
看護助手は資格がなくても働ける仕事です。
看護師とは資格や仕事内容に違いがあり、看護助手から看護師へステップアップしたいと考える人もいるでしょう。
この記事では、看護助手から看護師になる方法を免許取得の手順に沿って紹介します。
また、看護助手、准看護師、看護師の役割と仕事内容の違い、看護助手からキャリアアップするメリットについて解説します。
目次
看護助手から看護師になる手順
看護助手から看護師をめざすには、看護系の学校に通い国家試験に合格することが必須条件となります。
病院によっては資格支援をしているところもあるため、くわしく見ていきましょう。
看護大学や看護専門学校に通う
看護助手から看護師にキャリアアップするには、まず看護大学や看護専門学校で3年以上学び、卒業する必要があります。
文部科学大臣が指定する看護大学、または看護短期大学(3年制)、看護専門学校(3年制)、厚生労働大臣指定の看護師養成課程校(5年制) で学ぶことが条件となります。
看護助手は無資格、未経験でも就くことができる 仕事のため、看護系の学校を卒業していない人もいるかもしれません。
その場合、まずは看護に関する学校に3年以上通うことが最初のステップとなります。
大学や専門学校など学校によって必要な年数が違うため、事前にプランを立てて進学先を決めましょう。
看護師の国家試験を受験し合格する
看護師になる次のステップは、看護師国家試験の受験資格を取得し、国家試験に合格することです。
看護師として働くには国家資格である看護師資格の取得が必須となり、看護系の学校で学ぶことにより受験資格を得ることができます。
国家試験は例年2月に年1回行われ、合格率は90%前後です。
令和3年に実施された第110回看護師国家試験では、全体の合格率が90.4%であるのに対して新卒者の合格率が95.4%となっており、既卒者に比べて新卒者は合格率が高くなっています。
看護系の学校で勉学に励めば看護師資格の合格は難しくないといえるでしょう。
一発合格することが看護師資格取得のポイントです。
看護助手から看護師をめざす資格支援をしている病院もある
看護師をめざすには学校に通う必要があるため、金銭的に負担がかかります。
しかし、病院によっては看護師の資格取得をサポートしているところもあります。
奨学金など月額で費用を支援してくれる病院もあり、お金をあまりかけられない方にはおすすめです。
また、医療現場の経験を積んでから資格取得に取り組めることもメリットとなります。
未経験から看護師をめざす場合、資格支援制度がある病院に看護助手として就職し、奨学金をもらって学校に通うことも手段の一つです。
なお、通学中の勤務や卒業後の就職など制度を受ける条件は病院によって違います。
看護助手と看護師、准看護師の役割と働き方の違い
看護師をめざすには看護学校への進学と国家資格取得が必要とわかりましたが、実際に職種によってどのような違いがあるのでしょうか。
看護助手、准看護師、看護師の役割と働き方の違いをそれぞれ見ていきましょう。
看護助手 | 准看護師 | 看護師 | |
資格 | 無 | 都道府県知事の免許 | 国家資格 |
仕事内容 | 利用者の介助、看護師の補助 | (医師や看護師の指示を受け)診療や手術の補助、療養上の世話 | 診療や手術の補助、療養上の世話 |
医療行為 | 否 | (医師や看護師の指示を受け)可 | 可 |
看護助手とは
看護助手は医療現場において看護師の補助業務を行う役割を担っています。
具体的には、食事などの介助業務、簡単な事務作業や備品のチェック、清掃などを行い、医療行為は許可されていません。
また、看護師や准看護師と違い、無資格で働くことができます。
准看護師とは
医師や看護師の指示のもとに診療や看護の補助をするのが基本的な業務内容で、仕事内容はカルテの記入や手術、診療補助などです。
看護助手とは違い、指示を受けた場合であれば医療行為も許可されています。
ただし、看護計画の立案や看護師に指示を出すことはできず、あくまで医師や看護師の指示を受けて業務に取り組むことが特徴です。
准看護師は都道府県の准看護師試験を受け、合格後に都道府県知事から免許を受け取ります。
試験を受けるには、准看護師養成所または高校の衛生看護科を修了する必要があります。
看護師とは
人々の健康を守るために、医師の治療を適切に補助することが、看護師に求められる役割です。
主に傷病者の世話をしたり、診療や手術の補助をしたりします。
仕事内容は准看護師と大きな違いはありませんが、看護計画立案も業務に含まれ、医療行為を含め、必要となる看護を的確に判断して業務にあたります。
勤務先は病院やクリニック以外にも、福祉施設や保健所、訪問介護ステーションなど多岐にわたり、土日祝と夜勤を含むシフト制が基本です。
准看護師は都道府県知事から免許を受けるのに対して、看護師資格は国家試験の合格が必要です。
看護助手から准看護師や看護師をめざすメリット
准看護師・看護師になるためには、看護系学校に通い、試験に合格する必要があるため、簡単なものではありません。
現在看護助手として働いている方が准看護師・看護師をめざす場合、医療現場での就業経験がない方に比べて以下のようなメリットがあります。
医療現場の経験を活かせる
看護助手から准看護師・看護師をめざす場合、医療現場での経験が全くない人に比べて看護師に対する具体的なイメージを持って臨めます。
そのため、学んだ知識をどのように現場で活かせるかを実践的に習得できる点がメリットです。
看護師になることで業務範囲も広がります。
看護助手の現場経験を活かしながら、より多くの業務に携わり現場に貢献できることも魅力です。
ギャップが少ない
看護師になってからのギャップが少ないことも利点といえます。
看護師は夜勤を含むシフト制で身体的にも大変な仕事です。
しかし、看護助手として事前に医療現場を経験していることで、イメージと違ったから退職したいと思うことは少なく、ギャップなく働くことができるでしょう。
なお、看護助手と看護師では給料にも違いがあります。
看護助手の給料に関する詳細は以下の記事をご参照ください。
>>看護助手でもらえる給料は平均でいくら?年収を増やすためには?
看護助手から准看護師・看護師へのキャリアアップも検討してみよう
無資格で働ける看護助手に対して、看護師は国家試験に合格し看護師資格を取得することが必須となります。
看護師国家試験を受けるためには、看護系の学校に通う必要があります。
受験資格を持っていない場合は、まずは指定の学校へ通いましょう。
看護助手から上位資格である准看護師や看護師をめざすことは、現場経験を活かせる点がメリットです。
また、看護助手から准看護師や看護師になる資格支援を行っている病院もあります。
金銭面で不安を感じている場合、奨学金のシステムを利用して学校に通うこともおすすめです。
看護助手として働いている方で、准看護師・看護師へのキャリアアップに興味のある方は、ぜひ検討してみましょう。