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理学療法士の整形外科での仕事内容とは?役割や働くメリットも紹介

理学療法士が整形外科で働く場合、クリニックか病院かで仕事内容、働くメリットなどが異なります。
それぞれの違いを把握して、自分に合った職場を探すことが大切です。

本記事では整形外科のクリニックと病院を比較しながら、理学療法士の役割や仕事内容、働くメリット・デメリットを紹介します。
整形外科に興味のある方は、ぜひ参考にしてみましょう。

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理学療法士の整形外科における役割・仕事内容

理学療法士の整形外科における役割・仕事内容

理学療法士が整形外科で働く場合、外来中心のクリニックと入院中心の病院の2種類の職場があります。
どちらで働くかで理学療法士の役割や仕事内容に違いがあるため、それぞれの職場の特徴を紹介します。

整形外科クリニックでの仕事の特徴

整形外科クリニックに来院する患者さんの特徴や、理学療法士が担当する患者さんの数、多職種連携の頻度を紹介します。
整形外科クリニックで、理学療法士がどのような仕事をするのかを理解しましょう。

主に外来患者さんが対象になる

整形外科クリニックまたは診療所とは、無床もしくは病床19床以下の施設を指します。
入院病床があったとしても少ないため、リハビリを提供するのは主に外来患者さんに対してです。

通院できる患者さんなので、日常生活はある程度自立しており、肩や膝、腰などの運動器に痛みや動きにくさがある方が中心となります。
患者さんは小児から高齢者まで幅広く、スポーツ選手や部活動生の治療に注力しているクリニックもあります。

1日に多くの患者さんを担当する

外来患者さんが来院する整形外科クリニックでは、診療の回転が早く、理学療法士も1日に多くの患者さんを担当します。
一人あたり3単位(60分)の治療が多い回復期の病院に対し、クリニックではより多くの患者さんに対応するために1単位(20分)での治療が基本です。

例えば、同じ18単位を算定するとしても、回復期では6人の患者さんに対応すれば良いですが、クリニックでは18人の患者さんの対応をしなければなりません。
限られた時間で多くの患者さんに対応するため、効率よく業務を実施し、スピード感のある仕事をする必要があります。

多職種との連携は少ない

整形外科クリニックで入院病床がなければ、入院中に必要な食事や日常生活の支援がないため、管理栄養士や介護福祉士などのスタッフは配置されていません。
また、患者さんの状態確認や入退院の判断をするためのカンファレンスも実施されません。

そのため、理学療法士が関わる職種は、病院に比べて少ないです。
多職種で連携する機会が少なく、リハビリの指示を出す医師との連携が主になります。

整形外科病院での仕事の特徴

整形外科病院に入院する患者さんの傾向、理学療法士が担当する患者さんの数、多職種連携の頻度を紹介します。
前述の整形外科クリニックでの仕事と比較して、違いを理解しましょう。

主に入院患者さんが対象になる

病院は、病床が20床以上ある施設です。
整形外科病院で働く理学療法士は、入院患者さんの治療が主になります。

手術をしている病院で働く場合は、術後の急性期におけるリハビリも担当するため、整形外科クリニック以上にリスク管理についての知識を必要とする場面が多くなります。。
なかでもリハビリテーション専門の整形外科病院では、重度の障害を負った方を対象とした治療も行われるのが特徴です。

外来に比べ患者さんとの関わりが長い

外来では1単位の関わりが基本で、より多くの患者さんの治療をします。
一方、入院では患者さん一人あたり2〜3単位、時間にすると40〜60分の治療を行うため、患者さんとの関わりが長くなります。
急性期病院を含む一般病床と回復期病床を比較すると、一般病床では患者さん一人あたりに関わる時間はやや短いですが、回復期病床では3単位以上を算定することもあります。。

多職種との連携が多い

病院では、クリニックに比べて他職種と関わる機会が多いです。
例えば、カンファレンスでは患者さんの状態や入退院について、多職種で情報共有や検討をします。

また、理学療法士は日常生活動作の改善を目的とするため、病棟内での生活に反映してもらうために、リハビリの進行具合を他職種に随時伝える必要があります。
医師、看護師以外にも相談員や管理栄養士、介護福祉士など患者さんに携わる職種が多く働いており、さまざまな職種との連携が求められるのも整形外科病院の特徴です。

理学療法士が整形外科で働くときに求められるスキル

理学療法士が整形外科で働く場合に、求められるスキルには次のようなものがあります。

    運動器の治療に特化した技術
  • 短時間で結果を出す能力
  • 高いコミュニケーションスキル

それぞれのスキルがなぜ必要になるのか解説します。

運動器の治療に特化した技術

整形外科の主な治療対象は、肩や腰、膝などの運動器です。
理学療法士としても運動器の痛みや機能不全に対する、専門的な技術が必要になります。
具体的には、痛みや機能制限を生じている病態を理解するための解剖学や生理学、運動学の知識、痛みの治療に必要な徒手療法、運動療法といった技術が必要です。

