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夜勤専従看護師のメリットは?デメリットとあわせて詳しく解説

夜間帯の業務を専門に担当する看護師を、夜勤専従看護師といいます。
勤務先の医療機関にもよりますが、およそ夕方から翌朝にかけてのシフトに入るのが一般的です。
手当のつく夜間の勤務が中心となるため、給与面・休日日数面に魅力を感じ、夜勤専従看護師を希望する人もいます。

ただし、メインの活動時間が夜になり、基本は昼夜逆転の生活です。
思わぬアクシデントや不都合で戸惑わないよう、夜勤専従看護師の特徴や生活パターン、仕事内容を理解してから検討しましょう。
今回は、夜勤専従看護師として働くメリットと、知っておくべきデメリットを詳しく解説します。

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夜勤専従看護師のメリット

夜勤専従看護師のメリット

夜勤専従看護師とは、24時間体制で患者さんを見守る医療機関の、夜間帯のみで働く看護師です。
昼夜逆転の生活になりますが、夜勤専従看護師には次のメリットがあり、自ら希望する人もいます。

  • 出勤回数(日数)が少ない
  • 高収入の可能性
  • 自分にあった生活リズムを作りやすい
  • 看護業務以外の負担がほとんどない
  • 人間関係のストレスが少ない

以下で詳しく解説します。

出勤回数(日数)が少ない

夜勤専従看護師は、出勤回数(日数)が少ないのが特徴です。
労働基準法第32条では、労働時間の基準を1日8時間、週40時間と定めています。
また、日本看護協会では、夜間勤務の看護師の負担を減らすため、1ヵ月の夜勤時間の上限を、144時間にすることを推奨しています。

夜勤を含む交代制の勤務体系の場合は、二交代制もしくは三交代制が一般的です。
夜勤専従看護師として働く場合の出勤回数は、労働基準法と日本看護協会の推奨勤務時間の両方に照らし合わせると、以下のようになります。

   二交代制の場合の夜勤専従 三交代制の場合の夜勤専従(深夜勤)
勤務時間 夕方~翌朝の16時間 深夜~翌朝の8時間
休憩時間 2時間 1時間
1ヵ月の出勤回数 9回 18回

夜勤専従看護師の場合、日ごとではなく、一か月間で勤務時間を調整する「変形労働時間制」を採っている場合がほとんどです。
そのため、二交代制と三交代制の場合では勤務時間と休憩時間が異なります。

週休二日制の日勤だけで働く場合、多くの場合は月20日以上が出勤日となるでしょう。
一度に働く時間が長くても、出勤日数を減らしたいと考えている人には、魅力的なメリットといえるでしょう。

高収入が期待できる

夜勤専従看護師は深夜帯勤務のため、高収入が期待できるのも特徴です。
労働基準法第37条では、時間外・休日出勤・深夜帯に勤務した場合、割増賃金を支払わなければならないと定めています。
夜勤専従看護師は深夜帯に勤務するため、基本給に割増賃金がプラスされ、高収入が期待できるでしょう。

基本給は勤務先によって異なり、深夜勤務による割り増し額がいくらになるかは一概にいえません。
日本看護協会の調査によると、一度の夜勤で受け取る割り増し額として次のような結果が出ているので参考にしてください。

  • 三交代制 準夜勤 4,399円
  • 三交代制 深夜勤 5,490円
  • 二交代制 夜勤  11,276円

自分の生活リズムを作りやすい

夜勤専従看護師は夜間に集中して働くため、昼間の時間帯を自由に活用できます。
したがって、自分のやりたいこと・やるべきことと照らし合わせ、生活リズムを作りやすい点もメリットといえるでしょう。

例えば、二交代制の夜勤専従看護師になったとします。
勤務時間は、夕方16時頃〜翌朝8時頃までの16時間です。

看護師協会のガイドラインでは、勤務明けから次の勤務に入るまで、11時間以上空けることを推奨しています。
つまり、二交代制の夜勤専従看護師の場合、次の勤務まで丸1日以上空くため、メリハリのある生活リズムを作れるでしょう。

看護以外の業務負担が少ない

夜勤専従看護師の業務は、患者さんの直接的なお世話や見守りなどがほとんどです。
通常勤務の看護師は看護業務以外に、研究・チームリーダー業務・打ち合わせや委員会への参加などもありますが、夜勤専従看護師にはありません。
つまり、看護以外の業務負担がほぼないため看護業務に専念でき、看護業務以外の負担を抱えることはないでしょう。

