主婦でも栄養士の資格を取得することは可能です。
栄養士は給食センターや食品メーカー、介護福祉施設など、さまざまな職場で活躍でき、育児や子育てで一回現場を離れた人でも再就職をしやすい職種です。
この記事では、主婦が栄養士の資格を取得する方法やメリットを詳しくご紹介します。
以下の記事では、栄養士とはどのような資格なのかについて詳しくご紹介していますので、この記事とあわせてご参照ください。
目次
主婦が栄養士の資格を取得するメリットとは
主婦が栄養士の資格を取得するメリットとしては、主に以下の3つがあげられます。
- 就職先を見つけやすい
- 収入面が安定しやすい
- 子育て中でも資格取得をめざせる
就職先を見つけやすい
一つ目のメリットは、就職先を見つけやすいことです。
栄養士は、給食センターや食品メーカー、介護福祉施設など、活躍の場が多岐にわたります。
そのため、育児が落ち着いてから再就職をめざす方や、転職を検討する方にとって、自分にあった職場を探しやすいでしょう。
収入面が安定しやすい
栄養士は名称独占資格であり、資格を持っていない人は栄養士を名乗ることができません。
誰でもすぐに就ける仕事ではないため、収入面では安定性が期待できます。
また、正社員での求人も多く見つかるでしょう。
子育て中でも資格取得をめざせる
三つ目のメリットは、子育て中でも資格取得をめざしやすいことです。
栄養士の資格を取得するための学校は、夜間や通信教育がなく昼間に開校しているため、保育園に子どもを預けて学校に通うことができます。
また、資格試験などがなく、栄養士の学校を卒業すれば資格の取得ができることも、家事や育児が忙しい主婦にとってはメリットではないでしょうか。
以下の記事では、栄養士の通信教育について詳しく説明していますので、この記事とあわせてご参照ください。
主婦が栄養士の資格を取得する方法
栄養士の資格を取得するためには養成校で学ぶ必要があります。
養成校には短大、専門学校、大学の3種類があり、在学期間は2~4年です。
なお、夜間学校や通信教育はなく、昼間に通学する必要があります。
各養成校の詳しい内容は以下で見ていきましょう。
短大
栄養士の資格を取得できる短大は、2年制と3年制があります。
主婦が短大で栄養士の資格を取得するメリットは以下のとおりです。
【メリット】
- 栄養士の知識のみならず一般教養も学ぶことができる
- 大学や専門学校に比べて学費を押さえることができる
- 最短2年で栄養士の資格取得がめざせる
- 栄養士の資格を持ちつつ一般職に就職することも可能
【デメリット】
- 大学にくらべ就職先の選択肢が減る可能性がある
- 管理栄養士の資格を同時に取得することはできず、管理栄養士をめざす場合は実務経験が必要になる
短大は、学費を抑えて早く栄養士の資格を取りたい方におすすめです。
専門学校
栄養士の専門学校は2年制、3年制、4年制の3パターンです。
4年制の学校では、管理栄養士の資格取得もめざせる場合があります。
主婦が専門学校で栄養士の資格取得をめざすメリットとデメリットは以下のとおりです。
【メリット】
- 短大よりも実践的な知識を学ぶことができる
- 最短2年で栄養士の資格を取得できる
- 4年制は管理栄養士もめざせるコースになっている場合がある
【デメリット】
- 一般教養や語学を学ぶ授業が少ない
- 2年制と3年制の場合は4年制の学校と比較すると就職先の選択肢が減る
- 栄養士のみのコースの場合、管理栄養士をめざすには実務経験が必要となる
専門学校は、短大よりも実践的なスキルや知識を身につけたい方におすすめです。
以下の記事では、栄養士と管理栄養士の違いについて解説していますので、この記事とあわせてご参照ください。
大学
4年制大学は、栄養士と管理栄養士、どちらの資格も取得できる学校が多い点が特徴です。主婦が大学で栄養士の資格取得をめざすメリット・デメリットは以下のようになります。
【メリット】
- 栄養士になるための専門的な知識やスキルのほかに一般教養や語学も学べる
- 卒業と同時に管理栄養士の国家試験受験資格が与えられる
- 食品メーカーなどでの研究や行政栄養士の職につける可能性もあり、就職先の選択肢が幅広い
【デメリット】
- 短大や専門学校と比較すると学費が高額になる
- 4年間通わなければならない
