
心理カウンセラーは、人の心の悩みに寄り添い、メンタル的な問題解決に向けたサポートをする専門性の高い仕事です。
ストレス社会において心理カウンセラーが担う役割は大きくなっている反面、その仕事内容は精神的にきつく、大変なこともあります。
相談者に寄り添い、適切な支援を実施するには、心理カウンセラーである自分自身がストレスを抱え込みすぎないよう心身を思いやることが大切です。
本記事では、心理カウンセラーの仕事できつい場面や大変なことを紹介するとともに、ストレスを感じたときの対処法についてもお伝えします。
目次
心理カウンセラーの仕事できつい、大変なこと
心理カウンセラーは、相談者の心の奥底にある問題と向き合い、解決に導くための支援を行う重要な役割を担っています。
相談者の力になれたり、感謝の言葉を直接かけてもらったりと、やりがいを感じる場面も多い反面、その過程では困難に直面することも珍しくありません。
ここでは、心理カウンセラーの仕事できついことや大変なことを紹介します。
相談者へ声をかけるのに神経を使う
心理カウンセラーは、相談者との対話を通してメンタル面の問題解決を図る仕事です。
相談者のなかには、精神的に追い詰められナイーブになっている方も少なからずいます。
このため、何気なく発した言葉で相談者を傷付けてしまう可能性があり、どのように声をかけるべきか迷ってしまう場面もあるでしょう。
また、心理カウンセラーは対話の内容だけでなく、相談者の表情や仕草、声のトーンなどさまざまな要素から精神状態を分析しなくてはなりません。
大切な情報を見落とさないためにも、常に神経を張り詰めた状態でカウンセリングに臨む必要があります。
相談者への声かけや態度・視線など自身のふるまいには細心の注意を払わなければならず、カウンセリング中は気を張ることから、心理的な負担も大きくなりがちです。
収入が安定するまでに時間がかかる
心理カウンセラーは、正社員などの常勤職員のほか、非常勤職員としてパート・アルバイト、契約社員などの雇用形態で働く方も多くいます。
非常勤の場合、安定した収入を得るまでには時間がかかるかもしれません。
収入を上げるため、心理カウンセラーとしての技術を磨きつつ複数の職場をかけ持ちしたり、スキルアップ・キャリアアップをめざしたりなどの工夫も必要です。
働き方や職場によっては収入を安定させるまでの道のりが長く、経済的な不安を抱えながら仕事に取り組まなければならない苦労があります。
相談者からきつい言葉を言われる
心理カウンセラーは、困難な状況にある相談者の心の問題に真摯に向き合う仕事です。
なかには被害者意識の強い相談者もいるため、相手のことを思った発言でも怒りや反発心を買い、攻撃的な態度をとられることがあります。
苦情や暴言など、相談者から強い言葉をぶつけられることで精神的に疲弊してしまう心理カウンセラーは少なくありません。
相談者からのきつい言葉に耐えながら、忍耐強く支援を行わなければならないという環境は、誠実に相手と向き合おうとする心理カウンセラーにとってストレスになりがちです。
常にスキルを磨く必要がある
心理カウンセラーは、常に新しい知識やスキルを習得し続ける必要があります。
有効とされる心理学的なアプローチの方法がアップデートされる場合もあり、最新の研究動向を把握しておかなければなりません。
また、人々の心の問題が複雑化するにつれ、カウンセリング業務の難易度も上がってきています。
心理カウンセラーは、社会の変化に合わせて常にスキルアップを図る必要があり、自己研鑽を怠ることはできません。
相談者の人生を抱えるプレッシャーがある
心理カウンセラーは、相談者の人生に深く関わる仕事です。
相談者の抱える問題によっては、自分の支援が相手の人生を大きく左右する可能性もあるため、強いプレッシャーを感じる方もいるでしょう。
また、不用意な発言ができないことや、使う言葉一つひとつを選別しなければならないといった緊張感も、心理カウンセラーの負担になります。
