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看護師の就職先で病院以外の職場はどこ?働く場所と転職方法について

この記事の監修者
川俣貴子
川俣貴子
【資格】
看護師

【プロフィール】
東北福祉大学卒業後、看護師として循環器を含む総合病院で働いています。医療系ライターと看護師を励行中です。

病院は看護師の代表的な職場ですが、生命に関わる仕事というプレッシャーや夜勤・サービス残業などの体力的な問題から、転職を考える方もいます。
看護師としての資格や知識を生かしながら働ける職場は、病院だけではありません。
なかには、プライベートを充実させながらやりがいのある仕事ができる職場もあります。

また、病院以外の職場を経験することで視野が広がる可能性もあります。
新しい環境でチャレンジしてみたい方はぜひ最後までお読みください。

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看護師は病院以外にも就職先がある

看護師の職場は病院のイメージがありますが、実は病院以外にも看護師が働ける職場は多くあります。
ただし、病院以外で働く場合、病院勤務と比べると給料が下がる可能性があることには注意しましょう。
その代わり、労働環境は良い場合があるので、収入よりも働き方を重視する方にはおすすめです。

病院は新卒、既卒ともに採用しますが、採用月が決まっていることが多く、比較的求人枠は少なめです。
美容クリニックや派遣、単発などの求人が多い傾向にありますが、希望条件が合うかを吟味する必要があります。

病院以外の就職先を見つけるのは決して簡単なことではありませんが、正看護師や准看護師として病院で臨床経験を積むことで、転職活動を有利に進められるようになります。

看護師が病院以外で働ける職場14カ所

看護師が病院以外で働ける職場14カ所

看護師としての資格や経験を生かしながら働ける、病院以外の職場を14カ所紹介します。
それぞれの職場の特徴やメリット・デメリット、どのような方に向いているかなどを解説しています。
自分にあった職場を探す際の参考にしてください。

介護施設

介護施設で働く看護師は、介護士と協力し、医療従事者として入居者の健康管理や医療ケアなどを行います。

特別老人ホームは健康管理や日常ケアが主ですが、老健施設は健康管理に加え、医療行為を必要とする患者さんへのケアも含まれます。
夜勤の必要も出てくるため、自分の働き方に合った職場を選びましょう。

夜勤がないデイサービスのみの施設もあり、働き方は選べます。
高齢化により今後看護師の需要が高まると考えられる職場でもあります。

障がい者福祉施設

障がい者福祉施設では、看護師は医師や理学療法士、作業療法士らとコミュニケーションを取りながら、入所者や通所者のケアにあたります。
健康管理や常用薬の準備、健康相談などが主な仕事で、病院よりも体力や精神面で負担が少ない一方、看護スキルの伸びは感じにくいかもしれません。

しかし、障がい者福祉施設で経験を積むと、施設のサービス管理責任者を任せられることもあります。
また、介護に興味を持ち、転職後にケアマネジャーの資格を取る方もいます。
介護分野でのキャリアアップをめざす看護師にはおすすめの職場です。

美容クリニック

看護師の病院勤務というと、総合病院や内科・外科・皮膚科・小児科などのクリニックを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、美容クリニックもあります。

美容クリニックでの仕事内容には、注射や施術などの医療行為だけでなく、電話受付や予約管理などの事務作業も含まれます。
美容外科クリニックは、美容整形手術の補助を行うこともありますが、基本的に入院施設がないため、夜勤はありません。

ワークライフバランスが取りやすく、自由診療の施術が中心の美容クリニックでは、看護師の給料は病院より高いこともあります。
しかし、他のクリニックと同様、土日祝も営業しているところもあり、家族などと休みをあわせにくい可能性があるのはデメリットです。

産業看護師

産業看護師は、一般企業の従業員としてオフィス内の医務室などで勤務し、他の従業員の健康管理をサポートする仕事です。
健康相談に乗ることや、急病やケガの応急処置などが主な仕事内容です。

産業看護師を置いているのは大手企業が中心のため、待遇や福利厚生面が良い傾向があります。
また、残業もほとんどないでしょう。

ただし、企業内に一人しか産業看護師を置いていないことが多いため、看護師としての経験が少ない方はプレッシャーを感じるかもしれません。

保育園や幼稚園

保育園や幼稚園で働く看護師もいます。
主な仕事は子どもの健康管理で、保護者に対しての保健指導や、職員向けの健康診断の準備などもあります。
手洗いなどの衛生指導や子どものケガの応急処置、アレルギーを持つ子のサポートなども仕事内容に含まれます。

