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2年目看護師の課題は?職場から求められる役割や目標例も紹介

この記事の監修者
ゆみさと
【資格】
看護師

【プロフィール】
岩手県立大学看護学部を卒業後、血液内科・乳腺外科混合病棟にて勤務し、その後、透析クリニックに転職。
現在、看護師として働きながら、医療関係を中心にライターとしても活動中。

看護師2年目になると、職場に少しずつ慣れてくる反面、1年目とは異なる課題に直面するようになります。
これまでは先輩看護師から指導やフォローを受けられていた業務も、2年目からは自分で責任を持って取り組まなくてはなりません。

まだまだ成長過程にあるぶん、ミスを起こしたり不安を感じたりすることもあるでしょう。
そうした課題を乗り越えるには、看護師2年目としての目標設定と行動計画を立てることが大切です。

本記事では、看護師2年目の方が直面しやすい課題や悩みと、それらを乗り越えるためのポイントを解説します。

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2年目看護師の課題・悩み

2年目看護師の課題・悩み

基礎が身についてきた看護師の2年目は、任せてもらえる仕事が増える反面、経験が十分ではなく自分自身に課題を感じてしまうこともあるでしょう。
ここでは、看護師2年目で突き当たりやすい課題を4つ紹介します。

仕事上のミスを起こしてしまう

看護師2年目は、任される業務の範囲が広がり、仕事上のミスを起こしやすくなります。
1年目のときは先輩看護師から丁寧な指導を受けられていても、2年目では一人前とみなされ、自分自身で業務を進めなければなりません。

しかし、看護師としての経験はまだ十分ではなく、ときには誤った判断をしてしまうこともあるでしょう。
先輩からのフォローがないことで、インシデントにつながるケースもあります。
場合によってはミスが重なり、看護師に向いていないと感じてしまう方もいるかもしれません。

しかし、仕事上のミスは誰にでも起こりうるため、ミスにつながった要因を突き止めて、ミスを繰り返さないよう対策を取ることが大切です。
例えば、医師から追加で受け持ち患者さんの内服指示が出たのにも関わらず、時間通りに患者さんに内服させることを忘れてしまった場合、なぜ忘れてしまったのか深く掘り下げて考えましょう。
追加の指示を自身の行動計画に入れていなかった、医師の指示を確認する方法が不十分で投与時間を確認していなかった、慌てていて他看護師にダブルチェックを依頼することを忘れてしまったなど、ミスを起こしてしまう原因はさまざまです。

ミスから学び、次に活かすことが重要といえるでしょう。

相談できる相手がいない

看護師2年目は、先輩看護師からの積極的な指導が入らなくなる時期です。
一人前としてこれまで以上に仕事を任されるようになると同時に、わからないことも増えていくでしょう。
しかし、プリセプターによる教育指導は1年目で終わることが多く、2年目以降は業務中に先輩へ相談しにくいと感じる場合もあります。

一人で悩みを抱え続けた結果、「受け持ち患者さんを責任持って担当できるのか」「業務時間内で仕事を終わらせることができるのか」などと仕事への不安感が大きくなってしまう方もいるでしょう。
不安なままでは看護の質にも悪い影響を与えかねないため、無理はせず、先輩看護師に話を聞いてもらう機会を設けてもらってみてください。

責任の重い仕事を求められる

看護師2年目は、重症患者の受け持ちや受け持ち患者数の増加など、看護師としての責任も重くなります。
特に重症患者さんは、判断を誤ったり、小さなミスによって、命に危険が及ぶリスクが高くなります。
ミスが許されないプレッシャーや命を預かっている責任が重くのしかかることもあるでしょう。
1年目の看護師が職場に入ってくることで、先輩としてしっかりしなくてはと焦りを感じることもあります。

真面目な方ほどこうした不安を抱えやすい傾向にありますが、責任の重さは看護師としての成長の証です。
わからないことはそのままにせず、着実に知識や技術を身につけていく姿勢が求められます。

キャリアの方向性に迷う

看護師2年目になると、キャリアの方向性に悩む方が出てきます。
1年目の頃は職場で課題が出されるため、学ぶべき内容がわかっていました。
しかし、2年目になると自分で考えて行動しなければいけません。