ただし、業務内容は勤務先で異なり、場合によっては看護以外の業務を指示される可能性もあります。
夜勤専従看護師を検討するときは、事前に募集要項で仕事内容をチェックし、看護以外の業務があるかどうかを確認してください。

人間関係のストレスが少ない

勤務先にもよりますが、夜勤専従看護師のメリットとして、人間関係のストレスの少なさを挙げる人もいます。
職場の人間関係ストレスといえば、よく耳にするのが上司との折り合いの悪さです。
作業中に急に別の仕事を割り振られたり、強めの言葉や態度で責められたりすると、人間関係でストレスがたまり、本来の力を発揮できません。

役職のつく看護師は、ほとんどが日勤のみで働いています。
つまり、夜勤専従看護師と顔を合わせる機会はほとんどなく、会ったとしても短時間で済むため、人間関係のストレスが軽減されるでしょう。

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夜勤専従看護師のデメリット

魅力的なメリットがある夜勤専従看護師ですが、次のデメリットを感じるケースも見られます。

  • 慣れるまでは体調管理が難しい
  • 日中の患者さんの様子を把握できない
  • 業務にプレッシャーがかかる
  • 正職員の求人が少ない

夜勤専従看護師の道を検討するときは、デメリットも理解したうえで決断しましょう。
以下で詳しく解説します。

慣れるまでは体調管理が難しい

夜勤専従看護師の働き方は、昼夜が逆転した長時間勤務です。
特に二交代制の職場では一般に16時間勤務となり、たとえ休憩時間が2時間あっても、体力を削られる可能性があります。

もともと夜型の生活パターンなら、体も慣れやすく生活リズムがつかみやすいでしょう。
しかし、昼型の生活パターンだった人が夜勤専従看護師になった場合、最初は体がなかなか慣れず倦怠感を感じたり、不眠で体調を崩したりするかもしれません。

せっかく夜勤専従看護師になっても、体調不良では続けられないでしょう。
体調管理の難しさは、夜勤専従看護師のデメリットです。

日中の患者さんの様子を把握できない

夜勤専従看護師が起きている患者さんと顔を合わせるのは、夕方から就寝にかけてのわずかな時間です。
消灯時間や患者さんの症状によっては、起きている時間に言葉を交わしたり、様子をみることができません。
わずかな体調の変化も見逃せない場合、日中の患者さんの様子を申し送りでしか把握できないのは、業務を行ううえで不安を感じることでしょう。

また、会話する機会が少なければ、患者さんの名前を覚えたりコミュニケーションを取ったりも難しくなります。
担当する患者さんの状態を細かく申し送りしてもらったり、わずかな時間でも会話する機会を設けるなど、積極的な行動・努力が必要でしょう。

業務にプレッシャーがかかる

業務にかかるプレッシャーを重く感じるのも、夜勤専従看護師のデメリットです。
夜間帯は、日中に比べると医師・看護師・職員の数が少ないため、割り当てられる担当業務が増えます。
また、本来の責任者が退勤しているケースも珍しくなく、万が一患者さんの容体が急変した場合、責任者不在のなかで適切な処置・対処をしなければなりません。

看護師資格を持っているとはいえ、いざというときに迷わず動ける経験と知識がなければ、相当なプレッシャーがかかります。
夜勤専従看護師を検討する場合、できれば3年以上の看護経験と、さまざまなアクシデントに対処できるスキルを身につけてからが良いでしょう。

正職員の求人が少ない

通常勤務の看護師に比べ、夜勤専従看護師の正規職員の求人は多くありません。

勤務時間の長さと収入を考えれば、パート・アルバイトや契約社員でも社会保険への加入は可能でしょう。
しかし、正規職員の安定を求めている人にとっては、夜勤専従看護師の正規職員募集の少なさはデメリットです。
正規職員で夜勤専従看護師をめざす場合、就職・転職活動はかなり困難なことを理解しておきましょう。

夜勤専従看護師の特徴を理解して自分に合う働き方を選択しよう

夜勤専従看護師は、夜間帯での長時間勤務が苦にならないのであれば、少ない出勤回数(日数)で高収入を期待できる働き方です。
しかし、昼夜逆転生活に慣れず体調を崩したり、限られた人数で業務を行うプレッシャーがかかったりするため、デメリットも把握したうえで検討しましょう。

また、夜勤専従看護師の雇用は非正規がほとんどで、なかなか正規雇用になれない可能性があります。
夜勤専従看護師をめざすときは、雇用形態・仕事内容をしっかり確認し、自分に合っているかどうかよく考えてから応募しましょう。

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執筆者について

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