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看護師が養護教諭になるには?メリット・デメリットも解説!

看護師として働くなかで、一度は「養護教諭」に憧れた人もいるのではないでしょうか。
養護教諭を簡潔にいうと「保健室の先生」です。
学生・生徒のケガや急病への救急処置や学校衛生の管理、悩みを親身になって聞くことなどが養護教諭の仕事です。

看護師の臨床経験も活かすことのできる養護教諭ですが、どのようにめざせば良いのでしょうか。
看護師資格を持って養護教諭をめざす方法や、看護師資格を持ちながら養護教諭資格を取得するメリット、デメリットについて解説します。

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看護師から養護教諭になるには?

看護師から養護教諭になるには?

結論からいうと、看護師から養護教諭になることは可能です。
養護教諭免許状を取得したあと、教員採用試験に合格することで養護教諭として勤務することができます。
看護師免許を持っている場合、最短で取得可能なのは養護教諭養成機関に1年通うことですが、その他の方法もご紹介します。

それぞれ取得できる養護教諭免許状の種類や学費、通う年数が違うため、自分に合った取得方法を探してください。

専門学校・短期大学に通う

専門学校、短期大学を卒業後、養護教諭二種免許状が取得できます。
学費が比較的安く、通学年数も2年と大学に比べて短いところが魅力です。
奨学金などのサポート体制が充実している短大や専門学校もあり、金額面での不安も解消しやすいでしょう。

デメリットは、学校数が少ないことです。
専門学校で養護教諭を取得できる学校は、数が多くありません。
通いたい地域に学校がなく、一人暮らしを余儀なくされることも考えられます。

4年制大学に通う

規定にある4年制大学を卒業することで、養護教諭一種免許状を取得することができます。
看護学部から養護教諭資格を取得する方法に加え、福祉や心理関係の学部から養護教諭資格を取得する方法もあります。
学部によって学費に差が出るため、事前に調べておきましょう。

4年制大学のメリットは、集中した環境で学ぶことができる点です。
4年間の充実した時間のなかで、養護教諭への知識をつけることができるので、選択肢の一つとして良いでしょう。

デメリットは、比較的高い学費と卒業までに4年間が必要という修学期間の長さです。
看護師の仕事を辞めて大学に通うことになると、たとえアルバイトをしたとしても収入は大幅に減少します。
看護師として働きながらの大学通学も可能ですが、体力的な苦しさも予想されるため体調管理も気をつけましょう。

2年間大学院に通う

2年間大学院に通うことでも、養護教諭専修免許状を取得できます。
養護教諭専修免許状の取得が可能な大学院は国立大学に多く、学費はそこまで高くありません。
ただし、大学を卒業したうえで修士課程までいく必要があります。

大学院に進学すると、今までの臨床経験を活かしながら、より専門性の高い勉強や研究をすることが可能です。
また大学院を修了し採用されると、4年制大学や専門学校を卒業した人よりも初任給が比較的高い傾向にあるのが魅力です。

デメリットは通う年数が2年と長く、看護業務をしながら通学することが難しい点です。
大学院は勉学と研究に励行しなくてはいけないため、看護師の多忙な業務をこなしながら行うのは、心身ともに疲弊してしまう可能性があります。

1年以上養護教諭養成施設に在籍する

「生活費が苦しいため、仕事を休む期間を少なくしたい」や「養護教諭資格の取得に時間を割けない」などの理由がある場合、文部科学省が指定する養護教諭養成施設という選択肢があります。
看護師資格を持っている場合、その施設に1年以上在籍し指定の履修科目を修得することで、養護教諭一種免許状取得につながります。

デメリットは、養護教諭養成施設は全国に7か所しかないということです。
北海道教育大学、山形大学、新潟大学、金沢大学、岡山大学、熊本大学、富山県立総合衛生学院の7か所です。

住んでいる地域にない場合は一人暮らしをしないといけませんが、効率的に養護教諭資格取得の道を進むことができます。

通信制で資格を取得する

「看護師をしながら養護教諭をめざしたい」「仕事を休むことはできないが養護教諭になりたい」という方には、通信制をおすすめします。
学費は安く、通信制で資格取得をめざせるため、時間を割けない方にぴったりです。
しかし、通信制を導入している学校は聖徳大学、人間総合科学大学、東京福祉大学、姫路大学の4つしかありません。

通信制と他の取得方法との大きな違いは、自主性をもって取り組む必要があるということです。
スケジューリングを自分で行いながら、レポート課題をこなすことや、臨地実習先を自分で見つけないといけないなど多くの試練があるため、注意しましょう。

看護師の資格をもって養護教諭になるメリットは?

看護師の資格をもって養護教諭になるメリットは?

