看護師として働いている人のなかには、今の仕事を辞めたいと思っている人もいるでしょう。
看護師を辞めたい理由は数多くあり、同じような悩みを抱えている人も大勢います。
今回は看護師を辞めたい理由にはどのようなことがあるのかや、その場合の対処法、辞めても良いケースについて紹介します。
悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
目次
看護師を辞めたい理由
看護師を辞めたい理由は、主に以下の7つが挙げられます。
- 業務がきつい
- 労働環境が良くない
- 仕事に給料が見合っていない
- 向いていないと感じる
- 責任が重い
- 人間関係で苦労した
- 他にやりたいことが見つかった
業務がきつい
まず、看護師の業務そのものがきついと感じて辞めたいと思っているケースが挙げられます。
看護師の仕事は夜勤や残業が発生することもあり、業務量が多くなる傾向です。
生活が不規則になることや業務量過多により、身体的・精神的に大きな負担を感じ、辞めたい理由につながるケースもあります。
看護師になる前に「患者さんとじっくりと関わって寄り添いたい」と思っていた人にとっては、理想と違う環境に戸惑うかもしれません。
また、排泄物の処理や痰の吸引、感染の恐れなど、汚い・危険と感じる業務もあり、仕事に慣れないうちはつらく、辞めたいと思う人もいます。
労働環境が良くない
看護師の仕事は職場によって労働環境が大きく異なり、環境が良くないことで辞めたい人もいます。
例えば、病棟勤務では夜勤があるため、体に負担がかかりやすいです。
また、生活リズムが崩れやすいため、子育て中は夜勤に対応することも難しいでしょう。
人手不足であるために休暇が取れない、または取りづらいなど、ワークライフバランスを保ちにくいこともあります。
看護師の仕事という点では問題はないものの、自分の生活と労働環境自体が合わずに辞めたくなるケースもあります。
その場合は、職場を変えたあとにも看護師として働ける可能性があるでしょう。
仕事に給料が見合っていない
厚生労働省によると、令和4年の看護師の平均年収は約508万円となっており、平均年収から見ると給料はそこまで少ないと思わないかもしれません。
しかし、看護師の仕事は患者さんの命を預かる仕事であり、一人ひとりの責任も重大です。
毎日神経をすり減らして働いている割には給料が見合っておらず、モチベーションが上がらない人もいます。
また、平均年収はあくまで平均であり、地方の小さな病院や夜勤をしない人などはもっと低い年収のこともあるでしょう。
勤続年数が長くなってきたのに、新人の頃と変わらない給料しかもらえないことで辞めたくなる人も出てくるようです。
向いていないと感じる
看護師として働き始めてから、そもそも看護師の仕事に向いていなかったと感じ、辞めたくなる人もいます。
前述したとおり、看護師は患者さんの命を預かる仕事であるため、ささいなミスが大きなトラブルにつながることも考えられます。
また、ミスをしないか不安を抱えながら過ごすことは、大きなストレスになるものです。
なかには、実際にミスをしてしまった際の責任から辞めたいと思うケースもあります。
さらに、緩和病棟や急性期病棟では患者さんの死と向き合うケースも多く、そのような状況に耐えられず辞めたいと考えるようです。
特に新人の間は仕事に慣れていないため、向いていないのではないかと悩みやすい傾向にあります。
責任が重い
働き始めると新人であろうがベテランであろうが、一人の看護師として扱われます。
もちろん、ミスがあった場合、新人だからと大目に見てもらえるわけではありません。
小さなミスが大きなミスにつながることもあり、強く注意されることもあるでしょう。
責任感が強い人ほど、プレッシャーを感じ、その責任の重さに耐えられなくなり、辞めたいと思ってしまいます。
なかには、大きなプレッシャーを感じない職業に変わりたいと思う人もいます。
人間関係で苦労した
どこの職場でも人間関係に苦労することがありますが、看護師の世界では女性が多く働いているため、女性特有のトラブルが発生しがちです。
女性特有のトラブル以外にもいじめや嫌がらせ、パワハラなどに悩むケースもあります。
具体的には業務を押し付けられる、人格を否定される、嫉妬されるなどです。
それらの場合は看護師自体を辞めなくても、職場を変えることで改善される可能性があるでしょう。
ただし、医師との連携がうまくいかない、患者さんとのコミュニケーションが難しいことで悩む場合は看護師自体を辞めたいと考える人もいます。
他にやりたいことが見つかった
看護師の仕事が嫌になったわけではなく、他にやりたい仕事などが見つかって辞めたいと思う人もいます。
看護師からのキャリアアップにつながること、他の医療関係の仕事、まったく関係ないことなど内容はさまざまですが、ポジティブな理由といえるでしょう。
