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保健師の定義とは?仕事内容や看護師との違いについて解説

保健師の仕事内容はある程度理解しているものの、法律上の定義や看護師との違いなど、細かな部分まで把握しきれていない方もいるのではないでしょうか。

この記事では、国家資格である保健師の定義について、厚生労働省の保健師助産師看護師法をもとにまとめました。
看護師と助産師との違いや、仕事内容についても紹介しているので、気になる人は保健師の仕事について理解を深めましょう。

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保健師の定義とは

保健師の定義とは

保健師がどのような仕事をするのか、目的や役割があるのかについては、保健師助産師看護師法に明記されています。
ここではこちらの法律をもとに、保健師の定義を解説します。

保健師は厚生労働省が定める国家資格

保健師は、厚生労働省が定める国家資格です。
保健師助産師看護師法総則第二条には、以下のように記載されています。

第二条 この法律において「保健師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、保健師の名称を用いて、保健指導に従事することを業とする者をいう。

引用元:保健師助産師看護師法 第二条

保健指導とは、健康診断などにおいて、リスクがある患者さんへ生活習慣の改善を行う面談などを指します。
保健師は看護師とは違い、病気の予防のための保健指導を行うことが特徴です。

なお、保健師になるには看護師免許も必須となり、保健師国家資格に合格する必要があります。
これは保健師助産師看護師法総則第七条にて定められています。

第七条 保健師になろうとする者は、保健師国家試験及び看護師国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受けなければならない。

引用元:保健師助産師看護師法 第七条

公衆衛生看護の目的を達成しようとするもの

日本公衆衛生看護学会によると、保健師は以下のように定義されています。

保健師とは、国家資格である保健師の名称を用いて公衆衛生看護の目的を達成しようとする者をいう。

引用元:日本公衆衛生看護学会による公衆衛生看護関連用語の定義 V.1

「公衆衛生看護」の公衆衛生とは、地域社会における健康増進や疾病予防を指します。
対象となるのは、すべての健康レベルの個人やご家族、活動する集団や組織、地域のコミュニティとあり、これらの人々が健康を維持・改善できるようサポートするのが保健師の役目です。

つまり、病気が起こった際の看護ではなく、予防医療に関わる仕事に携わるのが保健師といえます。

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保健師の目的と役割

保健師の目的と役割

近年は、児童虐待や自殺対策の精神的な問題と、新たな感染症発症など疾病に関する問題があります。
保健師はいずれの問題も解決することが目的です。

保健師の役割はその問題に対して、根本的な原因や解決策を探し、当事者である個人やご家族を支援しながら、地域社会全体に働きかけていくことです。

保健師の仕事

保健師にはいくつかの勤務先があります。

行政保健師 公務員の保健師のため、公務員の国家資格も別途必要。
病院保健師 病院内で健康診断を実施し、健康指導などを行う。
学校保健師 学校の保健室で勤務し、生徒や教師の健康を管理する。
産業保健師 企業に就職し、社員の健康を管理する。
地域包括支援センター 高齢者やご家族の介護などの相談や、ケアプランを作成する。

勤務先により給料や働き方が変わるため、保健師になる際は自分に合った勤務先を選びましょう。

保健師の仕事内容を具体的に知りたい方は以下をご参考ください。

保健師と看護師・助産師との違い

看護師や助産師は、保険師と同じように国家資格である看護免許が必要です。

ここでは実際に看護師と助産師でできる仕事をもとに、保健師との違いを解説します。
また、仕事の目的や役割も保健師助産師看護師法に基づいて見ていきましょう。

看護師との違い

看護師は、保健師助産師看護師法総則第五条に以下のように記載されています。

「看護師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者をいう。

引用:保健師助産師看護師法 第五条

保健師は病気やけがを予防するのに対し、看護師は病気やけがを患った方を治療する役割があります。
また、看護師は看護師免許だけで働くことができますが、保健師として働くには、「看護師免許」と「保健師免許」の2つの国家資格が必要となります。

看護師との違い

衛生行政報告例(就業医療関係者)によると、保健師の就業先は市区町村が30,450人(54.8%)と最も多いのに対し、看護師は病院が最も多く、883,715 人(69.0%)となっています。

助産師との違い

助産師は、保健師助産師看護師法総則第三条にて以下のように定義されています。

「助産師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、助産又は妊婦、じよく婦若しくは新生児の保健指導を行うことを業とする女子をいう。
引用元:保健師助産師看護師法 第三条

助産師も保健師と同じように、看護師免許を取得したうえで助産師免許の取得も必要です。
保健師と助産師は、保健指導の対象となる人と内容が異なるため、どのような仕事内容をしたいかで選びましょう。

助産師の保健指導の対象者は妊婦・褥婦と新生児に限られており、内容も助産に関するもののみとなります。
一方で保健師は、すべての方が対象となるため、多岐にわたる保健指導に対応する必要があります。

保健師の定義をおさえて、仕事への理解を深めよう

今回は保健師の定義についてご紹介しました。
「保健師助産師看護師法」に基づいた定義をもとに保健師の仕事を理解し、働く目的や役割を明確にしてみてはいかがでしょうか。

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