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理学療法士の就職先は病院以外にも多数!どこで働くかを選ぶポイント

この記事の監修者
Tomo
【資格】
理学療法士

【プロフィール】
臨床経験12年の理学療法士。地方の中核病院に勤めながら臨床研究や動画制作など幅広い活動を行なっている。サルコペニアやリハビリテーション栄養について学会発表や講師歴あり。

学校の卒業を控え、「卒業したあと、理学療法士として働ける職場はどこだろう」「自分に合う職場で働きたい」と就職先に悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
理学療法士の職場は、病院や診療所など医療機関のイメージが強いですが、現在は知識や経験を生かせる業界が広がっています。

今回は理学療法士の具体的な就職先や、就職先の選び方、決め方のポイントなどを紹介します。
自分が理学療法士として活躍できる職場を探す参考にしてみてください。

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理学療法士の就職先

理学療法士の就職先

理学療法士の就職先は、6割近くが病院、次いで診療所であり、医療機関で働く人がほとんどです。
ただし、医療機関以外にも、スポーツ分野、教育機関などさまざまな業界で活躍できる職業でもあります。

理学療法の知識や経験は、疾患のある人も健康な人も必要としており、幅広い需要があります。

病院

病院では、入院患者を対象にリハビリを行うのが主な仕事です。
怪我や脳卒中などによって身体機能が低下した方に向け、理学療法を実施します。

整形外科や心臓外科、脳神経外科に携わることが多いですが、病院には多くの診療科目があるため、さまざまな疾患を持った患者さんに対応するのが特徴です。

病院勤務の理学療法士は、通院している患者さんではなく、入院していて医療的管理が必要な患者さんを対象としているため、急変などのリスク管理が重要です。
異変の早期発見のため、バイタルサインのチェックを始め、合併症や既往歴の確認など、状態変化に気をつけてリハビリを進めます。

幅広い症例を経験でき、研修制度が充実しているため、経験の少ない理学療法士でも無理なく成長できる環境だといえます。

診療所

診療科は整形外科や脳神経外科、循環器内科、特に整形外科での需要が多くあります。
専門性が高いクリニックや診療所では、総合病院よりも理学療法士としての専門性を高められるでしょう。

対象は外来患者のため、日常生活は自立している人がほとんどです。
業務内容は術後のフォローアップや、慢性疾患の保存療法、疼痛の軽減を目的としたリハビリを行います。

リハビリテーションセンター

リハビリテーションセンターには通所と訪問があります。

通所はデイケア、デイサービスと呼ばれる施設のことです。

在宅生活や社会復帰、職場復帰を意識したリハビリが主で、生活上での問題点から必要なリハビリを考え、個別のプログラムを作成しサポートします。
また、復職に向けて具体的な職務内容を想定したリハビリを行います。 

訪問では、通院が困難で介護が必要な人や活動性が低い人が対象です。
基本的に理学療法士が一人で訪問するため、リスク管理や急なトラブルにも対処できる能力が求められます。

老人福祉施設

老人福祉施設では、疾患や怪我で入院していた高齢者へ、自宅復帰を目的としたリハビリを行います。
病院で急性期治療をしている患者さんは劇的な回復が目標となる一方、介護施設の場合は日常生活に必要な身体機能の回復が目標です。

入所者へリハビリをする以外にも、自宅で過ごすうえでの注意点や、必要な福祉用具やリフォームのアドバイスもします。

自宅への復帰を目標としているため、ケアマネジャーやソーシャルワーカーなど施設外の他職種と連携をとる機会も多くあります。

児童福祉施設・身体障害者福祉施設

児童福祉施設では、障害を持っている子どもたちへリハビリをします。
主には、児童発達支援センターや児童発達支援事業所、放課後等デイサービスなどです。
身体的な障害だけではなく、知的、発達障害を含むため対応は多岐にわたります。 

普段の遊びから一人ひとりの子どもの個性を見つけ、身体能力を評価したり、脳の発達をサポートしたりするリハビリを実施します。
近年、特に理学療法士の需要が高まっている分野です。 

身体障害者福祉施設では、ADL維持や介助量軽減、痛み・痺れの軽減など対象者に合わせたリハビリをします。
本人の能力を伸ばし、障害を持っていても主体性、自立性、選択性をもって生活できるよう支援するのが主な役割です。

地域支援包括センター

地域包括支援センターでは、保健師、ケアマネジャー社会福祉士などへリハビリに関する助言や、家庭訪問時の指導や相談を行うのが主な役割です。

予防介護をマネジメントするうえで、理学療法士の知識が必要とされています。
介護予防に興味がある人は、自分の地域で実際にどのように理学療法士が活躍しているか調べてみると良いでしょう。

一般企業

義肢装具の製造販売会社リハビリ機器や福祉用具を開発レンタルしている企業では、理学療法士の知識や経験が必要になります。 

義肢装具の作製では、初期背屈角度の設定など理学療法士からの知見が重要です。
その他にも在宅生活を支える理学療法の知識を駆使したサービスや商品の開発に貢献できます。


