動作ケアを行う理学療法士は、運動機能回復のプロともいえます。
介護分野においては、将来的に老人ホームや介護施設での需要が高まることでしょう。
フィットネスジムやプロスポーツ業界でも、理学療法士の持つ専門知識が役立てられています。

これまで医療業界がメインだった理学療法士ですが、体の動きを熟知した専門家として、さまざまな分野での活躍が期待されています。

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理学療法士の未来を明るくする道

理学療法士としての未来を照らすため、やっておくべきことを解説しましょう。

専門知識を高め得意分野を持つ

将来的に長く活躍できる理学療法士をめざすためには、専門知識を深めて得意分野を持つことが大切です。
理学療法士は運動機能回復のプロですが、そのなかでも得意とする分野があれば、専門性の高い職業を得られるでしょう。

もし介護の現場でお年寄りのケアを得意とするのなら、ケアマネージャーへの道が開けます。
スポーツ医学に特化してスポーツリハビリを得意とするなら、スポーツトレーナーになれるかもしれません。

つまり、高度な専門知識を持つことが就職を有利にし、明るい未来へと導きます。
理学療法士の資格を取得したあとも、積極的に研究や勉強会へ参加することが大切です。
将来的にどのような理学療法士になりたいかをイメージし、貪欲に専門知識を学んでいきましょう。

社会のニーズを理解する

どのような理学療法士が求められているのかを常に意識し、社会のニーズを理解しておくことも重要です。
ここでいうニーズとは、理学療法士としての専門的な知識や技術だけではなく、就職先で求められる役割を意味します。

例えば、介護施設で働いており介護士の手が足りないようなら、介護業務も学んで手伝うケースもあるでしょう。
チーム医療に取り組む病院で働くのなら、チームの一員として医療スタッフと連携し、リハビリを進めなければなりません。

せっかく理学療法士として就職できても、職場のニーズに応えられなければ長く勤められません。
求められる能力や知識は、就職先によって異なります。
社会のニーズを理解し、求められる働きができるよう準備しましょう。

職域の維持

理学療法士が現在活躍している職域を維持することも、将来性を高めるうえで欠かせません。
現在理学療法士のニーズがある職場が維持されれば、数年後に働く場所を失う可能性を低くできるでしょう。

職域を維持するために注意すべき点は、職場や患者さんからの要望に耳を傾けることです。
今理学療法士に求められている能力が、数年後にもニーズがあるかどうかわかりません。
つまり、変化する職場のニーズに対応しつつ、活躍する場所を維持していくことが大切です。

役職・管理職をめざす

将来性を高めるため、役職・管理職をめざしてキャリアアップする方法もあります。
理学療法士は専門性の高いスペシャリストですが、役職・管理職は部下のマネジメントがメインとなるジェネラリストです。

役職や管理職になった場合、病院や施設で働く部下をまとめあげ、医療関係者や職員との連携を取らなければなりません。
コミュニケーション能力やマネジメントスキルが必要ですが、違った視点から理学療法士の仕事に関わることに、やりがいを感じることでしょう。

将来性のある理学療法士になるために、他と差別化した知識を得よう

理学療法士として長く活躍するためには、専門性を高めて社会のニーズに合った能力を身につけることが大切です。
得意な分野や深い専門知識があれば、さまざまな業界に需要があります。

また、理学療法士だからこその技術と知識があれば、個別の能力として差別化され、新しい領域にも可能性を広げられることでしょう。
理学療法士の将来性に不安を感じる人は、技術や知識を深めつつ、理学療法士の今後の需要や可能性を模索してみてください。

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