助産師はやりがいと誇りのある仕事です。
一方で、求められることや期待されることが多い職業ともいえます。
助産師をめざしている方は、どのような能力を身につけておくべきか知っておきましょう。
この記事ではどのような場面で助産師が活躍するのか、助産師として求められること、必要な能力や技術は何かについて具体的に紹介します。
目次
助産師に求められることとは?
助産師は出産を迎える妊婦さんや赤ちゃん、そしてご家族にとって重要な存在です。
出産というイベントに寄り添うため責任が重く、その分覚悟や心構えが必要です。
そして助産師ならではの、求められている人柄やタイプがあります。
具体的に助産師に求められていることには、どのようなものがあるのでしょうか。
順に解説していきます。
妊産婦に対する知識の深さ
まず助産師に求められる力は、妊産婦に対する知識の深さです。
助産師は妊娠、分娩、そして産後の妊産婦と新生児についての知識を幅広く持っている必要があります。
妊婦に対して食事、運動、睡眠をはじめとした生活習慣の指導や、活動量の調整など母体の安全と健康に配慮するための指導を行うのは、助産師の重要な仕事です。
また、逆子や妊娠高血圧症候群、切迫流産など、妊娠期に異常が起きてしまったときの対処法も知っておく必要があります。
このように、妊婦 を安全な出産に導けるよう専門的な知識を持つことが、助産師には求められています。
新生児に対する知識の深さ
2つめに助産師に求められる力は、新生児に対する知識の深さです。
助産師の仕事は、出産までのサポートをして終わりではなく、産後のお母さんと新生児をサポートする重要な役割があります。
そのため、助産師は出産時の知識だけでなく、新生児のお世話と成長についても知識を持つことが大切です。
初めての子育ては、誰しも迷いながらするもの。
お母さんは日々赤ちゃんが見せる些細な反応や体調の変化を目の当たりにして「これで大丈夫かな?」「自分の子どもはなんともないだろうか?」と不安になるものです。
その不安に対して、的確な情報を提供し、安心して子育てができるようにサポートするのも、助産師に求められていることです。
人を思いやる心
3つめに助産師に求められる力は、人を思いやる心です。
妊産婦や赤ちゃんを思いやる優しさは、内面からにじみ出るものです。
妊娠期や産後の女性は、環境の変化や体の変化で不安定になりやすく、気持ちが揺らぐこともあります。
妊産婦に優しく寄り添うことは、助産師の重要な役目です。
検診や入院時に関わっているなかでみられる、妊産婦の何気ない表情や話し振りから、不安や悩み、要望を汲み取っていきましょう。
どのようなことでも相談できそうだと思わせる雰囲気や元気な声かけ、笑顔を大切にすることで、思いやりの心が相手に伝わります。
妊産婦が「寄り添ってもらえている」と感じられれば、精神的な支えにもなるでしょう。
基礎体力の高さ
4つめに助産師に求められる力は、基礎体力の高さです。
出産に立ち会う助産師の仕事は、体力勝負でもあります。
分娩の際は、妊婦自身はもちろん、実は助産師も非常に体力を消耗するものです。
出産は24時間365日いつ始まるかわからないうえに、ときに立て続けに出産のケースが立て込んだり、出産が重なったりといった状況になることもあります。
また、出産にかかる時間はさまざまなので、仮に難産の場合、その分勤務時間は長引くこともあるでしょう。
それに対応できるだけの基礎体力は、助産師として働いていくために必要です。
日頃から基礎体力を身につけるために、健康的な食事や十分な休養を心がけておきましょう。
人生経験の豊かさ
5つめに助産師に求められる力は、人生経験の豊かさです。
さまざまな人生経験を経て得られる知恵や人柄も、助産師にとってはとても役に立つスキルです。
さまざまな経験を積んでいればいるほど、どのようなアクシデントにも柔軟に対応できるようになります。
妊娠、出産、育児を通して、さまざまな悩みに出会うことになるであろう妊産婦を、どっしりと安定感のある心で受け止め、的確なアドバイスで安心させてあげられる助産師は重宝されるでしょう。
それでも、助産師の仕事をしていると、どうしてもきついと感じてしまう瞬間もあるかもしれません。そんなときは、こちらの記事もぜひ読んでみてください。
助産師に必要な能力とは?
助産師は、妊産婦と赤ちゃんの命を預かることから、高い専門性が求められる職業です。
そのため、現場でテキパキと臨機応変に立ち回るための、さまざまな能力も同時に求められています。
妊産婦とのコミュニケーション力
1つめの助産師に必要な能力は、妊産婦とのコミュニケーション力です。
どれほどたくさんの専門知識を持っていても、相手に正しく伝えられなければ意味を失ってしまいます。
知識をわかりやすく妊産婦に伝えるための言葉の力は、日々磨いておきましょう。
そもそも妊産婦に「この人の話を聞こう」と思ってもらえなければ意味がありません。
説得力のある雰囲気や表情、声のトーンなど、非言語的な部分も重要です。
言葉だけでなく、表情などからも妊産婦の悩み事を読み取れる助産師は信頼されます。
そうなれるよう、日頃からコミュニケーションをとる力を磨いておくのがベターです。
精神力の強さ
2つめの助産師に必要な能力は、精神力の強さです。
助産師は命に向き合う仕事ですから、生命の誕生というかけがえのない感動的な場面に多く出逢います。
しかし、ときにつらい場面に遭遇することもあるでしょう。
不安を抱えている妊産婦が頼ってくれるだけに、責任の重さに助産師自身が押しつぶされそうになることもあります。
こうした逆境を跳ね除ける精神力の強さは、どの仕事においても持ち合わせていると有利ですが、特に助産師の場合は強く求められている力であるといえるでしょう。
計画を立てながら物事を整理できる力
3つめの助産師に必要な能力は、計画を立てながら物事を整理できる力です。
助産師の仕事は、ときに一刻を争う緊急のものもあれば、毎日繰り返し着実にこなしていかなければいけないものもあります。
また、複数の妊産婦を担当として受け持つことになるので、業務が雑多になってしまいがちです。
助産師として任される仕事が増えたときに、業務内容を整理整頓できることが大切です。
往々にしてかなり忙しい職場で働くことになるので、仕事の優先順位を正しくつけられる力が必要となるでしょう。
たくさんの仕事が立て込みがちな助産師の仕事は、忙しくてつらいと思われがちです。
しかしもちろん、やりがいを感じる場面もたくさんあります。
求められることを理解して助産師を目指そう
ここまで、助産師に求められていること、助産師に必要になる能力を紹介してきました。
専門知識だけでなく、妊産婦や赤ちゃん、そして母子を取り巻く周囲の人を支えるに足る素質や人柄も大事だとわかります。
助産師がたくさんのことを求められている職業だと知り、自分自身の今のスキルや経験と照らし合わせて「自分に助産師は向いていないかも」と不安になっても、今すぐ諦める必要はありません。
助産師に求められていることを理解し、これから一つずつ身につけていくことで、助産師になる夢を実現していきましょう。
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