その他にも、インスリン注射を打つ必要がある児童や、人工肛門を管理する必要がある児童がいる施設であれば、その管理や介助も業務の一つです。

原則として夜勤はないため、プライベートと両立させやすいでしょう。
子どもが好きな方であれば、さらにやりがいを感じられる職場です。

刑務所看護師

刑務所でも看護師が働いています。
仕事内容は一般刑務所と医療刑務所で異なり、一般刑務所では健康診断の補助や病気・ケガの応急処置が中心です。
一方、医療刑務所の場合は点滴や透析などもあります。
刑務所看護師は国家公務員のため、福利厚生は良く、一般刑務所であれば夜勤や土日や祝日の勤務はありません。

受刑者との会話は禁止されているため、コミュニケーションが苦手な方でも安心です。
デメリットは医療刑務所には夜勤がある点と、公共交通機関からのアクセスが良くない刑務所で働く場合は、車がないと通勤しづらい点です。

看護系技官

厚生労働省で国家公務員として働く看護師を看護系技官と呼びます。
看護サービスや公衆衛生の課題に取り組む仕事で、医療行為は行いません。
国家公務員として待遇や福利厚生が保障されていることや、夜勤がなく平日のみの勤務である点はメリットです。

また、国の医療サービス向上に貢献できるため、やりがいもあります。
数年おきに全国転勤を繰り返しながらキャリアを積んでいく仕事のため、新しいことに挑戦し続けるのが好きな方に向いています。

訪問看護ステーション

訪問看護ステーションに勤務している看護師は、主治医が作成した訪問看護指示書にしたがって自宅療養中の方のもとを訪問し、健康状態のチェックや医療処置などを行います。
また、利用者さんやご家族の相談に乗ることもあります。
利用者さんやご家族の声を主治医へ伝えたり、反対に主治医の考えを伝えたりするのも訪問看護師の大切な仕事です。

また、コミュニケーションが好きな方や患者さんに寄り添うことが得意な方は特に、患者さんとの対話のなかで再入院を予防するきっかけや服薬の工夫などを見つけれ、やりがいを感じられるでしょう。

訪問看護に夜勤はありませんが、オンコールがあります。
しかし、複数の看護師がシフト制で働く職場であれば、プライベートとのバランスは比較的取りやすくなっています。

健診センター・献血ルーム

健診センター・献血ルームも看護師の資格や経験が必要とされる職場です。
基本的に健康な方が健康診断や献血のために来所される施設であるため、命に関わる仕事にストレスやプレッシャーを感じる方には働きやすいでしょう。

ただし、健診センターも献血ルームも、看護師の仕事内容は採血が中心であることは重要なポイントです。
1日に何十回、何百回と採血することもあるため、向き・不向きがあるかもしれません。

治験コーディネーター(CRC)

治験とは、開発中の薬の効果や安全性を確かめるために行われる臨床試験です。
そのうち、試験に参加する被験者への説明や、投薬スケジュールの作成などを担うのが治験コーディネーター(CRC)です。

治験コーディネーターは看護師の資格を必要とする仕事ではなく、医療行為も行いません。夜勤もないため、体力的には病院看護師よりは負担が軽いでしょう。
仕事の範囲は報告書作成や医師のサポートなど多岐にわたるため、事務作業が苦でない方や人とコミュニケーションを取るのが好きな方に向いています。

医療機器メーカー(フィールドナース)

医療機器メーカーに社員として就職し、自社製品の営業などを担当するのがフィールドナースです。
看護師として医療行為をすることはありませんが、その代わりに知識と経験を生かして製品の販売やデモンストレーション、製品を買ったお客様のサポートをします。

原則として土日は休みで夜勤はありません。
また、他の社員と同様に会社業績に貢献できれば昇給や昇進の可能性もあります。
場合によっては、病院看護師よりも高収入を得られることもあるでしょう。

コールセンター

看護師としての知識やスキルを生かして、保険会社や製薬会社のコールセンターで働くこともできます。
会社の顔として、健康や医薬品などに関するお客様からの質問に電話で回答する仕事です。

