
薬剤師をめざす方は、国家試験の合格率が気になるでしょう。
この記事では、過去のデータを読み解きながら、薬剤師の合格率を解説します。
大学の種類別の合格率や、試験の合格基準も解説しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
薬剤師国家試験の合格率は何%?
薬剤師国家試験の合格率を見ていきましょう。
2022年の全体の合格率や、新卒での合格率、過去の平均合格率も解説しています。
2022年薬剤師国家試験の全国の合格率
2022年薬剤師国家試験の合格率は68.02%です。
受験者数14,124名のうち、9,607名が合格しています。
2022年薬剤師国家試験の新卒合格率
2022年薬剤師国家試験の新卒での合格率は、全体で85.24%です。
新卒での受験者数は8,665名となっており、そのうちの7,386名が合格しています。
また、大学の種類別に新卒合格者を見ると以下のような結果となっています。
大学の種類 | 新卒の合格率 |
国立大学 | 91.55% |
公立大学 | 90.32% |
私立大学 | 84.72% |
上記のとおり、大学種別の新卒合格率は、国立大学が一番高い数値となりました。
薬剤師国家試験の平均合格率
次に、年別の薬剤師の平均合格率を見てみましょう。
年 | 合格率 |
2022年 | 68.02% |
2021年 | 68.66% |
2020年 | 69.58% |
2019年 | 70.91% |
2018年 | 70.58% |
2022年薬剤師国家試験の大学種別合格率
2022年薬剤師国家試験における大学別の合格率は、以下のとおりです。
国立大学 | 84.38% |
公立大学 | 81% |
私立大学 | 66.96% |
上表のとおり、国立大学の合格率が高くなっています。
ここでは、各大学種別ごとの合格率について解説します。
【国立大学】薬剤師国家試験の合格率
国立大学の薬剤師国家試験の合格率は、新卒・既卒を合わせて84.38%です。
ただし、大学ごとに差があるため、国立大学であればどこでも8割以上の合格率というわけではありません。
国立大学のなかでも、特に合格者率が高かった大学は以下の5校です。
大学名 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
金沢大学 | 42名 | 40名 | 95.24% |
徳島大学 | 62名 | 57名 | 91.94% |
北海道大学 | 36名 | 32名 | 88.89% |
東北大学 | 27名 | 24名 | 88.89% |
広島大学 | 47名 | 41名 | 87.23% |
上記のとおり、国立大学のなかで最も合格率が高い大学は金沢大学の94.24%です。
【公立大学】薬剤師国家試験の合格率
公立大学の薬剤師国家試験の合格率は、新卒・既卒をあわせて81%です。
国立大学と比較すると低いものの、80%以上の高い水準となっています。
なお、薬剤師試験を受験した人がいる公立大学は、岐阜薬科大学、静岡県立大学、名古屋市立大学の3校のみでした。
下表ではそれぞれの学校の受験者数や合格者数、合格率を紹介します。
大学名 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
岐阜薬科大学 | 102名 | 82名 | 80.39% |
静岡県立大学 | 101名 | 88名 | 87.13% |
名古屋市立大学 | 76名 | 56名 | 73.68% |
上記のとおり公立大学のなかでは、静岡県立大学が87.13%と最も高い合格率です。
【私立大学】薬剤師国家試験の合格率
私立大学の薬剤師国家試験の合格率は、既卒を含めて66.96%で、国立大学や公立大学のなかで最も低い数字でした。
また、薬剤師試験を受験した人がいる私立大学は56校と多いため、学校ごとの合格率にもばらつきが見られます。
数多くある私立大学のなかでも、合格率が高い大学は以下の5校です。
大学名 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
名城大学 | 267名 | 247名 | 92.51% |
昭和大学 | 210名 | 191名 | 90.95% |
医療創生大学 | 53名 | 48名 | 90.57% |
京都薬科大学 | 387名 | 344名 | 88.89% |
東邦大学 | 283名 | 249名 | 87.99% |
(出典:第107回薬剤師国家試験 大学別合格者数)
上記のとおり、私立大学のなかで最も合格率が高い私立大学は、名城大学で92.51%となっています。
薬剤師国家試験の合格基準
薬剤師国家試験の合格基準は、以下のように定義されています。
- 問題の難易を補正して得た総得点について、平均点と標準偏差を用いた相対基準により設定した得点以上であること。
- 必須問題について、全問題への配点の70%以上で、かつ、構成する各科目の得点がそれぞれ配点の30%以上であること。
また、試験内容のなかには禁忌肢と呼ばれる、一定以上選択した時点で不合格となる選択肢も含まれています。
たとえ上記2つの合格基準を満たしていても、一定数以上、禁忌肢を選んでしまっていた場合は不合格です。
過去の問題のなかでどれが禁忌肢となっていたかは明確になっていませんが、基準については以下のように記されています。
- 薬剤師には、医療人としての高い倫理観と使命感が求められることにかんがみ、薬剤師として選択すべきでない選択肢(いわゆる「禁忌肢」)を含む問題について、導入することとする。
禁忌肢の導入にあたっては、公衆衛生に甚大な被害を及ぼすような内容、倫理的に誤った内容、患者に対して重大な障害を与える危険性のある内容、法律に抵触する内容等、誤った知識を持った受験者を識別するという観点から作問することとする。
薬剤師国家試験を受ける際は、禁忌肢を選択しないよう注意しなければいけません。
薬剤師国家試験の合格率は約7割!対策して臨めば受かりやすい
薬剤師国家資格の合格率を解説しました。
薬剤師国家試験の合格率は、例年70%前後です。
しっかり対策して臨めば合格できる可能性は高いでしょう。
薬剤師国家試験の難易度について、より詳しく知りたい場合は、下記の記事も参照してください。