看護師を辞めたいというとマイナスのイメージを持たれがちですが、前向きな理由で辞めたい人もいるのです。
看護師を辞めたいときの対処法
看護師を辞めたい理由を紹介しましたが、ここからは辞めたいときにすべき対処法として、以下の4つを紹介します。
- 考え方を変えてみる
- 悩みを相談する
- 休暇を取る
- 働く環境を変える
では、それぞれを見ていきましょう。
考え方を変えてみる
看護師を辞めたいと思ったときは、まず考え方や向き合い方を変えてみることから始めましょう。
例えば、仕事に慣れていないため辞めたい場合は、業務をこなしていくうちにスムーズにできるようになり、辞めたいという気持ちが減る可能性があります。
また、一緒に働くスタッフや患者さんと合わないと思って辞めたい場合も、勢いで辞めてしまうのは危険です。
辞めてしまってから、冷静になったときに、辞めなければよかったと後悔することもあるかもしれません。
辞めたいと思った場合は、理由をしっかりと把握し、改善できないか考えてみましょう。
悩みを相談する
辞めたいと思うほどの悩みを抱えている場合は、上司や先輩に相談しましょう。
悩みを相談することで、現状を打破できるケースもあるためです。
また、同じような悩みを持っている人から適切なアドバイスをもらえることもあります。
もしかしたら、相談することで状況が改善していくかもしれません。
悩みを相談する相手はしっかりと選ぶ必要があります。
悩みの内容が広まらないように、口の固い信頼できる相手を選びましょう。
休暇を取る
心身ともに疲れていたり、看護師の仕事に嫌な気持ちを抱いたりしたまま働き続けると、ますます看護師を辞めたくなってしまいます。
有給が残っている場合は休暇を取り、リフレッシュする時間を用意しましょう。
忙しかったり、人手不足だったりすると周りに迷惑がかかるため、休みを取れないと思うかもしれません。
しかし、そこを考慮していたら、いつまで経っても休めないでしょう。
また、休まずに心身の限界がきて辞めてしまえば、結局余計に迷惑をかけるだけです。
休むことでマイナスな思考から離れることができれば、また元気に働けるようになるかもしれません。
辞めると決める前に、まずはリフレッシュ休暇を取ることが大切です。
働く環境を変える
看護師の業務自体が嫌なのではなく、職場の環境が悪い場合は看護師自体を辞める必要はありません。
部署異動の希望を出したり転職をしたりして、働く環境を変えましょう。
部署異動の場合は、人間関係と業務関係を変えることが可能です。
ただし、基本的な労働条件は変わらないため、労働条件が不満な場合は転職をするほうが良いでしょう。
別の医療機関はもちろん、介護施設などでも看護師として働くことは可能です。
看護師が転職・退職を考えたほうが良いケース
看護師を辞めないために、自分なりに対処したとしても改善しないこともあります。
ここでは、看護師を辞める・転職したほうが良いケースとして、以下の3つを紹介します。
- パワハラが横行している
- 労働環境が悪い
- 体調を崩している
パワハラが横行している
職場にセクハラやパワハラが横行している場合は、転職を考えても良いケースだといえます。
嫌なことをしてくる相手が一人だけで、他の人に相談することで改善できる場合などは別ですが、誰の力でも状況を変えられないときは転職しましょう。
パワハラは心身に悪影響を及ぼす可能性があり、大変危険です。
プレッシャーを感じると心身ともに萎縮してしまい、医療ミスにつながりかねません。
まずは上司に相談し、状況に応じて転職を考えましょう。
労働環境が悪い
労働環境が悪いと感じる職場なら、辞めても良いでしょう。
例えば、パワハラなどはなくても人間関係が悪く、希望などを一切言えない環境などが当てはまります。
また、労働基準法に沿わない働き方をしなければならない、業務量が多すぎるなどの場合は、転職を考えるのも一つの方法です。
たとえ法律に違反していなくても、残業が日常的にあると体調面に悪影響を与える恐れがあります。
このようなケースで状況の改善が見られないような場合は、無理をせずに転職するのもおすすめです。
体調を崩している
看護師として働いていることでストレスが溜まり、心身ともに体調に異変がある場合は辞めても良いケースです。
我慢して仕事を続けると、症状が悪化する可能性があります。
休んでも改善しない場合は、看護師を辞めて他の道を探すことが体調を整えるための改善策といえるでしょう。
看護師を辞めたいときは冷静に判断をしよう
看護師の仕事は肉体的にも精神的にもハードなため、辞めたいと考える人も多いでしょう。
とはいえ、看護師の仕事はとてもやりがいのある仕事でもあります。
一時的な気持ちで辞めるかどうかを決めるのではなく、冷静に判断をすることが大切です。
今回は看護師が辞めたいと思うケース、辞めたいときの対処法、辞めても良いケースを紹介しました。
ぜひ参考にして、自分がどうしていきたいのかを考えてみてください。