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薬剤師の当直とは?夜勤との違い、仕事内容を詳しく解説

この記事の監修者
牧野泰尚
【資格】
薬剤師

【プロフィール】
製薬企業で約20年勤務。営業・本社勤務・支援スタッフの経験あり。
2024年4月からフリーライターとして医療系記事を執筆。

薬剤師の当直とは、夜間・休日の医療体制を維持するための勤務体系のことです。
通常の日中勤務とは異なり、所定時間外に断続的な労働に従事します。
当直業務の内容や、夜勤との違いについて詳しく解説します。

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薬剤師の当直とは

薬剤師の当直とは

薬剤師の当直とは、日中の通常業務に加えて、夜間や休日といった所定時間外に発生する断続的な労働に従事することを指します。
当直業務は、患者さんの容態急変や緊急手術などに対応するために、欠かせないものです。

宿当直のこと

通常、薬剤師の当直は、日中の業務を行ったあとそのまま夜間の勤務に入る「宿当直」のことを指します。
これは、夕方から出勤する夜勤とは異なります。
夜勤では夜の時間帯に通常勤務と同様の業務を担うのに対し、宿当直は必要があるときだけ業務を行う断続的な勤務で、それ以外の時間は仮眠や休憩をとることが可能です。

宿当直では、日中の業務が終わったあと、いったん休憩を取ってから夜間の当直業務に入るのが一般的です。

薬剤師の夜勤について詳しく知りたい場合は、以下の記事を参照してください。

薬剤師の当直は労働基準法で定められている

薬剤師の当直は、労働基準法第41条3号で定められています。
当直時間は、労働基準法第32条が定める法定労働時間には含まれません。
つまり、当直時間は通常の労働時間とは別に扱われるのです。
そのため、残業代は発生しませんが、当直手当が給与にプラスして支給されます。
当直手当の計算方法は施設によって異なりますが、通常の時間外労働とは別に設定されているのが一般的です。

薬剤師の当直業務

薬剤師の当直業務は、医療機関によって異なりますが、基本的な流れは以下のとおりです。

9時から17時までは通常の勤務と同様に調剤業務や服薬指導を行い、17時以降が当直時間となります。
当直中は、夜間や休日の急患対応など、業務が発生したタイミングで働きます。
日中よりも業務量は少ないとされていますが、救急対応や入院患者さんの容態によっては、休む間もなく働くこともあるでしょう。

当直薬剤師は、医師や看護師と連携しながら、患者さんに最適な薬物療法を提供するために尽力します。

薬剤師の当直業務がある職場

薬剤師の当直業務がある代表的な職場として、大学病院や総合病院が挙げられます。

多くの大学病院や総合病院では、入院患者さんの治療や救急患者さんの受け入れを24時間体制で行っています。
そのため、薬剤師の当直業務も欠かせません。

当直薬剤師は、基本的には業務が発生したタイミングで働きます。
夜間や休日の処方箋確認、調剤、注射薬の混合、医薬品情報の提供など、多岐にわたる業務を担当する必要があります。

薬剤師の当直手当は高い?

薬剤師の当直手当は、夜勤手当とは異なり、通常賃金の25%増しにはなりません。
ただし、当直業務に対して別途当直手当が支給されます。

当直手当は「通常勤務1人1日平均賃金の3分の1以上」と決められています。
当直手当が平均賃金の3分の1の場合、仮に日中の8時間勤務の平均賃金が30,000円とすると、金額は10,000円です。

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薬剤師が当直をするメリット

薬剤師が当直をするメリット

薬剤師が当直業務を行うことには、いくつかのメリットがあります。
高収入を得られることや、キャリアアップの機会、プライベートの充実など、さまざまな観点から当直のメリットを解説します。

