資格がなくても医療現場で活躍できる看護助手。
憧れはあるものの現場の雰囲気がわからず、「自分はやっていけるかな?」と不安に思ってはいませんか。
今回は実際に現場で働いている看護助手の体験談をもとに、仕事のメリット・デメリットや大変だったこと、やりがいなどをご紹介します。
看護助手の仕事が本当に自分に合っているのか、やっていけそうかなどを考えながらご一読ください。
目次
体験談その1 看護助手として働くメリット・デメリット
看護助手として働いている人は、どのようなメリットやデメリットを感じているのでしょうか。ここでは実際に現場で働いていた人、現在働いている人が感じる看護助手のいい面と悪い面をご紹介します。
看護助手のメリット
看護助手として働くなら、どのようなメリットがあるのかは気になるところでしょう。
仕事をしていくうえでいい部分がないと、なかなか続けられないものです。
「看護助手で働いている方のなかには、午前中に出勤し午後は看護学校へ通うという方もいたので、資格がない方や経験の浅い方でも働きやすい仕事だと感じています。」
「女性が多いため、産休や育休を取りやすい仕事だと感じます。」
「働きながら病気に関する知識や病院の仕組みなどに関する知識が身につけられます。」
これらの体験談からわかるように、看護助手は仕事がしやすく、スキルアップできるのが魅力です。
さらに詳しくみていきましょう。
福利厚生が充実している
病院によっても異なりますが、一般的に看護助手の福利厚生は充実しています。
休暇や手当、補助などの待遇の良さは、長く働くには欠かせないポイントです。
- 昇給・退職金
- 院内保育園
- 保育手当
- 介護・看護休暇
- 産休・育休
- 住宅手当
- 家族手当
- 交通費
- 社会保険
- 人間ドック・ガン検診無料
- 医療費補助
- 社員食堂・食事補助
- 企業年金
- 研修
- リフレッシュ休暇
- 資格取得奨励金
- 財形貯蓄
職場に女性が多いため産休育休が取りやすく、院内保育園の利用や保育料を補助など、子どもがいても安心して仕事ができる環境は大きな魅力といえます。
職場を選ぶときは給料だけでなく、どのような福利厚生があるのかも一緒にチェックしておきましょう。
医療に関する知識を得やすい
医療機関で働いていると、医学用語や薬品名などをよく耳にします。
例えばこの症状にはこの薬、こんなケガにはこの処置など、医師や看護師の診察や処置を見ることで自然に知識が身についていきます。
将来看護師や介護士を目指したい人にも、看護助手の経験は役立つでしょう。
看護助手のデメリット
看護助手の仕事はいい面だけではなく、次のようなデメリットもあります。
体験談には次のようなものがありました。
「定期的にうがい手洗いをしたりマスクを着用したりと対策をしているものの、常に多くの患者さんと接するので自分も体調を崩しやすく、体調管理が難しく感じます。」
「看護師によって仕事のやり方や考え方が違い、戸惑うことがありました。」
いい面だけでなく悪い面まで見ることで、本当にその仕事をしたいのかわかるようになります。
風邪などの感染リスク
看護助手の職場である医療機関には、風邪など感染症の患者さんも多く訪れます。
看護助手は患者さんとの距離が近く、どんなに気をつけても感染症にかかりやすいです。
米メディアが行った調査では、看護助手はコロナ感染リスクが高い職種の23位となっています。
感染症にかかってしまうと、勤務ができなくなり他のスタッフにも迷惑がかかるため、日頃から手洗いうがい、消毒などを徹底しなければなりません。
あくまで看護師の助手として立場で働く
看護助手の主な仕事は、看護師のサポートです。
看護師の指示で動くことが多いため、自分の思うように動けずストレスを感じることもあるようです。
掃除やシーツ交換などの雑務も多く、思っていた仕事と違うと感じるかもしれません。
体験談その2 看護助手としてつらいこと
どのような仕事にもつらいことはありますが、看護助手の仕事は体力的にも精神的にも疲れが溜まりやすいようです。
ここでは看護助手が苦労した体験談をみていきましょう。
患者さんの世話が大変
「仕事量がかなり多く、毎日目が回るように忙しいです。」
「看護助手はとても体力のいる仕事です。走り回ることも多く、1日10,000歩近く歩くこともあります。」
看護助手は、次のような患者さんのお世話(介助)もします。
- 食事介助
- 配膳・下膳
- 排泄介助
- おむつ交換
- ベッド移乗
- 入浴介助・清拭
- 着替えのサポート
- シーツの交換
- 車椅子の乗り降りや移動補助
- 歩行補助
