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心理カウンセラーの資格の種類は?国家資格と民間資格を紹介

この記事の監修者
すずきめい
すずきめい
【資格】
公認心理師、精神保健福祉士、社会福祉士、幼稚園教諭一種免許、保育士、相談支援専門員、医療的ケア児等コーディネーター、児童発達支援管理責任者

【プロフィール】
未就学児のご家庭支援から障がいのある方々の支援に関わる。現在は、多様な経験を活かし、福祉全般の記事を執筆するウェブライターとして活動中。

心理カウンセラーの仕事は資格を持たなくても始められますが、心理系の資格を保持していれば、自分の希望する働き方を実現しやすくなります。
心理カウンセラーの資格は、国家資格と民間資格の大きく2つに分類が可能です。
国家資格は公認心理師のみですが、民間資格にはさまざまな種類があり、それぞれ身につけられる知識が異なるほか、特定の職場・職種に特化したものもあります。
キャリアプランに合わせて、より自分に適した資格を見つけてみましょう。

本記事では、心理カウンセラーに役立つ国家資格・民間資格の種類を解説します。

心理カウンセラーの資格の種類

心理カウンセラーの資格の種類

心理カウンセラーの資格は、国家資格と民間資格の大きく2つに分類できます。
心理系の国家資格は一つしかありませんが、民間資格は選択肢が豊富です。

国家資格と民間資格のどちらが良いという正解はないため、自分がめざしたい働き方・就業先に活かせる資格を取得すると良いでしょう。

国家資格

心理カウンセラーに関する国家資格は、2024年6月現在、公認心理師のみです。
国家資格のなかでも名称独占資格に該当し、公認心理師資格を持つ方以外はその資格を名乗れないという点で、高い専門性を持つことの証明になります。
公認心理師法が施行された2017年にできた比較的新しい資格で、日本初かつ日本唯一となる心理系の国家資格です。

公認心理師になるには、大学で公認心理師カリキュラムを履修して大学院に進学する方法と、大学卒業後に認定施設で実務経験を積む方法の2つのルートがあります。
いずれかのルートで要件を満たし、公認心理師試験に合格した後、一般財団法人公認心理師試験研修センターで・氏名、本籍地などの登録を受けなければなりません。

受験ルートには特例措置もありますが、どのルートも4年制大学または大学院の修了を前提としており、幅広く深い知識を身につけられる資格だといえるでしょう。

民間資格

心理カウンセラーの民間資格には、次のような種類があります。

  • 臨床心理士
  • 認定心理士
  • 産業カウンセラー
  • メンタル心理カウンセラー
  • 学校心理士
  • キャリアカウンセラー
  • NLPプラクティショナー
  • ケアストレスカウンセラー
  • メンタルヘルス・マネジメント検定
  • こころ検定
  • SNSカウンセラー

これらの民間資格は独自の団体が認定を行っており、取得要件や難易度に違いがあるほか、資格の活かし方もさまざまです。
より幅広い分野で活用できる資格はもちろんのこと、自分がやりたいこと・支援したい対象者・働きたい場所に特化した資格の取得をめざすのも良いでしょう。

臨床心理士

臨床心理士は、公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会によって認定が行われている民間資格です。
臨床心理学に基づく知識・技術を活用し、臨床心理査定や臨床心理面接などを実施しながら、相談者が抱える心の問題にアプローチできるスキルを証明します。
臨床心理士試験の受験資格を得るには、大学院で臨床心理学を専攻して修士号を取得、もしくは指定大学院を修了し要件を満たさなければなりません。

臨床心理士が活躍できる分野は幅広く、医療機関や学校の相談室、老人福祉施設など、さまざまな場所で資格を活かして働けます。

認定心理士

認定心理士とは、カウンセリング業に従事する心理学の専門家として、基礎的な知識とスキルを身につけていることを認定する資格です。
公益社団法人日本心理学会が設置する認定委員会によって、およそ2ヵ月おきに審査・認定が行われます。

認定心理士の試験を受験するには、4年制大学もしくは大学院を修了し、なおかつ心理学に関係する単位を所定数取得していることが条件です。
基礎科目は12単位以上、選択科目は16単位以上(5領域中3領域以上)、合計36単位以上が必要になります。

産業カウンセラー

産業カウンセラーは、一般社団法人日本産業カウンセラー協会が認定を行う民間資格です。
一般企業で働く従業員のカウンセリングやメンタルヘルス対策、キャリア形成のサポート、人間関係・職場環境改善に向けた働きかけが主な役割に挙げられます。

産業カウンセラーになるには、同協会が行う講座を修了し、学科試験と実技試験に合格するルートが一般的です。
また、大学院研究科にて心理学や関連した諸科学を専攻し、なおかつ必要な単位を取得し修了した方も、受験要件を満たすと見なされます。

資格を取得し、同協会に入会しなければ産業カウンセラーを名乗ることは認められないため、企業・産業分野における専門性をアピールできるでしょう。

メンタル心理カウンセラー

メンタル心理カウンセラーは、一般財団法人日本能力開発推進協会が認定する資格です。
医療・福祉分野、教育分野、産業分野など、さまざまな分野に活かせるカウンセリング能力と心理学の知識を備えていることを証明できます。

メンタル心理カウンセラー試験の受験要件は、認定機関が実施する講座の受講・修了です。
学歴は問われず、大学や専門学校に通う必要はありません。

約2ヵ月の講座を通して、社会心理学や発達心理学などの基礎と、実践的なカウンセリングテクニックを身につけられるため、短期間で資格を取得したい方にもおすすめです。

学校心理士

学校心理士は、学校などの教育現場で心理的な支援を実践する専門家であり、一般社団法人学校心理士認定運営機構によって認定が行われる民間資格です。
支援対象は児童・生徒に限られず、その保護者や教師、学校関係者などに対しても学校心理学に基づくアプローチを行い、心理教育的援助サービスに貢献します。