短時間で結果を出す能力

整形外科クリニックの場合は、短い時間で対応する必要があるため、効率的に評価・治療を実施しなければなりません。
また痛みの軽減を目的に来院される患者さんが多く、短時間の関わりで痛みや動作を改善させる技術が求められます。
前述の知識や技術を磨きあげ、多種多様な患者さんの訴えに対して、短時間で結果を出せる技術が求められる職場です。

高いコミュニケーションスキル

脳卒中や心臓病など、中高年に比較的多い病気のリハビリと違い、整形外科では小児から高齢者まで幅広い層の患者さんを対象にリハビリを行います。
そのため、どの世代に対しても、柔軟に対応できるコミュニケーションスキルが必要です。
痛みに苦しむ患者さんの治療には信頼関係の構築が大切であり、傾聴する姿勢や丁寧な対応力も大切なスキルになります。

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理学療法士が整形外科で働くメリット・デメリット

理学療法士が整形外科で働くメリット・デメリット

整形外科分野で働く場合、運動器に関する知識や技術を習得できたり、スポーツ分野に関われるなどのメリットがあります。
しかし、メリットだけではなく、整形外科分野ならではのデメリットもあります。
メリット・デメリットの両方を知って、転職の参考にしましょう。

理学療法士が整形外科で働くメリット

整形外科で働くメリットは、主に以下の3つです。

  • 運動器のスペシャリストになれる
  • スポーツ分野に携われる
  • クリニックの場合は休みを取りやすい

それぞれ具体的に説明します。

運動器のスペシャリストになれる

整形外科分野では、運動器疾患の患者さんを中心に治療を行います。
そのため、痛みや動作に対する徒手療法や物理療法など、運動器の治療に関するスペシャリストになるための経験が積めます。

治療で結果を出すためには運動学や解剖学の深い知識が必要になり、努力次第ではスペシャリストといえるレベルの知識や技術を身につけることができるでしょう。
また、病院では整形外科疾患の術前・術後の経過を、間近で継続的に見られるメリットもあります。

スポーツ分野に携われる

クリニックや病院によっては、スポーツ選手の治療を積極的に行っている場合もあります。
部活動をしていて怪我をした学生を治療したり、チームに帯同するトレーナーとして活動したりする場合もあります。
スポーツによる怪我は整形外科の治療対象であり、整形外科分野で経験を積むことで、スポーツ分野の知識や技術を高めることが可能です。

クリニックの場合は休みを取りやすい

クリニックの場合は、日曜日や祝日など暦どおりの休日が休診日とされている場合が多いです。
理学療法士もクリニックの診察日に合わせて就業するため、暦どおりに休みやすく、友人やご家族と休みを合わせやすいでしょう。
ただし、整形外科病院の場合は、土日や祝日も勤務が必要な施設もあるため、就職前に確認しておきましょう。

理学療法士が整形外科で働くデメリット

理学療法士が整形外科で働く場合に考えられる、3つのデメリットを紹介します。

  • 中枢疾患や呼吸器疾患といった分野に関われない
  • クリニックでは患者さんにじっくり関われない
  • 帰宅が遅くなりやすい

前述のメリットと合わせて確認しながら、整形外科が自分の希望に沿った職場かどうかを確認しましょう。

中枢疾患や呼吸器疾患などの分野に関われない

整形外科に特化している施設では、中枢疾患や呼吸器疾患などの整形外科以外の分野での治療経験が少なくなってしまいます。
特に整形外科クリニックでは、入院施設を持つ病院と比べても、アプローチの中心が運動器の痛みの改善となり、経験できるのも整形外科分野に特化した治療に限られるでしょう。

対して、病院で働く場合で整形外科以外の診療科がある場合は、整形外科以外の疾患も治療経験を積めます。
少しでも幅広い経験を積みたい場合は、病院を選択するほうが良いでしょう。

クリニックでは患者さんにじっくり関われない

整形外科クリニックで働く場合は、1単位での治療が基本となり、患者さんにじっくり関わることができません。
一人の患者さんに時間をかけて関わりたい方には、整形外科クリニックで働くのはデメリットといえるでしょう。

対して、病院で働く場合は単位を多く取れたり、退院に向けて環境を調整したりできるため、一人の患者さんにじっくり関わりたい方にはおすすめです。

帰宅が遅くなりやすい

整形外科クリニックでは、仕事帰りや学生の患者さんに合わせて昼休憩を長く取り、終業時間を遅くしている場合があります。
業務終了後に勉強会などもあるため、帰宅が遅くなりやすいです。

上記はあくまで整形外科クリニック全般の傾向であり、施設によって勉強会などの有無や終業時間はさまざまです。
就職を検討する職場の状況を、事前に確認しておきましょう。

理学療法士が整形外科で働く場合はクリニックと病院の違いも理解しよう

整形外科で理学療法士が働く場合、クリニックはより多くの患者さんに短時間で関わり、運動器の分野に特化した働き方になります。
一方、病院では多職種で連携しながら、比較的長く患者さんに関わり、他の診療科の経験を積むことも可能です。

クリニックと病院の違いを理解すれば、自分のニーズにマッチした職場を探す手がかりになります。
運動器のスペシャリストとして活躍したい方は本記事を参考に、整形外科で理学療法士として経験を積むことを検討してみてはいかがでしょうか。

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