学ぶべき内容がたくさんあるぶん、何から手をつけるべきかわからず、目標が持てないまま仕事へのモチベーションまで見失ってしまう可能性があるでしょう。
看護師としての働きがいを見出すには、自分がキャリアをどのように築いていきたいか考える必要があります。

加えて、2年目看護師は自分の業務で手一杯だった1年目と比較して、少しずつ業務にも余裕ができはじめるため、「看護師としてどのような分野を極めていきたいか」など今後の看護師としてのキャリアを少しずつ考えられるようになるでしょう。

先輩看護師や同期の看護師から話を聞くことで、自分のめざす方向性が見えてくるかもしれません。

2年目看護師の課題解決には積極的な相談が大切

仕事に対して課題を感じている2年目看護師は、経験が豊富ではないぶん積極的に相談して、疑問や不安を解決していくことが肝心になります。
一人で抱え込まずに、先輩看護師や同期の看護師から意見をもらうようにしましょう。

相手も多忙な場合があるため、最初に手短に用件を伝えて、時間を作ってもらえるか確認するようにします。
また、聞きたいことが相手にきちんと伝わるよう、情報を整理してから話を始めることもポイントです。

相談を通して、自分の思考の整理にもつながるでしょう。

2年目看護師が職場から求められる役割

看護師2年目は、看護の現場では一人前として扱われ、主体的に看護を実践できるスキルを求められるようになります。
また、1年目の看護師から相談を受けることもあるでしょう。

自立して看護を実践できる

看護師2年目になると、現場では一人前として扱われる場面も増え、基本的な業務を自立して実践できることが求められます。
看護師の自立とは、患者さんの情報をさまざまな側面から把握してアセスメントを行い、適切なケアを自ら行える状態のことです。
カンファレンスの場においても、一人前の看護師として受け持ち患者さんの情報を正確に共有したり、看護師としての考え・意見を求められるでしょう。

先輩看護師のケアを見学したり、勉強会に参加したりして知識をつけ、実践に活かしていきましょう。

また、2年目には重症患者も受け持つようになるため、必要に応じて他職種との主体的な連携が必要です。
自分のことでいっぱいいっぱいだった1年目とは異なり、患者さんや他の看護師、医師、多職種にも気を配る余裕が必要ともいえます。
自立して業務を行う2年目看護師の姿は、新人看護師のお手本となるでしょう。

新人看護師の相談相手になる

看護師2年目では、新人看護師の相談相手となり成長を支える役割も担います。
新人看護師にとって2年目の看護師は比較的立場が近く、悩みを相談しやすい存在に感じられるためです。
特に「先輩看護師が忙しそうで、いつ声をかければ良いのかわからない」などの新人看護師ならではの悩みは、昨年同じ経験をしている2年目看護師だからこそ、相談できる内容です。
自分自身の経験を振り返りながら、新人看護師の気持ちに寄り添って相談に乗ってあげることで、精神面でもサポートできるでしょう。

「わからないことは聞いて良い」「ちょっとした悩みでも相談できる」と新人看護師に感じてもらうことで、不安なまま業務にあたるような場面が減り、ミスを防ぎやすくなります。

2年目看護師の目標の立て方と目標例

2年目看護師の目標の立て方と目標例

看護師2年目の課題を打破するには、今後の目標設定が鍵を握っています。
ここからは、看護師が目標を立てる際のポイントと具体的な目標例を見ていきましょう。

看護師の目標を立てる際に考えるポイント

看護師の目標設定では、以下3つのポイントを念頭に置いておく必要があります。

  • 客観的に評価が可能か
  • 自分の看護レベルに合っているか
  • 行動計画・達成基準も含めて考えられているか

目標を立てて満足するのではなく、達成に向けた行動計画や何をもって目標達成とするのかを明確にすることが重要です。

客観的に評価が可能か

目標を立てる際は、客観的に評価ができるよう極力具体的な内容にしましょう。
「いつまでに・何を・どのような状態にするのか」のように、目標を明確化します。
達成までの期限や達成したい件数などの具体的な数値を設定すると、評価がしやすくなります。

「勉強をする」「〇〇をがんばる」などの表現は個人差の大きい指標となり、目標が達成されたのかの判断が難しいため、避けたほうが無難です。

自分の看護師レベルに合っているか

モチベーションを保つには、目標が自分自身の看護師レベルに合っている必要があります。
目標のハードルが低すぎても手応えがなく、逆に高すぎると挫折してしまいかねません。
自分のレベル感に合っているか確認するためには、病院で使用されているクリニカルラダーなどを参考にすると良いでしょう。

