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栄養士は高卒でもなれる?栄養士のめざし方や注意点を解説

この記事の監修者
端場愛
​​【資格】​
管理栄養士、薬機法管理者(YMAA認証)​

【プロフィール】​
​​学生寮や整形外科・内科を併設する老健で栄養管理業務に従事した後、フリーランスのライター兼管理栄養士として活動を開始。これまでの経験をもとに、毎日をいきいきと過ごすための食にまつわる情報を発信する。​

栄養士は、食に関する専門性を活かして人々の健康を支える重要な役割を担っており、国家資格が必須となります。
栄養士の資格に有効期限はなく、取得後は生涯にわたって働き続けられますが、そのためには所定の養成課程を修了していなければなりません。

特に、高卒から栄養士をめざす場合、資格取得までにいくつかのステップを踏む必要があります。
栄養士になるまでの流れや注意点を理解したうえで、計画的に準備を進めましょう。

本記事では、高卒から栄養士をめざす方法と注意したいポイントを解説します。

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栄養士は高卒でもなれるのか?

栄養士は高卒でもなれるのか?

高卒の方でも栄養士をめざすことは可能ですが、栄養士資格を取得するためには、いくつかの要件を満たす必要があります。
具体的には、高校卒業後に栄養士養成課程や管理栄養士養成課程を備えた大学、短期大学、または専門学校へ進学し、所定の単位を取得したうえで卒業しなければなりません。
これは、栄養士に求められる知識・技術を習得するうえで欠かせないプロセスです。

栄養士の養成課程には実習を含むカリキュラムが組まれているため、通信制や夜間コースで学ぶことはできず、日中の通学が基本となります。
よって、卒業まで日中の学習時間を確保し続ける必要がありますが、社会人として働きながら栄養士をめざす選択肢がないわけではありません。
平日は学校に通い土日のみ働く、日中の授業を受けたあとで夕方から仕事をするなど、工夫次第で学業との両立も可能です。

ただし、場合によっては生活スタイルを大きく変えなければならず、体力面での負担を感じやすくなることも十分理解しておきましょう。

高卒から栄養士になるためのルート

高卒の方も、栄養士養成施設で必要な知識・技術を学ぶことで、栄養士の資格取得をめざせます。

高卒から最短ルートで資格取得を実現するためにも、栄養士をめざす基本的な方法を確認しておきましょう。

高卒認定を受ける

栄養士の資格は、高卒認定を受けていることが前提条件となります。
何らかの理由で高校を卒業していない社会人の方は、まず高卒認定試験の合格をめざしましょう。
高卒認定試験は独学でも挑戦できますが、しっかりと試験対策を講じたい場合、通信制の高校や専門の学習塾などに通うのも一つの選択肢です。

専門学校や大学に入学

高卒認定を得た次のステップは、栄養士の養成課程を備えている大学や短期大学、専門学校への入学です。
上記でも触れたとおり、栄養士になるには、厚生労働大臣の認定を受けた栄養士養成施設で幅広い知識・技術を学ぶ必要があります。

栄養指導論や臨床栄養学、給食管理、調理学実習、食品加工学などを含む専門的なカリキュラムが組まれており、なかでも実習を重要視する養成施設は少なくありません。
栄養士は、人々の健康と生活に大きく関わる仕事です。
実践的なスキルを身につけるため、カリキュラムを修了し卒業できるまでには、最短でも2年かかります。

短くない期間通うことをふまえて、進学先の養成施設は慎重に選定しましょう。

大学・短大・専門学校に通う

高卒の方が栄養士をめざす場合、まず求められるのは、厚生労働大臣に認められた栄養士養成施設(管理栄養士養成施設)で必要な知識・技術を身につけることです。
最短で栄養士をめざすのであれば、2年制の短期大学や専門学校なども選択肢になります。
4年制大学に通い、管理栄養士をめざしつつ、栄養士の資格を取得するのも一つの手段です。

いずれの養成施設も、栄養士の資格取得に向けた適切なカリキュラムが組まれており、栄養学の基礎から応用までを幅広く習得できるのが特徴です。
学部・学科や授業の特色、学費などは施設ごとに違いがあるため、自分の希望と生活スタイル、キャリアプランに合った進学先を選びましょう。

実務経験は不要

栄養士になるには、養成施設の卒業・修了が原則求められるものの、実務経験については資格の取得要件になっていません。
栄養士に必要な知識や技術は、主に養成課程を通じて習得します。
よって、所定のカリキュラムを修了すれば、卒業後すぐに栄養士の資格を取得し、働き始めることが可能です。