- 学校の選択肢が専門学校などに比べて少ない
大学は、専門的な知識や一般教養を身につけたい方、管理栄養士もめざしたい方におすすめです。
主婦が栄養士の資格を取るためにするべきこと
主婦が栄養士の資格取得をめざすにあたっては、学校に通うための費用を準備しなければなりません。
また、夜間過程や通信課程がなく、昼間に通学する必要があるため、子どもがいる場合は保育園などに預ける必要があるでしょう。
学費を準備する
まず、栄養士の学校に通うためには学費を準備する必要があります。
以下の表は、私立の大学・短期大学・高等専門学校入学年にかかる平均的な学費を記載しています。
授業料 | 入学料 | 施設設備費 | 合計(入学年) | |
私立大学 | 930,943 | 245,951 | 180,186 | 1,357,080 |
私立短期大学 | 723,368 | 237,615 | 166,603 | 1,127,586 |
私立高等専門学校 | 627,065 | 246,753 | 10,195 | 979,013 |
出典元:私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について
上記は入学時の1年間に必要な学費であり、2年目3年目以降も入学金以外の費用は必要となります。
また、上記のほかにも受験料、教科書代、交通費などが必要です。
子どもの預け先を確保する・家事を分担する
栄養士の資格を取得するための学校は、いずれも昼間の通学が必要になるため、小さな子どもがいる場合は保育園や親族のもとに預ける必要があります。
また、家にいない時間が増えることを踏まえて、家事の分担についてもパートナーと話し合っておくと良いでしょう。
主婦が栄養士の資格取得後に働ける職場
主婦が栄養士の資格を取得したのちに活躍できる職場には、以下のようなものがあります。
- 給食センター:栄養バランスのとれた献立の作成を行う
- 病院:病状に応じた療養食をつくる
- 介護福祉施設:流動食やきざみ食など入居者の状態にあわせた食事を作る
- 保育園や学校:子どもたちの健康と成長のためにバランスの良い献立を考える
- 食品関連企業:新商品の開発や研究を行う
- スポーツ選手のサポート:栄養バランスを考えたメニューで身体作りをサポートする
- 社員食堂:職場で働く社員のために栄養が取れるメニューを考える
- レストラン・飲食店:献立の作成やメニューの開発を行う
栄養士の職場は多岐にわたり、雇用形態も正社員やパート・アルバイト、派遣社員など、選択肢があります。
ワークライフバランスの実現もめざしやすいでしょう。
主婦が取得しやすい栄養士以外の食関連の資格
栄養士の仕事に興味があるものの、昼間に通学することが難しい主婦の方も多いでしょう。
次の資格は、栄養士と同じく食事に関係する資格でありながら、より低いハードルで取得することができます。
- フードコーディネーター:食の開発や演出、運営について幅広い知識を学べる
- 食育アドバイザー:食育の基礎知識を学べる
- 食生活アドバイザー:健康な生活を送るための食生活全般のアドバイスができる
- 幼児食インストラクター:幼児食の栄養バランスや食物アレルギーなどについて学べる
- 介護食アドバイザー:高齢者に食事を作るときのポイントなどを学べる
- 野菜ソムリエ:野菜や果物の目利きや調理ポイントなどを学べる
- 薬膳コーディネーター:中国伝統医薬学の考えをもとに、薬膳の知識をつけて健康的な食事を学べる
- スポーツフードスペシャリスト:運動部に所属する子供や、スポーツ選手に食事の指導ができる
栄養士になるには主婦でも昼間の養成校に通う必要がある
主婦が栄養士になるには、短大や専門学校、大学など所定の学校で学ぶ必要があります。
夜間過程や通信課程はなく、昼間に通学する必要がありますが、子どもを保育園に預けるなどして時間を捻出すれば、主婦であっても取得をめざせます。
また、食事に関連した資格は栄養士以外にも数多くあるため、昼間の通学が難しい場合は、そちらも併せて検討してみると良いでしょう。
以下の記事では、社会人が栄養士の資格を取得する方法などを記載していますので、この記事とあわせてご参照ください。
以下の記事では栄養士の資格を独学で取得できるのかについて記載していますので、この記事とあわせてご参照ください。