専門家としてアドバイスする立場になるため、学校を卒業したばかりの人やブランクがある人は難しい可能性があります。

企業で働いてみたい人は、一定の経験を積み、知識を付けてから挑戦しましょう。

行政関係施設

保健所や保健センターで働く理学療法士もいます。
役割は、健康促進のための教育や啓発に取り組むことです。

1対1の個別支援だけでなく、集団支援や地域住民のニーズに応じた事業企画も業務内容の一つです。
仕事内容は、リハビリ教室の開催や、生活習慣病予防のための指導、乳幼児健診での運動発達面の評価などを実施します。

リハビリを実際に行う以外に、地域や政策レベルで考えるような幅広い活動をしたい方におすすめの就職先です。 

スポーツ関係施設・フィットネス施設

フィットネスクラブやプロスポーツチーム、地域のクラブチームでも活躍の場があります。
スポーツトレーナーとして採用され、理学療法士の知識を活かして働いています。

仕事内容は怪我予防の体づくり、怪我の応急処置、怪我や手術後のリハビリなどです。
スポーツトレーナーの役割も担うため、身体機能面だけでなく睡眠や食事のアドバイスやメンタル面のサポートもします。

医学的な知識はもちろんですが、そのスポーツに関する知識も求められます。
狭き門ですが、Jリーグやプロ野球チームと契約し、第一線で活躍している理学療法士もいます。

教育・研究施設

教える立場になる人や、理学療法を研究する人もいます。

理学療法士をめざす人を教える専任教員や臨床実習指導者になるには、一定年数の経験と、講習の受講が必要です。
理学療法士養成施設(大学、短大、専門学校)の専任教員は、生徒や親からの相談対応や国家試験対策、学校見学対応など臨床とは違った仕事が多くあります。

臨床で経験を積んでから大学院に進学し、理学療法の研究に関わったり論文を作成したりする人もいます。

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理学療法士の就職先の選び方・決め方のポイント

理学療法士の就職先の選び方・決め方のポイント

理学療法士は、就職先の選択肢が多い分、就職活動をするときに何を基準に選べば良いか迷ってしまう方も多いかと思います。
就職先を決めるときは、下記のポイントで自分の譲れない部分を決めておくと、目的を持って就職先を選べます。

  • 就職先の仕事内容や治療方針を知る
  • リハビリ施設の設備を確認する
  • 長期的な目標を持つ
  • 教育体制が充実しているか確認する
  • 待遇面を確認する

それぞれ詳しく説明します。

就職先の仕事内容や治療方針を知る

理学療法士はさまざまな仕事内容があるため、自分がやりたい仕事をできるか確認しておく必要があります。
例えば一人ひとりにゆっくり関わりたい人であれば、一人の患者さんに対する時間が少ないクリニックよりも入院直後から退院、在宅まで関われる病院のほうが合っているといえます。 

働いてから「何か違った」となる前に、可能な限りホームページで調べたり、そこで働いている人の話を聞いたりして、治療方針の情報収集をしましょう。

リハビリ施設の設備を確認する

就職先のリハビリに用いる機器や用具が、水準以上のものが揃えられているか確認しましょう。
機器や用具が少ないことで、最適なリハビリができない可能性があります。

設備だけでなく、職場の雰囲気も確認するという意味で、就職先として考えている施設は、一度見学してみるのがおすすめです。
見学する際には質問を考えておき、自分に合う環境かしっかり確認しましょう。

長期的な目標を持つ

自宅からの立地や、待遇面の条件をみて就職先を選ぶこともあるでしょう。
それぞれ大切な要素ですが、それだけで就職先を選んでしまうと、将来を考えたときに知識や経験が伴わず、方向を定められなくなる場合があります。

実際に働いてみないとわからないこともありますが、後悔しないためには、現時点で考えられるキャリアプランを立てたうえで就職先を探すことが大切です。
将来的に理学療法士の知識を活かして、どのように人々や社会に貢献していきたいのかを考え、長期的な視点で就職先を選択しましょう。

教育体制が充実しているか確認する

学校を無事に卒業しても、いざ臨床に入るとあまり詳しく習っていない病気や障害に対するリハビリをすることがあります。
また、リハビリ以外の事務的な業務なども意外と多く、わからないこともたくさん出てきます。

新卒で社会経験がない人はなおさら、学校と社会のギャップを感じるでしょう。

教育体制が整っていることで、現場や仕事内容に少しずつ慣れるよう長期的なプログラムが組まれており、入職後も安心して仕事ができます。
ホームページやパンフレットに、教育体制について詳しく書かれていることがあるため、確認しましょう。

待遇面を確認する

給料や待遇は就職先を決めるうえで大切な要素です。
確認を怠ると、長時間の残業を強いられて体調を崩してしまったり、給料が低くてモチベーションが低下してしまったりなどの問題が発生します。
その問題が引き金となり、退職を余儀なくされるケースもあります。

就職先に考えている施設の、残業の有無や、年収、加入保険や退職金の有無など、待遇面を確認しておきましょう。

自身のできる仕事・やりたいことを考えて就職先を選ぼう

理学療法士はさまざまな業界で活躍の場があります。
すぐに目標の場所に就職できなくても、経験を積むことで自分の理想とする働き方ができるでしょう。

就職先を決めるときは、目先の利点のみで決めてしまうと、就職してから後悔してしまうことがあります。
目的を持って就職活動ができるように、自分の譲れない部分を決めて活動しましょう。

今回は理学療法士の就職先10ヵ所を紹介しました。
自分に合う就職先を決めて、目標とする理学療法士をめざしてください。

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執筆者について

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