
看護師として業務を行うためには、国家試験に合格したのちに免許申請をし、看護師の籍が登録されなければなりません。
これを怠って看護師業務をした場合、看護師免許がないまま業務に当たったと見なされ、行政処分の対象となります。
また、看護師免許を申請するためには、申請書の他にもいくつかの書類が必要です。
この記事では、看護師免許を申請する流れ、必要書類などを紹介していきます。
目次
看護師の免許申請はなぜ必要?
看護師の国家試験に合格したからといって、すぐに看護師業務ができるわけではありません。
まずは、看護師免許を申請しなければならない理由を解説します。
国家試験に合格しただけでは看護師業務は行えない
看護師は、国家試験に合格しても、すぐに看護師業務に従事できるわけではありません。
看護師業務をするためには、保健所に看護師免許の申請を行い、厚生労働省に備える籍に看護師として登録される必要があります。
免許申請を忘れていて行わなかった場合、看護師として登録されていないため、看護師業務にあたることは行政処分の対象となります。
法律で決められていることなので、必ず申請するようにしましょう。
免許申請はいつまでに行えば良いか?
結論からいえば、看護師免許の申請期限は決められていません。
ただし、国家試験に合格して1年が経過すると、免許申請をする際に申立書が必要となるので、1年以内に手続きをしたほうが良いでしょう。
看護師の免許取得には、申請から発行までおおむね2〜3ヵ月かかります。
すぐに看護師として働きたいと考えているならば、国家試験に合格後、速やかに免許申請を行ってください。
看護師免許を申請する流れ
次は、免許申請の流れを見ていきましょう。
看護師免許を申請するための必要書類、書類の入手方法、提出したのちに受け取る方法などについて解説していきます。
免許申請書類を入手する
看護師免許の申請書は下記の3箇所のいずれかで手に入れることができます。
●厚生労働省のホームページ
厚生労働省の「資格申請案内」のページの中の免許申請(看)をダウンロードし、印刷します。
●各都道府県の保健所や県庁
●各養成学校で配布
看護学生の場合、各養成学校で申請書が配布されることがあります。先生に確認してみると良いでしょう。
免許申請のための必要書類を準備する
免許申請のためには申請書以外にも、健康診断書、住民票、収入印紙、そして就職先によっては登録済証明書が必要となります。
取得に時間を要することもあるので、なるべく早く準備をするようにしましょう。
ここでは、それぞれの取得方法や注意する点も併せて解説していきます。
健康診断書
事前に健康診断を受け、所定の診断書に記入してもらう必要があります。
厚生労働省のホームページ内にある看護師の免許申請に使用する所定の用紙を印刷するか、保健所でも用意されています。
書式が異なると申請が受理されないこともあるため、住所地の保健所に確認しましょう。
また、診断書は発行日(記入日)から1ヵ月以内のものしか使用できません。
住民票
住民票の写しは、本籍の記載があり、かつ個人番号が記載されていないものが必要です。
コピーは不可であるため必ず原本を用意してください。
発行から6ヵ月以内のものが有効となります。
また、出願後に本籍や氏名の変更がある場合、もしくは、免許証に旧姓の併記を希望する場合は、「住民票の写し」ではなく、本籍・氏名の変更が確認できる戸籍抄(謄)本を用意しましょう。
収入印紙
登録免許税の納付に使用する9,000円分の収入印紙が必要です。
収入印紙はコンビニでも購入できますが、高額なものは取り扱っていない店舗も多いため、郵便局での購入が確実です。
もちろん合算は不可となっています。
購入した収入印紙は、免許申請書の収入印紙欄に貼り付けてください。
登録済証明書
登録済証明書とは、看護師の資格を有することを証明するものです。
免許発行までのあいだ、免許の代わりに使うことができ、就職先で提出を求められることもあります。
登録済証明書の発行の方法は、次の2つです。
●国家試験合格後に厚生労働省から郵送されるハガキの登録済証明書を使用
このハガキの裏面には氏名欄のみ、表面には確実に受け取り可能な住所と受取人氏名を記載します。
必ず63円分の切手を貼り、診断書裏面にクリップで留めて提出しましょう。
●厚生労働省のホームページからオンラインで発行する
オンライン申請サイトで申請情報の仮登録、本登録をし、本登録完了メールを受け取ったら、登録済証明書を発行できます。
本登録には審査に時間がかかるため、本登録完了メールが届くまでは一定の期間が必要です。
保健所に書類を提出し免許証を受け取る
免許申請書と必要書類が準備できたら、住所地の保健所(一部県庁)に提出します。
ただし、一部の保健所は受付窓口となっていないことがあるため、住所地の都道府県などのホームページで提出先を必ず確認しましょう。
申請から免許証交付までは、おおよそ2〜3ヵ月かかります。
免許証ができあがったら、保健所より通知はがきが届きます。
そのはがきを持って保健所窓口に向かい、免許証を受け取ってください。
なお、申請や受け取りは原則として本人が行います。
看護師として働くために免許申請は忘れずに正しく行おう
看護師の免許申請の方法について解説しました。
看護師は、国家試験に合格しても、免許申請を行わないと看護師業務を行うことができません。
免許申請から発行までは2〜3ヵ月ほどの時間を要するため、その間、看護師業務が可能なことを証明するための登録済証明書が必要な職場もあります。
申請が混み合うことが懸念され、2022年から登録済証明書のオンラインでの発行が可能になりました。
ぜひこのような制度を積極的に活用し、免許申請手続きを行ってみてください。