
看護師も新卒/既卒、正社員/パート・アルバイトを問わず、就職に面接はつきものです。
想定質問を把握していれば、本番でも落ち着いて対応でき、手ごたえある面接となるでしょう。
本記事では、看護師の面接で聞かれる質問と模範回答例をご紹介します。
ぜひ面接対策にお役立てください。
目次
看護師の面接でよくある質問と回答例12選
「看護師の面接ではどんなことを聞かれるんだろう」「質問に対してどのように答えるのがベストなのか知りたい」と思う方もいるのではないでしょうか。
看護師の面接でよくある質問と、質問に対するベストな回答例を12種類紹介します。
自分に関する質問
自己紹介や志望理由、自己PRや前職の退職理由など、面接では志望者自身のことを必ず質問されるでしょう。
適切な回答例を知り、事前に対策をしておくことで自信をもって答えられます。
自己紹介
面接の最初の段階で聞かれる傾向にあります。
自分が何者で、何ができるのかを、簡潔にわかりやすく伝えましょう。
【質問例】
- 「自己紹介をお願いします」
- 「これまでの経歴をお聞かせください」
- 「あなたの長所と短所を教えてください」
××大学卒業後、●●病院の消化器内科病棟で6年勤務し、がん看護と終末期看護を学びました。
4年目からはチームリーダーとして病棟全体をサポートするとともに、医師や他メディカルスタッフとの連携について経験させていただきました。
志望動機
志望動機では、なぜその病院で働きたいのかを、病院の理念や特徴に触れながら伝えましょう。
【質問例】
- 「当院を選んだ理由を教えてください」
- 「これまでの経験で、当院で活かしたいことはありますか」
- 「当院はどのように知りましたか」
内視鏡治療に力を入れている貴院で看護を学びたく応募しました。
内視鏡技師資格も取得したいと考えています。
看護師の志望動機について詳しく知りたい方は、次の記事を読んでみてください。
>>看護師の志望動機の例文まとめ!書き方のポイントも押さえておこう
自己PR
自己PRは自分を採用するメリットを伝えるものです。
これまでの経験から、病院にどう貢献できるかをアピールしましょう。
【質問例】
- 「これまでの看護師経験を、病院でどのように活かしていきたいと考えていますか」
- 「看護師としてスキルアップするために、どのようなことをしていますか」
- 「今の職場や環境で、自分はどのように評価されていると思いますか」
この経験を活かして、貴院でも根拠に基づいた看護を実践し、丁寧な関わりを心がけたいと思います。
転職・退職理由
事実だとしても、人間関係や待遇などの不満を伝えるのは控えましょう。
【質問例】
- 「前職を退職した理由についてお聞かせください」
- 「なぜ転職しようと思われたのですか」
- 「これまで何度か転職経験がありますが、どのような理由がありますか」
【回答例】前職では●●の分野を経験してきましたが、○○にも挑戦したいと考えるようになり、スキルアップのため退職し、貴院を志望しました。
離職期間について
離職理由が結婚や出産であれば、その旨を伝えれば良いでしょう。
しかし、人間関係や精神状態を崩してしまったといった理由の場合、正直に伝えることで印象が悪くなってしまう可能性もあり、注意が必要です。
【質問例】
- 「前職を退職してから現在まで何をされていましたか」
- 「離職期間が長引いている理由についてお聞かせください」
子どもを預ける保育園も決まったため、パートとして以前の経験を活かせる職場での復職を考えました。
しかし、自身のスキル不足から意見を言う自信もなく不安なまま仕事を続けてしまっていました。
そのため、今後はもっと自信を持って取り組めるよう、あらためて看護師としての働き方を書籍などで勉強していました。
長所・短所
長所を述べる際は、看護師の業務と関連付けることがポイントです。
逆に短所は、「時間にルーズ」など業務に支障が出るような内容は避け、「細かいことを気にする部分がありますが、見逃しやすいポイントにも気づくことができます」のように、短所の改善ポイントも一緒に述べると良いでしょう。
【質問例】
- 「あなたの長所と短所をお聞かせください」
- 「あなたの魅力と欠点をお聞かせください」
アラーム対応など、どんなことでも率先して動くことを意識しています。
前職では、業務の効率化を図り院内業務のスケジュール改善に取り組みました。
また、短所は細かい部分を気にしすぎることです。
気になる部分は本当に今重要なことであるのかをよく考え、必要があれば上司に相談するなど判断をしながら業務にあたっています。
業務や価値観に関する質問
看護師の就職や転職の面接では、今までの経験や成長したこと、将来の目標などを質問されることがあります。
また、志望先の病院の理念や基本方針をしっかりと理解しているのかを確認される場合もあるため、ホームページなどで事前に把握しておきましょう。
インシデントの経験
インシデントの経験から、不測の事態にしっかりと対応できるかどうかを見られます。
【質問例】
- 「インシデントの経験はありますか」
- 「インシデントのあとは、どのような対策をとっていますか」
離脱期の知識不足や観察不足が招いた結果だと反省し、勉強会への参加や関わり方について積極的にチームでカンファレンスをするなどの対策を施し、再発予防に努めました。
印象に残ったエピソード
具体的なエピソードから、自身の看護観につなげましょう。
【質問例】
- 「これまでの経験で、印象に残ったエピソードを教えてください」
- 「患者さんとの印象深いエピソードはありますか」
この経験から、他職種との連携や看護師の中心的役割の重要性を学びました。
チームで支える看護を貴院でも実践していきたいと思います。
看護観
看護観とは、看護を提供するうえで大切にしている事柄を指します。
病院の理念に触れながら、どのような看護が提供できるのかを伝えましょう。