看護師の資格を持って養護教諭になると、看護師の経験を活かせるだけではなく、信頼関係の構築にとても大きな役割を果たします。
また、看護師のように不規則な勤務形態ではないため、心身ともに健康に働くことができるでしょう。
その理由を以下で詳しく解説していきます。

看護師の経験を活かすことができる

看護師の資格をもって養護教諭になると、看護師時代に培った経験を活かすことができます。
顔色から具合の悪さを察知したり、外傷に対して救急外来を早期に受診すべきかある程度判断ができたりするなど、多くの場面で経験を活かせるでしょう。

また、児童や職員のケガに迅速に対応できる以外にも、臨床の場を経験しているからこそ、焦らず冷静な対応、声がけができることも大きなメリットです。
看護師として以前の所属部署にもよりますが、急変対応や重症患者の対応をしたことがある場合も、ここで経験が活かせるでしょう。

昨今、現場では看護師経験を活かし、医療ケアが必要な児童へのより密度の濃い看護ケアや、応急処置ができる養護教諭が求められています。
採用枠の狭い養護教諭ですが、有利な武器ともいえるでしょう。

夜勤がなく生活の安定が得られる

看護師は病院にもよりますが、勤務体制上夜勤があり昼夜のリズムをつけづらい職業です。
夜勤は睡眠時間が不安定になったり、突然の勤務交代によって体調管理が難しくなったりと、疲れがたまってしまうこともあります。

養護教諭は夜勤がなく、看護師よりも体調のコントロールがしやすいといえます。

また、給料面では公立学校か私立学校かで差はありますが、国立・公立学校では公務員水準で給料をもらえるため、転職により給料が低下して生活が困窮するとは考えにくいです。
給料面での水準の変化も併せて、就職先を検討することも重要です。

教員や他スタッフ、子どもたちに安心感を与えられる

上記でも伝えましたが、看護師資格をもっていると他のスタッフや教員、児童たちに「この人なら大丈夫」と思ってもらいやすいでしょう。
理由として、ケガをした場合や体調が悪い場合、看護師がいつでも保健室にいてくれるという安心感を与えられるからです。

看護師資格を持って養護教諭になることで、初対面であっても信頼関係を構築しやすいでしょう。
また、大切な子どもを預けているご家族からすれば、学校に看護師が常駐していることはとても心強いことです。

加えて、医療ケアを必要とする児童にとって、看護師がいることは必要なケアを十分に受けることができる保障になります。
不安なく日々の学校生活を送ることができ、最小限のストレスで成長していけることでしょう。

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看護師が養護教諭になるデメリットは?

看護師が養護教諭をめざすうえで、デメリットもあります。
養護教諭の職業柄、勤務地が少ないことや選べないこと、資格取得までに時間がかかるなどです。
以下で解説していきます。

働きながらの取得が難しい

看護師の仕事を続けながら、養護教諭の資格を取得するために通学するのは、心身ともに疲労が重なるため、難しいでしょう。

看護師は、病院勤務などではシフト制かつ祝日など関係なく仕事があるため、長期休暇をとる際は、正式な理由がないと認められないこともあります。
そのため、養護教諭の資格をとるために長期休暇を取得する、というのは難しい場合もあるでしょう。
また、育児や介護があるとなおさら時間を作ることが難しく、諦める人もいるのではないでしょうか。

しかし、養護教諭資格は通信制でも取得可能です。
自主性をもって取り組めば、看護師として働きながらでも養護教諭の資格を取得することはできます。

公立の場合、勤務先を選べない

公立学校の養護教諭をめざした場合、各自治体枠での採用になります。
定期的な人事異動が行われ、希望する学校以外への異動が起こりえます。

勤務地を希望できないため、自宅から離れた場所や、利便性の悪い地域などの勤務先に配属されることもあるでしょう。
しかし、公務員の給与水準で働くことができるため、最低限の生活の保障はあります。
自家用車を持っている場合や、定期的な異動に苦がないのであれば問題はありません。

勤務先が少ない

養護教諭は各学校に1、2人の採用枠がありますが、あくまでその程度です。
現代の日本は少子高齢化社会のため、学校数も減ってきているのが実状です。
そのため、養護教諭の勤務先自体が少なくなってきています。

また、養護教諭は年を重ねるにつれ知識や経験が上がってくるため、離職する人は少ないです。
公務員採用であれば、なおさら退職を希望する人は少ないでしょう。
離職者が少ないということは、採用も限られているということです。

そのなかでも、看護師資格を持ちながら養護教諭免状を取得している場合、養護教諭のみの知識や経験よりも、必要とする学校があるため有利といえます。

「保健室の先生」として働くなら看護師の資格のみでも良い?

養護教諭という立場に囚われず「保健室の先生」として働きたいのであれば、看護師の資格のみでも可能です。
一部の大学の保健室は、看護師資格を有していることのみが採用条件になっていることがあります。

看護師資格のみでの採用であり、求人数は少なく倍率が高くなります。
また、保健室の先生の募集は学校側が直接求人を出していることが多く、見逃してしまうこともあるため注意しましょう。

養護教諭の資格が欲しいのか、「保健室の先生」として働きたいのか、自分のライフプランを見直し、今後のキャリアを考えてどちらが合っているのか選択しましょう。

看護師免許を活かして養護教諭をめざしてみよう

看護師から養護教諭の資格を取得するには、さまざまな方法があります。
学校により学費や修了年数、取得できる免許状の種類が違っていたり、働きながら資格を取得できる方法もあるため、自分のライフスタイルに合った方法で資格取得をめざしましょう。

看護師の資格をもって養護教諭になると、看護師の知識や経験を活かしながら、信頼関係を構築しやすい状況で仕事を始めることができます。
きつい夜勤などはなく、体力的に安定することも魅力です。

勤務地が少ないですが、看護師の資格や経験を持った養護教諭を必要としている学校は多いため、有利だという気持ちで諦めず養護教諭をめざしましょう。

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執筆者について

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