
MR(Medical Representatives:医療情報担当者)は、医薬品の安全性や有効性などの情報を、医師や薬剤師に届けるのが主な仕事です。
仕事内容を聞くと「特別な資格が必要なのかもしれない」「なるためにはどうしたら良いんだろう」と思うかもしれません。
この記事ではMRになるためのステップをわかりやすく紹介しています。
MRの仕事に興味がある学生の方や、MRに転職したい方の参考になる内容になっているので、ぜひ参考にしてください。
目次
MRになるには?就業までのステップを紹介
MRになるには上図の経路をたどり、製薬会社やCSO(MR派遣業)に入社するのが一般的な流れです。
入社には学歴や資格は必要とされていませんが、大学卒業者がほとんどになります。
ここでは、製薬会社とCSOに入社するケースをそれぞれ解説いたします。
製薬会社に入社が一般的
大学新卒者がMRになるには、製薬会社に入社するのが一般的なルートです。
MRには認定制度があり、製薬会社へ入社後に、認定試験を受験するための「導入教育」を受けることになります。
導入教育から、MR認定証を取得するまでの流れは次のとおりです。
導入教育を終了後、6ヵ月のMR経験を修了するとMR認定証の取得ができます。
CSO(MR派遣業)に入社する方法もある
CSO(Contract Sales Organization:医薬品販売業務受託機関)は、製薬会社にMRを派遣する事業や、製薬業界からの医薬品の営業やマーケティング活動を請け負う会社です。
CSOに雇用されるMRをコントラクトMR(CMR)と呼んでいます。
コントラクトMRは、製薬会社側の次のニーズに対応するためにできた業種です。
- 急な欠員時のMR補充
- 注力製品への一時的な戦力強化
コントラクトMRの特徴は以下のとおりです。
- 勤務地区を選択できるなど、引越しが必要な転勤がない働き方も可能。
- 2年に1度の間隔で所属企業を移るのが一般的で、一企業の製品に長く関わらず、さまざまな医薬品の知識を得られる。
- 製薬会社の中途採用に比べ、未経験の採用率が高い傾向がある。
MR認定証取得は、製薬会社に入社するのと同じスケジュールで行われます。
MRになるために有利な大学の学部や経験はある?
MRになるのに特別な資格や免許は不要です。
どの学部や学科からでもめざせるので、文系学科の卒業生がMRとして勤務しているケースも少なくありません。
どのようなキャリアからでもめざせるMRですが、有利な大学の学部や経験はあります。
それは、薬学部出身者と営業販売の経験です。
MRの仕事は、自社製品の情報提供や営業活動をするため、薬学部を卒業した知識と、営業販売で培った経験を活かしやすいのです。
薬学部卒は有利
薬学部は薬品のスペシャリストである薬剤師になるための学部です。
薬品に関する幅広い知識を学べるため、医薬品を取り扱うMRをめざすうえで有利に働きます。
また実際に薬剤師の資格があれば、MR認定試験の「医薬品情報」と「疾病と治療」が免除になるため、よりMRをめざしやすくなるでしょう。
営業経験があると有利
営業経験があれば、未経験の方よりも有利になります。
なぜならMRの仕事では、医療関係者とコミュニケーションを取る際に、営業職として必要なビジネスマナーや情報伝達能力などが必要だからです。
特に転職でMRになる場合、中途採用者は即戦力を求められるため、営業の経験があることは大きなアピールポイントです。
未経験の方がMRになるには、CSOに入社し、コントラクトMRをめざすのが良いでしょう。
CSOはクライアントに派遣するため、コントラクトMRの教育や研修などに力を入れており、育成環境が整っているケースが多いためです。
必須の資格はない
MRになるために、必須である資格や免許はありません。
しかし医療機関によっては、MR認定証がないと入館できない施設もあるため、現場に出る前にMR認定証を取得する場合がほとんどです。
MR認定センターの発表によると、2021年3月31日時点で認定証を取得したMRの割合は97.9%でした。
就職してから導入教育を実施し認定証を取得するため、入社前に取得していなくても問題はありません。
しかし、認定証を取得するためには製薬会社などに就職している必要はなく、個人でも申し込みが可能です。
転職する前にあらかじめ認定証を取得しておけば、転職時に有利になるでしょう。
MRの資格について詳しく知りたい場合は、下記ページの記事で解説しています。
MRになるためのステップや有利な経験を理解して、めざしてみよう
MRになるには、製薬会社に入社するのが一般的で、CSO(MR派遣業)に入社する方法もあります。
特別な資格や免許がなくてもなれるため、卒業する学部が文系・理系どちらでもかまいません。
しかし、医薬品の安全性や有効性などの情報を医師や薬剤師に届ける仕事である性質上、薬学部卒業者が有利な面があります。
また、自社の医薬品を取り扱ってもらうためのPRも兼ねるため、営業経験も有利に働きます。
MRになるためのステップや有利な経験があることを理解して、MRをめざしてみましょう。