ただし、栄養士から管理栄養士をめざす場合、実務経験の要否は変わってきます。
栄養士の養成施設で学んだ方が、管理栄養士の国家資格に挑戦するには、一定の実務経験を積んでいなければなりません。
管理栄養士は、栄養士のスキルアップ・キャリアアップに位置付けられた資格といえるでしょう。

国家試験を受験する必要はない

栄養士の資格を取得するうえで、国家試験の受験は必要ありません。
栄養士養成施設を卒業すると同時に、栄養士の国家資格を取得できるためです。
国家試験の合格が必須となる管理栄養士とは異なり、栄養士は卒業後すぐに資格を活かして働き始められます。

国家試験に向けた勉強時間や追加費用の確保が不要なぶん、スムーズにキャリアをスタートできるのは、栄養士資格の大きなメリットです。
ただし、栄養士の仕事が容易なわけではありません。
専門性の求められる国家資格である点に変わりはなく、養成施設での学びを通して知識・技術を磨くことが、卒業後の活躍に直結します。

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高卒の人が栄養士をめざすときの注意点

高卒から栄養士をめざす場合、すでに社会人で働いている方は特に、仕事と学業の両立が可能かどうかを慎重に検討しましょう。
また、養成施設に入学にあたってはある程度のコストも必要です。

ここからは、高卒の方が栄養士の道を進む際の注意点を2つ紹介します。

働きながら栄養士をめざすのは覚悟が必要

すでに働いている社会人が栄養士をめざす場合、仕事と学業の両立にはハードな面もあることを理解しておきましょう。
高校を卒業していない方は、まず高卒認定試験に向けた準備が必要になり、栄養士養成施設の卒業までにともなう時間的・金銭的な負担は避けられません。

一般的には、日中に学校へ通い、授業のない夕方以降や土日などに仕事をする形になりますが、人によっては現在の生活スタイルを大きく変えることになるでしょう。
また、フルタイムでの働き方ができなくなった結果、収入が減少し、学費や生活費の工面に苦労する可能性もあります。

これらのハードルを念頭に置いたうえで、栄養士の資格取得を実現させるには、自分自身の状況をふまえた計画性と強い覚悟が不可欠です。
いざ困難に直面したとき、ご家族や友人、職場からサポートを受けられるよう、あらかじめ周囲の理解と協力を仰いでおくと良いでしょう。

学費の準備をしておく

栄養士をめざすにあたっては、養成施設で学ぶための学費を確保しなければなりません。
大学や短期大学、専門学校のいずれを選ぶ場合でも、安くない学費が発生します。
栄養士になるために必要な費用を洗い出し、計画的に準備を進めておくことで、スムーズに学業へ取り組めるようにしましょう。

養成施設ごとで学費や関連費用には差があるため、各施設のホームページなどで情報をリサーチしてみてください。
入学費や授業料はもちろんのこと、教材費、実習費、通学費なども考慮する必要があります。

下表は、栄養士養成施設の学費目安です。

学校種別 修業年限 平均学費(1年間) 総費用(概算)
4年制大学 4年 100万~150万円 400万~600万円
短期大学 2~3年 90万~120万円 190万~285万円
専門学校 2~4年 80万~110万円 240万~300万円

上記はあくまでも目安であり、実際の費用は養成施設ごとに異なるため注意しましょう。
なお、学費の工面が難しい場合、学生ローンや奨学金制度を活用するのも一つの選択肢です。
ローン制度や奨学金制度にはいくつかの種類があり、適用条件を満たせるものがあれば、学費の負担を抑えながら栄養士をめざせます。

高卒から栄養士資格取得をめざそう

栄養士は、高卒の方でも取得をめざせる国家資格です。
高卒認定を受けたのち、大学や専門学校などの養成施設で専門性を身につけることで、卒業とともに栄養士として活躍できるようになります。
管理栄養士とは異なり、栄養士の資格取得時には、国家試験の受験や実務経験が求められません。

ただし、養成施設は日中の通学が基本となり、卒業まで2~4年の学習期間がかかるだけでなく、金銭的な負担もともないます。
仕事や私生活と学業をどのように両立するか、学費を含む費用を確保できるのか、あらかじめ入念な計画を立てておくことが肝心です。

栄養士になるまでのプロセスには苦労もありますが、生涯役立つ知識・技術を身につけながら、自己成長を図れます。
養成施設で得た学びと自信は、栄養士のキャリアに大きく貢献するでしょう。

高卒から栄養士になるまでのステップを一つひとつ着実に乗り越え、人々の健康を支える食事・栄養のプロフェッショナルをめざしてみてください。

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