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保健師の独立・開業はどうすれば良い?具体的な手順を解説

保健師の多くが、公務員として保健所などの公的機関や、養護教諭として学校、社員の健康を管理する産業保健師として企業などで働いています。
比較的安定した組織に所属する保健師が多い中、新しい働き方として独立・開業する保健師も増えてきています。

安定した環境を捨てて独立するのはとても勇気がいることですが、はたして保健師として独立・開業してやっていけるのでしょうか?
本記事では、保健師が開業する手順と注意点、代表的なビジネスモデルなどを紹介し、その答えを見つけるお手伝いをします。

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保健師としての独立・開業は可能

保健師としての独立・開業は可能

保健師の認知度は上がってきていますが、仕事単価はいくらくらいなのでしょうか?
保健師の時給は一般的な転職サイトでは1,500~2,000円前後となっています。

同水準の報酬で時間を切り売りしているだけでは、独立する意味はあまりないといえます。
保健師として活躍している先輩方はたくさんいますが、その成功はいかに自分の仕事に付加価値をつけていけるかにかかっています。

独立・開業に必要な事前準備

保健師として独立開業するにあたって、まず初めにしなければならないことは、自分が向いているかよく考えることです。
独立したら仕事の受注からサービスの提供まで、すべてを自分でやらなければなりません。
それは決して楽なことではないのです。

負担の大きい独立・開業後の業務を続けるには、事前に起業してどうなりたいのか、どういう形で世の中に貢献したいのかよく想像し、自分のなかで強い信念と意志を持つことが必須です。

また、お客さんはあなたにお金を払ってサービスを受けることになります。
「この仕事ならこの人に頼もう」といった信頼を勝ち取ることが欠かせません。
信頼を勝ち取るためには、あなたなりの武器が必要です。
自分の得意なことを認識し、それについて特化した人材、すなわち専門性の高い保健師となることを心がけましょう。

独立・開業の具体的な手順

さて、開業の意志がかたまり、ある程度の方向性が決まったところで、開業します。
とはいえ、実は保健師には開業権はありません。
実際には「個人事業主」として登録し、保健師として仕事を受注していくことになります。

一般的な個人事業主と同様に、開業する地域の税務署と都道府県に「開業届」を提出します。
職業欄に「保健師」と記入しましょう。

参考:[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁.html

青色申告を活用するのがおすすめ

個人事業主は自分で収支を管理し、確定申告をしなければなりません。
そこで忘れてはならないのは、税制上の優遇を受けるための「青色申告承認申請書」の提出です。
事前に税務署に提出しましょう。

より手続きがシンプルで、事前申請の必要がない白色申告を選択することもできます。
しかし、白色申告では、「青色申告特別控除」や「赤字繰越し」など、さまざまな特典を受けることができません。
経費として計上できる範囲も違います。
青色申告は手続きや書類作成が煩雑で大変ですが、せっかく開業して得た利益を最大限確保するために、これはぜひともクリアしておきたいところです。

参考:No.2070 青色申告制度|国税庁.html

「日本開業保健師協会」のサービスを活用するのも手

日本開業保健師協会では、開業をめざす保健師を対象に、開業の助けとなる以下のようなサービスを提供しています。

  1. 起業相談
  2. 割引価格で受講できる協会主催の研修
  3. 仕事の紹介
  4. ホームページへの掲載

まずはここに所属し、開業について知識を深めるとともに、同志と刺激し合うことで、開業までの道筋を模索するのも良いでしょう。
思わぬ事業やビジネスモデルの誕生につながるかもしれません。

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保健師の開業・独立(フリーランス)の違い

保健師の起業は、仕事をするスタンスによって、フリーランスと開業の2種類にわけることができます。

  • フリーランスの保健師:仕事の依頼を受けて、自分の空いた時間と保健師としての技術を提供する
  • 開業保健師:自らが事業を立案、計画して事業を展開する

フリーランスの保健師は、保健所・事業所などから個別に保健師としての仕事を受注し、こなしていきます。
一方、開業保健師は、そもそも保健師としての仕事を作るところからのスタートです。

開業保健師として活躍するには、これまで培ってきた実務能力とは違ったスキルが必要とされます。
まずはフリーランスとして業務委託を受けながら、計画を練り上げて事業を立ち上げていくパターンが多いようです。

保健師として開業する前に考えるべきこと

独立・開業するということは、すべてが自己責任になるということです。

  • その覚悟はありますか?
  • あなたはなぜ開業したいのですか?
  • 開業したら何をしますか?
  • それは需要がありますか?
  • ライバルのいるなかで「この人に頼もう」とクライアントに思ってもらうには何が必要ですか?

これらの質問を自分に投げかけてみましょう。
明確な答えが出せるのであれば、開業してうまく行く可能性は高いでしょう。

保健師として働いてきた経歴や経験・人脈が仕事につながるかもしれません。
「開業したらこのように世の中を変えたい!」といった熱い思いに共感してもらえれば、協力を得られることもあるでしょう。

これまでの人生で積み重ねてきたキャリア・働き方そのもの・仕事に対する熱意や思いなど、すべてが武器になります。
自分にとっての最大の武器は何なのか。
これを常に意識しながら、普段の保健師としての業務を遂行してみるのも良いかもしれません。

保健師としての主な業務内容については以下の記事を参考にしてください。

自分に合ったスタイルで開業保健師をめざそう

近年では、駅・デパートなどで気軽に立ち寄れる「セルフ健康チェック」という取り組みを行っている会社もあります。
予約不要で、その場で自己採血による簡易血液検査を行い、その結果に基づいてアドバイスを提供するものです。
まさに近年の需要に合致した良いビジネスモデルの例であり、そうした現場でも保健師の活躍が見込まれます。

超高齢化社会により増えるお年寄り、フリーターや主婦なども含めた「健診難民」とよばれる、組織に属さない人々は増えていくことが予想されます。
このような社会情勢の中、開業保健師としての活躍の場はたくさんあるはずです。

しかし、開業することが自分に向いているのか、開業することで世の中にどう貢献していきたいのかなど、よく考えることも大事です。
まずは保健師として企業に勤め、スキルを身につけてから開業を検討するのも良いでしょう。

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執筆者について

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