
薬剤師として経験を積んでいくと、管理薬剤師という重要な役割に就くチャンスが訪れることもあるでしょう。
管理薬剤師になるためには、どのくらいの経験が必要なのでしょうか。
また、その役割や責任とはどのようなものなのでしょうか。
本記事では、管理薬剤師になるための要件や業務内容について詳しく解説していきます。
薬剤師としてのキャリアアップを考えている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
管理薬剤師には何年目からなれるのか
管理薬剤師は、調剤薬局や医療機関において重要な役割を担う存在です。
その責任の重さから、なるためには一定の経験と能力が求められます。
では具体的に、何年目から管理薬剤師になれるのでしょうか。
また、そのために必要な要件とはどのようなものなのでしょうか。
ここでは、管理薬剤師になるための基本的な条件について詳しく見ていきましょう。
管理薬剤師は実務経験5年以上が要件
管理薬剤師になるためには、一般的に5年以上の実務経験が必要とされています。
これは、薬剤師として十分な知識と経験を積み、責任ある立場で業務を遂行できる能力を身につけるために設けられた基準です。
5年の実務経験を経て、6年目から管理薬剤師になれるようめざすと良いでしょう。
また、単に経験年数だけでなく、公益社団法人薬剤師認定制度認証機構などの中立的で公共性のある団体により認証を受けた制度に基づく資格を取得していることも推奨されています。
これらの条件を満たすことで、管理薬剤師としての資質や能力が保証され、より質の高い医療サービスの提供につながると考えられています。
管理薬剤師の働き方の要件
管理薬剤師には、その役割の重要性から特定の勤務形態も求められます。
まず、原則として管理薬剤師は、勤務する調剤薬局以外の場所で業として薬剤師として働くことができません。
ただし、勤務する調剤薬局がある都道府県知事の許可があれば例外的に認められる場合もあります。
勤務時間については、一般的に1日8時間、1週におよそ40時間の勤務が必要とされています。
これは、管理薬剤師が実地に調剤薬局を管理する責任ある立場であるため、一定時間、一つの場所で勤務する必要があるためです。
このような要件を満たすことで、調剤薬局の適切な管理運営と患者さんへの安全な医療サービスの提供が可能となります。
実務経験が5年未満の場合はどうなる?
管理薬剤師になるための5年以上の実務経験という条件は、あくまでも推奨条件であり、法律で厳密に定められたものではありません。
そのため、やむを得ない事情がある場合には、5年未満の実務経験でも管理薬剤師に選任されることがあります。
ただし、その場合には「管理薬剤師として責任ある業務を行うために必要な能力および経験」を持っていることが条件となります。
つまり、単純に経験年数だけでなく、その薬剤師の能力や実績、専門性などが総合的に評価されることになるのです。
選任する側は、なぜその薬剤師を管理者としてふさわしいと判断したのか、明確な理由を説明できなければなりません。
例えば、特定の疾患や治療法に関する深い知識を持っている、調剤薬局経営に関する豊富な知識がある、などの具体的な根拠が求められます。
このように、実務経験が5年未満でも管理薬剤師になれる可能性はありますが、その場合はより厳しい審査や評価が行われることを覚えておきましょう。
管理薬剤師になれるのは6年目からだと考えたほうが良い
管理薬剤師になるための要件を総合的に考えると、管理薬剤師になれるのは6年目からを目安にするのが望ましいでしょう。
5年以上の実務経験が推奨条件とされていますが、より確実に必要な能力と経験を身につけるためには、余裕を持った準備期間が必要です。
また、認定薬剤師の資格取得や、調剤薬局管理に関する知識の習得にも時間がかかります。
6年目からを目標にすることで、十分な経験と能力を身につけ、自信を持って管理薬剤師としての責務を果たすことができるでしょう。
キャリアプランを立てる際は、この目安を参考にしながら、着実に経験を積み重ねていくことが重要です。