それと同時に、評価期間内に達成可能な目標かどうかもあらためて確認するようにします。
3ヵ月・半年・1年など、時間経過とともにステップアップできるよう短期の目標だけでなく中長期の目標も設定すると、モチベーションを長く保つことが可能です。

行動計画・達成基準も含めて考えられているか

目標を立てる場合、それを達成するための行動計画や目標達成の判断基準も同時に考えておきます。
目標達成のために、どのような行動が必要なのかを洗い出してみてください。

例えば、習得したい技術がある場合には見学や研修、勉強会への参加などが考えられます。
こうした行動を計画に盛り込むことで、目標達成に向けてやるべき内容が具体的になるでしょう。

あわせて目標の達成基準を設定すると、自分の成長を判断しやすくなります。

目標例

看護師2年目の目標例と、行動計画・達成基準の設定方法を3パターン紹介します。

■個別性を意識し、自立してケアを実践できるようになりたい
【目標】
6ヵ月後までに、受け持ち患者さんの個別性を理解し、自立してケアを実践できるようになる。

【行動計画】
● 患者さんとコミュニケーションを取り、個別性を理解する。
● 先輩看護師の助言を参考に、自分の判断でケアを実践する。
● 自分の実践したケアを振り返り、改善点を見出す。

【達成基準】
● 患者さんの個別性に合わせたケアを自立して実践できている。
● 必要に応じて他職種と連携し、適切なケアを提供できている。
● 自分の判断と実践を振り返り、改善策を立てられている。

■受け持ち患者さんに必要な看護計画を立案できるようになりたい
【目標】
3ヵ月後までに、受け持ち患者さんに必要な看護計画を立案し、実践できるようになる。

【行動計画】
● 患者さんの情報を収集し、正しくアセスメントを行う。
● アセスメントに基づいて、適切な看護計画を立案する。
● 立案した看護計画を実践し、評価・修正を行う。

【達成基準】
● 患者さんの情報を適切に収集し、アセスメントできている。
● アセスメントに基づいた看護計画を立案できている。
● 立案した看護計画を実践し、評価・修正ができている。

■病棟内の状況を判断し、チームをまとめられるようになりたい
【目標】
1年後までに、病棟内の状況を判断し適切に業務を振り分けられるようになる。

【行動計画】
● 朝の申し送り時に、チームメンバーの業務量やイベントについて把握し、自ら業務量の調整を行う。。
● 検査やリハビリなど他の部門が関わる業務のなかで、対応が難しい場合は事前に連絡し、自分で調整を行う。
● 1つの業務にかかる時間を適切に把握し、業務時間内で業務が終わるよう調整する。また、残業が発生しそうな場合は、あらかじめどれくらいかかるのか把握し、正確に申告する。

【達成基準】
● 病棟内の状況やチームメンバーの状況を適切に把握し、特定のチームメンバーが多重課題に陥った時、自ら声をかけて業務調整できる。。
● あらかじめ申告した残業時間と実際に実施した残業時間が同じである。
● 他部門と業務時間の調整を行なった際は、自らリーダーに報告できる。

自分自身の目標が明確になったら、行動計画を意識しつつ日々の業務に取り組んでいきましょう。

2年目看護師の課題を克服し成長しよう

看護師2年目は、1年目のように先輩から丁寧な教育指導を受けるわけにもいかず、仕事でミスをしてしまったり、責任を重く感じたりといった課題に直面しやすくなります。
相談相手が見つけられないことで不安が募り、自分のキャリアに迷う方もいるかもしれません。

しかし、こうした課題は看護師としての成長のチャンスでもあります。
わからないことをそのままにしておくと、インシデントにもつながりかねないため、疑問や不安は先輩・同期の看護師へ積極的に相談するようにしてみてください。

キャリアへの迷いを払拭するには、具体的な目標と達成に向けた行動計画を立て、モチベーションを保ちつつステップアップしていくことがポイントです。
日々の看護を通して学びを得るうちに、看護師として大きく成長できる1年になるでしょう。

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執筆者について

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