相談者の力になりたい、問題を良い方向に導きたいと思う一方で、心理カウンセラーとしての責任の重さに心が折れそうになることもあるかもしれません。
無力感に悩まされやすい
心理カウンセラーは、相談者が抱える問題点に寄り添いながら、解決に向けて尽力します。
しかし、カウンセリングを毎回達成感をもって終えることができるとは限らず、さまざまな要因で相談者・カウンセラー双方の納得感に至らないまま面談を修了せざるを得ないケースもあるでしょう。
自分の支援が相談者の希望や想いに合致しなかった場合、無力感にさいなまれやすくなります。
難しい事例に対応するなかで、自己成長につなげられる部分があることも確かですが、相談者の力になれなかった自分と向き合うのは精神的に辛いものです。
心理カウンセラーは、無力感との闘いも避けられない仕事だといえます。
心理カウンセラーの仕事で「きつい」と感じたときの対処法
心理カウンセラーの仕事は、深刻な悩みを抱えた相談者と向き合うなかで、精神的にきついと感じることもあります。
しかし、ストレスを抱えすぎてしまうと自分自身の体調に悪影響を及ぼしかねません。
心理カウンセラーとして長く働くには、きついと感じたときの対処法を知っておき、上手に仕事と付き合うことが大切です。
自分をいたわる
カウンセリング中は集中力を要するため、知らず知らずのうちに疲労がたまりやすくなります。
仕事以外の時間は、心と体を意識的に休めて、自分をいたわるようにしてみてください。
リフレッシュ方法の例としては、十分な睡眠時間を確保する、趣味に没頭できる時間を作る、心を許せる相手とゆったり過ごすなどがあります。
カウンセリングの合間にヨガやストレッチ、筋トレなどの軽い運動を取り入れるのも効果的です。
仕事に対する緊張感で張り詰めた状態から気持ちを切り替え、心と体を休めましょう。
また、好きなものを食べることでも気分転換になり、心が満たされます。
ストレスを和らげるのに効果的な食べ物を取り入れるとなお良いでしょう。
具体的には、トリプトファンを含むバナナや大豆食品、ヨーグルト、GABAを含む発酵食品、ポリフェノールを含むチョコレートなどが挙げられます。
ただし、食べすぎには注意が必要です。
適量を心がけつつ、好きなものを食べてリフレッシュしましょう。
やりがいを見出す
心理カウンセラーを長く続けるには、日々の業務にやりがいを見出すことが重要です。
きついこと、大変なこともある一方で、心理カウンセラーの仕事にはやりがいや魅力も多くあります。
相談者の気持ちが軽くなり、感謝の言葉をもらえたときには、心理カウンセラーとして大きなやりがいを感じられるでしょう。
人の役に立っているという実感は、仕事のモチベーションにもつながります。
また、心理カウンセラーは専門的な知識を活かせる職業であり、さまざまな職場で活躍が期待されています。
自分の仕事にやりがいを見出すことで、辛いときでも前に進む原動力となるでしょう。
心理カウンセラーの仕事の大変なこと・対処法を知って参考にしよう
心理カウンセラーの仕事は、ストレス社会において重要な役割を果たす一方で、きつい・大変だと感じる場面もあります。
深刻な状況にある相談者への声かけには神経を使いながら仕草や態度も踏まえ、言葉を選びますが、それでも相手の気分を害してしまい、強い言葉をぶつけられることも少なくありません。
また、必ずしも問題が解決に向かうとは限らず、無力感に悩まされる方もいるでしょう。
こうしたストレスを溜め込みすぎると、自分の心身に不調をきたしてしまう可能性があります。
ゆったりと過ごせる時間を作ったり、好きなものを食べたりして、自分をいたわることも大切にしてみてください。
また、心理カウンセラーの大変な面ばかりに意識を向けてしまっている方は、やりがいを見出すことで、仕事のモチベーションにつなげてみましょう。