入院患者さんのなかには、体の不自由な方や安静のため体を動かせない方もいます。
自由の利かない大人の体を支えながらの介助は、介助する側の負担も大きく、疲労を感じたり身体を痛めたりすることもあるようです。
排泄介助など、人が嫌がる汚い仕事も多い傾向にあります。
体調管理が難しい
「夜勤があるので、生活リズムが崩れがちです。」
「早番や遅番、夜勤など不規則な生活が続くので、体調をよく崩してしまいます。」
看護助手の仕事は2交代制や3交代制、またはシフト制で働くことが多く、夜勤もあります。
不規則な勤務で生活リズムが乱れ、体調を崩してしまう方も。
そのような生活に慣れればよいですが、どうしても自分の体に合わずに辞めてしまうケースもあるようです。
いくら自分がやりたいと思っても、体に合わないこともあります。
勤務形態は職場によっても異なるため、就職先を選ぶ際にはよく確認しましょう。
看護師との人間関係で悩む
「看護助手より看護師のほうが偉い、という雰囲気がある気がして、自分の立場が弱く感じてしまいます。」
「仕事が忙しかったり思い通りにいかなかったりして看護師がイライラしているとき、声を掛けづらいなと感じます。」
看護助手は看護師のサポートが主な仕事であり、一緒に働く時間の長い看護師との人間関係がうまくいかず悩む方もいます。
国家資格を持つ看護師が偉いという雰囲気があり、厳しい上下関係ができてしまっている場合もあるようです。
病院や配属される科による違いもあり、さまざまな体験談があります。
気になる方は次の記事も一緒にチェックしてみてください。
体験談その3 看護助手としてやりがいに感じること
この仕事をしていてよかったと感じられるかは、仕事を長く続けられるかを左右する重要なポイントです。
その点で看護助手の仕事には、「人とのつながり」というやりがいが詰まっています。
ここでは実際にどのようなことにやりがいや喜びを感じられるのかみていきましょう。
病院内でのチームワークを感じられて楽しい
「チームワークが良く、配慮も行き届いた職場環境なのでとても働きやすいです。」
「患者様のことを第一に考え、職場内でコミュニケーションを取りながら助け合って仕事ができています。」
看護助手の仕事には、一緒に働くスタッフや看護師の協力が欠かせません。
毎日の忙しい業務をともにこなしていくうちに、医療チームの一員としての連帯感が高まり、チームプレーができるようになります。
体験談のなかには、休み明けで仕事に行くと「あなたがいないと仕事が回らない」と看護師に言ってもらえ、自分が必要とされていると感じてうれしかったという話もありました。
自分の仕事が他の人に認められ、チームの一員としてやりがいを感じられるのは大きな魅力でしょう。
患者さんの笑顔を見られる
「患者さんと接するうちにだんだん打ち解けていき、笑顔で話してくれるようになりました。」
「退院時にありがとうと言ってもらえると、とても嬉しくなります。」
やはり患者さんの笑顔や感謝の言葉は大きなやりがいです。
看護助手を志したきっかけにも「人の役に立てる仕事がしたかったから」という志望動機が多くありました。
患者さんは病気やケガを抱え、多くの方が不安を抱えています。
看護助手は、身の回りのお世話をするだめでなく、患者さんの心の支えにもなれるのです。
患者さんが笑顔で退院していく姿を見ると、仕事をやり切った気持ちが生まれ、やりがいを感じられるという意見もありました。
患者さんの小さな変化を感じられる
「入院当初はほとんど体を動かせなかった患者さんが、回復して元気に動けるようになった姿を見ると、やりがいを感じます。」
「治療やリハビリを通して今までできなかったことができるようになったとき、一緒に喜びを分かち合えます。」
患者さんに近い看護助手は、患者さんの些細な出来事に気付くことが多いようです。
直接治療はできなくても、医師や看護師が見落とした部分に気付ければ、患者さんの治療に貢献できることもあります。
小さな変化でも患者さんにとっては大きな一歩です。
その喜びを共有できるのは、看護助手ならではといえるでしょう。
体験談を参考に看護助手を目指してみよう!
看護助手は想像するよりも大変な仕事です。
体力だけでなくメンタルも整える必要があり、体調管理も怠れません。
自分の思うようにいかなかったり、人間関係に悩んだりすることもあるでしょう。
しかし、医療チームの一員として同じ目的に向かって仕事ができる充実感を得られ、患者さんの笑顔や感謝の言葉で人の役に立っていると感じられる、やりがいのある仕事です。
いい面と悪い面をともに知ったうえで、看護助手になりたいと思った方は、ぜひチャレンジしてみてください。