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保健師資格の取得難易度とは?国家試験・大学・就職についても解説

行政施設や企業・学校など、さまざまな場所で人々の健康を守る保健師。
実際に働く姿をみてめざす人もいると思います。

保健師になるためには看護師国家試験・保健師国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受けなければなりません。
国家試験を2つ合格しなければならない保健師ですが、実際にはどのくらいの難しさなのでしょうか。
今回は、保健師になるまでの具体的な流れや方法・就業先・難易度について詳しく解説します。

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保健師資格の国家試験で受験資格を得るまでの難易度

保健師資格の国家試験で受験資格を得るまでの難易度

保健師の資格は、国家試験を受ける前に受験資格を得なければならないという、ハードルがある資格です。
そのため、保健師をめざす人は難易度が気になったり、資格を得るまでの流れが気になったりすることでしょう。

保健師の資格を取得するためには、国家試験を受けるまでにどのような流れがあるのかを知っておき、事前準備を整えることが大切です。
保健師の資格を得るまでの具体的な流れと、難易度について詳しく解説します。

国家試験を受けるまでのハードルが高め

保健師助産師看護師法では、保健師について以下のように定められています。

保健師になろうとする者は、保健師国家試験及び看護師国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受けなければならない。

引用:保健師助産師看護師法第7条

つまり、保健師になるためには保健師国家試験だけではなく、看護師国家試験にも合格しなければならないのです。
そのため保健師の国家試験を受けたい場合、受験に必要な看護師資格も得られる大学や専門学校を卒業しなければなりません。
受験するまでのハードルの高さこそが、保健師の資格取得の難易度の高さといえるでしょう。

保健師資格を取得するまでの流れ

保健師の国家試験を受けるためには、事前に看護師の国家試験に合格していなければなりません
そのため、保健師の資格を取得するまでに必要な流れには、主に次のような2つがあります。

保健師資格を取得するまでの流れ

  • 看護系の4年制の大学や専門学校で修業→保健師資格試験・看護師資格試験を受験
  • 看護系の3年制の短大や専門学校で修業→看護師資格試験を受験・取得
    →保健師養成課程(1年以上)を修了もしくは保健師養成所を卒業
    →保健師国家資格を受験

具体的な内容について、詳しく解説しましょう。
なお、保健師と看護師の違いについて知りたい方は、以下の記事をご参照ください。

4年制大学や4年制専門学校などを修業する

保健師・看護師の資格を得るためには、それぞれの国家試験に合格しなければなりません。
そして試験を受けるためには、まず受験資格を得る必要があります。

統合カリキュラムを採用している4年制の大学や専門学校を卒業すると、保健師国家試験・看護師国家試験の両方の受験資格が得られます

最初から保健師になることを視野に入れている人は、4年制の大学や専門学校へ通うと良いでしょう。

3年制短大や3年制専門学校などを修業する

3年制の短大や専門学校で修業する方法もあります。
この場合、保健師に必要な専門課程を学ぶことはできませんが、ひとまず看護師国家試験の受験資格は得られます

そのあと、保健師の受験資格を得るためには、保健師になるための専修課程を受けられる学校で必要な授業を受けるか、保健師養成所などに通わなければなりません。
保健師の資格をとりたいと考えている方で、3年制の短大や専門学校を検討している場合は注意が必要です。

保健師国家試験・看護師国家試験の難易度

保健師や看護師をめざそうと考えたとき、資格試験の難易度が気になる人もいることでしょう。
実際に難易度はどのくらいなのか、保健師国家試験と看護師国家試験、それぞれご紹介します。

保健師国家試験の難易度

令和4年2月に行われた保健師国家試験の結果を見ると、合格率89.3%(新卒者は93.0%)と高い合格率になっています。
参照:第108回保健師国家試験合格発表(厚生労働省)

受験資格を得るまでのハードルこそ高めですが、しっかりと対策をして勉強すれば、決して難易度は高くないといえるでしょう。

保健師国家試験の合格率については、以下の記事で詳しく解説しています。

看護師国家試験の難易度

令和4年2月に行われた看護師国家試験の結果を見ると、合格率は91.3%(新卒者96.5%)でした。
参照:第108回看護師国家試験合格発表(厚生労働省)

受験者の9割が合格していることから、看護師国家試験の難易度もさほど高くないと判断できます。
ただし、看護師国家試験も保健師と同様に、看護系の知識を十分に身につけておくことが大切です。

保健師の就職の難易度

保健師の就職の難易度

保健師国家試験に合格して資格を取得したら、次に行うのが就職活動です。
実際に働いている保健師は、主に次のような就業場所に就職しています。

  • 保健所、保健センター
  • 学校
  • 企業

では、実際にこのような場所で働くのは難しいのでしょうか。
保健師の種類別に、就職の難易度について解説します

行政保健師として働く難易度

保健師の就職先としてもっとも多いのが、市区町村の保健所や保健センターといった行政機関です。
自治体で働く保健師は行政保健師といい、全体数の6割以上を占めています。
参照:日本看護協会 看護統計資料室