学校心理士の申請類型は10類型に分かれており、申請する類型によって受験すべき試験の種類は異なるため注意しましょう。
例えば、大学院で学校心理学の指定科目を修得し修了した方は、1年以上の実務経験を積んだうえで、試験Ⅰ(論述式)を受験する形になります。

キャリアカウンセラー

キャリアカウンセラーは、相談者とのカウンセリングを通して、一人ひとりにとって望ましい職業生活の設計・開発のためのサポートをする、キャリア形成の専門家です。
特定非営利活動法人日本キャリア開発協会が認定する資格であり、養成講座を受講・修了し、試験に合格することでキャリアカウンセラー資格を取得できます。

キャリアカウンセラーは、人材派遣会社をはじめとした就業支援機関や一般企業のほか、就活生の集まる合同説明会、大学内のキャリアセンターなどで活躍が可能です。
自分の将来に不安を抱える社会人だけでなく、進路や就職活動に悩む学生などにも支援を提供できます。

NLPプラクティショナー

NLPプラクティショナーは、日本NLP協会が育成したトレーナーやその所属団体によって認定が行われている民間資格です。
NLPとは「神経言語プログラミング(Neuro Linguistic Programming)」の略で、人の思考や行動のパターンを探り、より良いコミュニケーションを取るための技法のことです。

NLPプラクティショナーの認定団体はいくつかありますが、日本NLP協会の公認団体であるNLP-JAPANラーニング・センターであれば認定コースや各種セミナーを受講できます。

ケアストレスカウンセラー

ケアストレスカウンセラーは、一般財団法人職業技能振興会が認定する民間資格です。
メンタルヘルスの基礎知識とカウンセリング業務の実践スキルを身につけ、精神疾患の疑いのある方への相談・支援や精神疾患予防の啓発などを行います。

ケアストレスカウンセラーになるには、同協会が実施するWeb試験への合格が必要です。
出題範囲は主に「ケアストレスカウンセラー公式テキスト」の内容となるため、教材を活用して学習を進めつつ、必要に応じて通信講座なども利用すると良いでしょう。

メンタルヘルス・マネジメント検定

メンタルヘルス・マネジメント検定試験は、大阪商工会議所と施行商工会議所が主催する検定試験です。
主に企業で働く方を対象としており、職場での役割に応じたメンタルヘルスケアに関する知識と対処方法を学べるのが特徴です
職位・職種別に「マスターコース」「ラインケアコース」「セルフケアコース」の3つのコースに分けられ、それぞれ試験の出題内容や到達目標に違いがあります。

本検定試験は受験資格を設けておらず、社会人ではなくとも受験可能です。
一般社員の方はもちろんのこと、人事労務管理担当者や管理職、経営幹部など、労働者のストレス管理を考えるさまざまな方が受験可能です。

こころ検定

こころ検定は、文部科学省の後援を受け、一般財団法人日本こころ財団が認定を行っている検定試験です。
4級・3級・2級・1級の4つのレベルがあり、4~3級は心理学の基礎、2~1級では基礎知識を活かしたコミュニケーション技法やカウンセリングの実践能力が問われます。

4~2級はどなたでも受験できますが、上級レベルにあたる1級の場合、先にこころ検定2級(メンタルケア心理士(R))に合格していなければなりません。
各級で学習範囲が異なるため、心理学を学んだことがない方は、初級から順にステップアップしながら学びを深めていくのも良いでしょう。

SNSカウンセラー

SNSカウンセラーとは、一般財団法人全国SNSカウンセリング協議会が認定を行う民間資格です。
SNSカウンセラーの資格認定を受けるには、心理カウンセラー資格もしくはそれに隣接する国家資格を保持し、養成講座を受講する必要があります。
すでに公認心理師や認定心理カウンセラー、臨床心理士などの心理カウンセラー資格を持っている方は、比較的スムーズに取得がめざせるでしょう。

SNSカウンセラーの仕事は、SNSを通じてカウンセリングを行い、相談者の心理状態や置かれている状況を理解したうえで、適切な心理的ケアと助言を提供することです。
若者にとって身近なコミュニケーションツールであるSNSを用い、カウンセリング体制を整えることで、対面や電話での相談に抵抗がある方にも支援を提供しやすくなります。

心理カウンセラーの資格の種類を知って参考にしよう

心理カウンセラーの資格取得を考えたとき、国家資格である公認心理師を筆頭に、さまざまな種類の民間資格も選択肢になります。
公認心理師は、心理系では唯一の国家資格であり、社会的信用を示せることから幅広い分野で活用できるでしょう。
民間資格として紹介した臨床心理士や認定心理士、産業カウンセラー、メンタル心理カウンセラーなども、心理カウンセラーに必須の知識・技術を身につけるのに有効です。

国家資格と民間資格のどちらが良い・悪いといった答えはなく、資格ごとに学べる内容や活用できる場面などに違いがあります。
自分の目的に合った資格を取得し、心理カウンセラーの仕事に活かしてみてください。

執筆者について

情報かる・けるは、医療・介護従事者として働いている方や、これから目指す方の「知りたい」に応えるメディア。 全国80,000件以上の求人を扱う弊社スタッフが、編集部として情報発信! “いい仕事が見つかる・いい仕事を見つける”ための、有益なコンテンツをお届けします。 https://x.com/karu_keru

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