シフト制で時間の融通が利きやすい職場や、在宅で働ける求人もあります。
立ち仕事ではないため体力面での負担が軽いことや、プライベートと両立しやすいのはメリットですが、ときにはクレーム対応などでストレスを感じることもあるのがデメリットです。

テーマパークの救護室

テーマパークには来園者向けの救護室があり、看護師が活躍しています。
主な仕事内容は来園者の急病・ケガの応急処置や救急車への引き継ぎ、医薬品の在庫管理などです。

メリットはテーマパークの従業員として、入園料の割引などの福利厚生が受けられることです。
テーマパークの雰囲気が好きな方には楽しく働ける職場でしょう。
ただし、テーマパークの性質上、勤務は週末や休日が中心のため、家族などと休みをあわせるのは難しくなるかもしれません。

医療系ライター

医療に関する情報を発信するメディアなどに掲載する記事を書いたり、監修したりするのが医療系ライターです。
組織に属さず、フリーランスとしての活動もでき、稼働時間や場所などを自由に決められるのがメリットです。

一方、医療現場から離れることになるため、看護スキルが低下してしまうというデメリットがあります。
看護師としての経験を生かしながら在宅で働きたい方にはおすすめです。

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新卒看護師は病院以外の就職先はあまりおすすめできない

新卒看護師は病院以外の就職先はあまりおすすめできない

病院以外で看護師が働ける職場を紹介しましたが、新卒の場合、まずは病院に就職して経験を積むのがおすすめです。
病院以外の就職先の多くが、看護師資格に加えて臨床経験があることを採用条件としているためです。

加えて新卒で病院に就職すると、資格が取りやすいのもポイントです。
資格の種類によっては症例を複数示さなくてはいけないものもあります。
病院であれば症例対象が多いことや、資格を有している看護師がいるため、資格取得に向けてまっすぐ進むことができるでしょう。

看護師は、医師の指示に基づいて治療の補助や看護を提供します。
特に病院看護師は日々多くの患者さんと接するなかで、看護スキルとともに患者さんやご家族、他の医療スタッフとのコミュニケーションを円滑にする方法も学べます。
こうした経験は病院以外で働く際にも評価されるでしょう。

看護師の仕事内容のさらに詳しい解説は、こちらの記事をご覧ください。

看護師以外の職に転職する際のアピール方法

看護師以外の職に転職する際のアピール方法

看護師が病院以外の仕事に転職する際、アピールすべきポイントは4つあります。

  • 転職先で生かせる経験があること
  • 就職先のどこに魅力を感じたのか
  • 就職したら、どう貢献できるのか
  • 即戦力として活躍したい意欲

以下の例文を参考に、自分なりの志望動機を作ってみましょう。

私は、これまでに総合病院で5年間勤務した経験があります。
日々の業務のなかで、患者さんやそのご家族とより深く関わりたいと思うようになりました。
貴施設では、生活指導などの形で入所者さん一人ひとりに丁寧なサポートができる点に魅力を感じています。
病院勤務で得た経験を生かし、一日も早く貢献できるよう尽力いたしますので、何卒よろしくお願いいたします。

看護師の働く場所は病院以外にも数多くある

病院以外で看護師の資格や経験を生かしながら働ける職場を紹介しました。
病院看護師と比べて収入が下がるケースがあるものの、プライベートを充実させたり、キャリアアップをめざす機会があったりするのが、病院以外で働く魅力です。

新卒の場合は臨床経験を積むためにも病院に就職するのがおすすめですが、ハードな病院勤務は、続けるうえで体力や精神面などでつらいと感じることもあるかもしれません。
その場合、経験を生かす方向での転職も選択肢の一つです。

病院以外の職場へ転職する際は、転職先で生かせそうな経験やどのような点に魅力を感じて応募したのかなどを履歴書や面談を通じてアピールしましょう。

この記事が、病院以外へ転職したいと考えている看護師の参考になれば幸いです。

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執筆者について

情報かる・けるは、医療・介護従事者として働いている方や、これから目指す方の「知りたい」に応えるメディア。 全国54,000件以上の求人を扱う弊社スタッフが、編集部として情報発信! “いい仕事が見つかる・いい仕事を見つける”ための、有益なコンテンツをお届けします。 https://twitter.com/karu_keru

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