行政保健師は公務員扱いのため、各市町村で行われる公務員試験に合格しなければなりません。
公務員試験の難易度が低いわけではないので、この点だけ注意しておきましょう。

産業保健師として働く難易度

産業保健師として働く場合、その難易度は高くなります。
日本看護協会の資料を見ると、2019年の段階で保健師総数64,819人に対し、事業所で働いている保健師は2,974人ですから、かなり狭き門といえるでしょう。
参照:日本看護協会 看護統計資料室

産業保健師には、従業員に対するストレスチェックやメンタルケアなど、企業保健師ならではの業務もあります。
難易度は高めになりますが、企業で働く人のメンタル面までケアしたいという人は、産業保健師を視野に入れてみましょう。

学校保健師として働く難易度

学校に就職する保健師は学校保健師と呼ばれ、学生や教職員の健康を守るのが仕事です。
養護教諭と間違われやすいですが、養護教諭は教員として養護教諭免許を取得しており、学校保健師とは異なります。

養護教諭は、保健師の仕事に加えて、教員として保健や道徳の授業をすることがあります。
もし学校保健師から養護教諭をめざすのなら、教育職員免許法で定められた必須科目の単位を取得しなければなりません

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保健師になってからの業務難易度

保健師になってからの業務難易度

保健師になったあとも、業務を遂行するなかで悩んだり、苦労することはあるでしょう。
感染症や難病・心身の障害に苦しむ人と向き合ったり、虐待・DV・生活困窮などで悩む人を支援したりといった業務は、受け止める保健師も心に負担が掛かることがあります。

心身の健康を損ねている人の背景にある問題点は何なのか、正確に把握して解決策を提案したり、それらの問題点を社会全体の課題として社会に働きかけるなど、難易度の高い仕事内容を求められることでしょう。

どのような人が保健師に向いているのかもっと知りたいという方は、以下の記事もご参照ください。

保健師をめざすときの注意点やポイント

保健師をめざすときの注意点やポイント

保健師になることを目標としたとき、どんなことに気をつければいいのか気になる人もいるでしょう。

保健師になるためには、学校選びや将来に向けてのスケジュールなど、国家試験合格までどのように学んでいくかを考える必要があります。
保健師をめざすときの注意点やポイントをご紹介します。

自分に合った学校を選ぶ

保健師になるために大学や短大・専門学校への進学を希望するときは、自分に合った学校を選ぶようにしましょう。

保健師になるためには最低でも4年は必要です。
せっかく進学した学校が自分に合っていないと、勉強がうまくはかどらなかったり、資格取得までに時間が掛かる可能性もあります。
自分に合った学校を選び、しっかり学べる環境を整えましょう

保健師になるために進学する学校選びに悩んでいる方は、以下の記事もご参照ください。

保健師としてどう働くのかしっかり想定して学業に励む

実際に保健師になったときどのような働き方をしたいのか、しっかり想定して学業に励むことも大切です。
保健師の仕事は、専門性の高さから幅広い場所で求められます。
就職先によって求められる能力が違ってくるかもしれません。

保健師として働くイメージができあがっていれば、国家試験合格に向けての勉強のモチベーションにもなるでしょう。
具体的なイメージを持ち、将来へ向けて勉強を進めましょう。

勉強のスケジュールをしっかりと立てる

保健師になるためには、看護師の資格もとって受験資格を満たさなければなりません。
そのために必要なのが、保健師国家試験を受けるまでの勉強スケジュールです。

たとえば、統合カリキュラムを採用している4年制の大学や専門学校なら、保健師も看護師も受験資格を得られますが、3年制の短大・専門学校で学ぶなら、卒業後に1年以上の保健師養成課程などを受けなければなりません。
いつまでに、どのようにして保健師資格を取得するのか、しっかりと計画して勉強しましょう。

今後は大学院への進学も視野に入れる

近年、保健師養成課程の廃止や選抜制を採用する4年制の学校も増え、希望者全員が保健師養成課程を選択できる学校は減少傾向です。
一方、大学院で保健師を養成する学校が増えてきています。

もし保健師を目指して大学進学を希望するのなら、大学院への進学も視野に入れましょう
その際には、大学院に保健師養成コースがあるかもよく確認しておきましょう。

保健師として働くためにまずは自分に合った大学や専門学校を選ぼう

保健師になるための国家試験は、数字だけで見るなら決して難易度は高くありません。
しかし、保健師になるための課程はハードルが高く、スケジュールを立てて勉強をする必要があります。

大切なのは、自分に合った大学や専門学校を選び、しっかり学んで国家試験を受けることです
保健師としてどのように働きたいのか具体的にイメージし、スケジュールを立てて勉強しながら、保健師になるための準備をしていきましょう。

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