高収入を得られる

前述のとおり、当直業務には別途手当が支給されるため、日中の勤務だけよりも収入が増えます。
特に、当直シフトが多い薬剤師は、高収入を得られる可能性があります。

給与規定や募集要項をしっかりと確認し、自分の働き方に見合った収入が得られるかどうかを見極めることが大切です。

キャリアアップができる

当直業務は、日中の業務とは異なる経験やスキルを身につけるチャンスです。

特に、病院の当直では、一人で複数の業務を同時にこなすことが求められます。
例えば、重症患者さんの急変に対応しながら、他の患者さんの調剤や服薬指導を行うなど、マルチタスクが求められる場面が多いのです。

最初は大変だと感じるかもしれませんが、経験を積むことで、さまざまな状況に柔軟に対応できる力が身につきます。
これは、薬剤師としてのキャリアアップにつながる貴重な経験となるでしょう。

すき間時間を活用できる

当直業務は、夜間や休日に行われるため、日中の業務とは異なる時間の使い方ができます。
例えば、当直医や救急患者さんからの連絡が少ない日は、日中の忙しい業務時間内には行えなかった学会準備や資料作成などを進めることができるでしょう。

また、緊急の連絡が少ない当直日には、自分のペースで仕事を進められるため、集中して作業に取り組むことができます。
仮眠を取りながら、自分に合ったリズムで働くことができるのも当直ならではのメリットです。

平日に休みを得ることができる

多くの医療機関では、当直明けは休日となります。
そのため、土日祝日以外にも平日に休みを取ることができます。

平日の休みは、混雑を避けてショッピングを楽しんだり、平日にしか開いていない公的機関に行ったりと、プライベートを充実させるチャンスです。
また、家事や趣味の時間を確保しやすいのも大きなメリットでしょう。

当直シフトの組み方によっては、連続した休日を取ることも可能であり、オンオフのメリハリをつけやすいことも当直のメリットといえます。

薬剤師が当直をするデメリット

薬剤師の当直業務には、メリットだけでなくデメリットもあります。
体力面での負担や、責任の重さ、プライベートとの両立の難しさなど、当直特有の課題について解説します。

体力がもたない

当直日の拘束時間は長く、救急患者さんが多い日は、休む間もなく働き続けることになるかもしれません。
夜間勤務による不規則な生活リズムも、体力面での負担となるでしょう。
昼夜逆転の生活が続くと疲れが蓄積し、常に体がだるいなどの不調を感じやすくなります。

当直業務を続けるためには、自分の体調管理に細心の注意を払う必要があります。
できる範囲で規則正しい生活リズムを心がけ、十分な睡眠時間を確保することが大切です。

責任を感じやすい

当直業務では、一人で複数の業務を担当することが多いため、責任の重さを実感します。
特に、経験の浅い薬剤師は、わからないことが多く不安を感じることもあるでしょう。

例えば、処方箋の疑義照会や調剤など、一人で判断しなければならない場面に遭遇します。
日中のようにダブルチェックが受けられない状況であるため、ミスが許されない緊張感のなかで働くことになります。

責任の重さに押しつぶされそうになったら、先輩薬剤師に相談したり、自分なりのストレス発散法を見つけたりすることが大切です。
徐々に経験を積むことで、責任の重さに慣れていくことができるでしょう。

家族や友人と休みを合わせづらい

当直業務は、シフト制が基本です。
そのため、土日祝日が休みとなる家族や友人と、休みを合わせづらくなるかもしれません。

ただし医療機関によっては、当直シフトを調整できる場合もあります。
同僚と協力し合って、なるべく休みを合わせられるようにするのも一つの方法です。
また、当直明けの休日を有効に活用して、家族との時間を大切にすることも忘れないようにしましょう。

薬剤師の当直内容を理解してやりがいをもって働こう

薬剤師の当直業務は、夜間や休日の医療を支える重要な役割を担っています。

高い収入を得られることや、キャリアアップのチャンス、プライベートの充実など、さまざまなメリットがある一方で、体力面での負担や責任の重さ、家族や友人との時間の確保が難しいなど、デメリットも存在します。
当直業務のメリットとデメリットを理解したうえで、自分に合った働き方を見つけることが大切です。
やりがいを感じながら、薬剤師としてのスキルを磨いていきましょう。

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執筆者について

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