【質問例】
- 「どのような看護観をお持ちですか」
- 「これまでの看護経験で、印象に残っているエピソードはありますか」
- 「大事にしている価値観はありますか」
(看護観にまつわるエピソードを述べたあと)貴院でも患者さんに寄り添った看護を提供していきます。
看護師としての目標やキャリアプランについて
ここでの質問は、看護師としての今後の希望や、目標達成のためにどのような計画を立てているのかを問われます。
【質問例】
- 「看護師としての目標はありますか」
- 「今後のキャリアプランについて、なにか考えはありますか」
- 「挑戦したい資格などはありますか」
そのためにさまざまな診療科を経験し、スキルや技術の向上に取り組んでいきたいです。
当院の理念について
病院の理念を理解しているか、共感を持てているかを聞かれます。
事前に理念や方針を確認し、強い意欲を持っていることをアピールしましょう。
【質問例】
- 「当院の理念についてどう思われますか」
- 「当院の理念に共感する部分はありますか」
- 「当院の強みはどのようなところだとお考えですか」
私自身も、急性期である患者さんに寄り添いニーズをくみ取るという看護を大切にしており、より一層学べる環境だと感じております。
夜勤など勤務条件について
育児や介護などの理由で対応が難しい場合は、理由を添えて話すようにしましょう。
「できる限り対応できる状況を整えます」など働く姿勢をみせることも大切です。
不安な場合は、ほかの看護師さんがどのように働いているのか質問をすると良いでしょう。
【質問例】
- 「勤務条件に関する希望はありますか?」
- 「夜勤や残業はできますか?」
夜勤は、家族とも相談をして、できる限り対応できる状況を整えたいと思います。
看護師の面接で重要視されるポイント
看護師の就職や転職の面接で重要視されるポイントについて、質問の回答面と面接の行動面に分けて解説します。
面接で好印象を与えるためにも、以下で紹介する内容を念頭に置いておきましょう。
回答する際のポイント
面接で質問に回答する際に、ついついやってしまいがちなNG行動がいくつかあります。
3つのNG行動と、それに対する改善対策を紹介します。
内容を暗記して話さない
面接に望む際、事前に質問内容を予想して回答を考えている方もいますが、内容を暗記して話してしまうと、コミュニケーション能力が低いと思われてしまう可能性があります。
また、面接内容を丸暗記した場合、下記のような弊害があります。
- 棒読みになる
- 早口になる
- 緊張して言葉が出なくなる
- 想定外の質問に答えられなくなる
- 面接官と目線が合わなくなる
面接官は暗記した文章をすぐに見抜いてしまうため、暗記していると思われないために下記のようなことを意識して話すようにしましょう。
- 面接官と対話をするように話す
- 面接官の目を見て話す
- 内容の要点を伝えつつアドリブも取り入れて話す
アドリブ風に話すコツとしては、「えっと……」と言って、考えている素振りを見せるなどがあげられます。
ポジティブな内容で締めくくる
看護師は患者さんやご家族と接する職業のため、相手にネガティブな印象を与えてしまうのは良くありません。
面接時から、前向きに仕事に取り組む姿勢や、短所もポジティブにとらえて改善をしている姿勢をみせることが重要です。
前職の退職理由を答える際にも、人間関係や精神的に耐えられなかったといった内容を理由とせず「看護師として将来のキャリアアップに向け幅広い経験をしたかった」など前向きな回答を心がけましょう。
待遇面について言及しすぎない
「給料が他の病院よりも高いから」「休みが多いから」といった待遇面を志望動機や退職理由で答えることは避けましょう。
たしかに就職先を決めるうえで待遇面は重要なポイントとなりますが、面接官には「うちよりも待遇の良い病院が見つかったら辞めてしまうかもしれない」という印象を与えます。
待遇面に関して質問がある場合は、内定後に病院側から条件を提示されたタイミングで行うとスマートです。
回答以外に見られているポイント
面接で質問対応以外に重要視されるのは、人柄・コミュニケーション能力・意欲の3つです。
もちろん身だしなみや振る舞いも評価されるので、服装や髪型にも気を配りましょう。
人柄
面接では、経験やスキルよりも人柄を重視する場合があります。
応募者の人柄は、患者さんやご家族への対応、ひいては病院の評価に直結するからです。
チームとして一緒に働けそうかも判断される要素。
受け答えや姿勢、目線、表情などで印象の良し悪しも左右されます。
面接では、姿勢よく明るい表情で臨みましょう。
コミュニケーション能力
看護師の仕事はコミュニケーションが必要です。
患者さんやご家族以外にも、さまざまなメディカルスタッフとコミュニケーションを図っていかなければなりません。
質問に対する返答が的確か、自分の考えを整理し他者に伝えることができるのかを面接で問われます。
聞かれている質問には明瞭に答え、誰にでも伝わるよう内容を事前に整理しておきましょう。
意欲
もちろん人柄が良く、コミュニケーション能力に長けていても、「ここで働きたい」という意欲がなければ採用されません。
病院側は、理念に共感し自身の看護観のもと意欲的にスキルアップしてくれる人材を求めています。
そのため病院理念や特徴を調べて、強い意欲を面接で伝えられるよう、事前の準備が重要で す。
しっかり事前準備を行い自信をつけよう
想定質問に対して返答を用意しておけば、落ち着いて面接に望めます。
面接官にも意欲をアピールでき、良い印象を持たれるでしょう。
事前に病院の理念や方針、特徴を調べ、自身の看護観と一貫性を持たせることができれば、親和性も高まります。
紹介した質問例は特に聞かれやすい内容になっているため、返答を事前に準備し、面接対策に自信をつけていきましょう。