栄養士は栄養に関する指導やアドバイス、食事の管理などを行う仕事です。
将来、栄養士になるには、高校の選択科目で何を選べば良いか悩んでいる人もいるでしょう。
また、すでに高校で文系科目を選択していて、栄養士になれるのか不安な人もいるかもしれません。
この記事では、文系の人が栄養士になる方法を説明します。
文系選択の人が栄養士をめざすポイントや大学の選び方なども解説するので、すでに文系選択をした人はぜひ参考にしてみてください。
目次
文系でも栄養士になれる
栄養士になるには、高校卒業後に大学や短大、専門学校で栄養学を勉強します。
栄養学は化学や生物学の知識を基礎とする学問分野なので、栄養士は理系の資格といえます。
どのようなことを学ぶかというと、たんぱく質やビタミン、食品の水分量や分子構造、衛生管理などです。
どれも化学や生物に深く関係した内容になっています。
もし、高校の選択授業をこれから決めるのならば、化学や生物の理系科目を選択すると良いでしょう。
進学前にあらかじめ勉強しておくと、受験だけではなく進学してからの勉強にも役立ちます。
しかし、高校で文系を選んでも栄養士にはなれるので安心してください。
高校卒業後に専門の学校に進学すれば、文系出身でも理系科目を学び直せるからです。
高校で文系の授業を選択した場合は、卒業後の進学先として理解科目を基礎から学べる学校を選択すると良いでしょう。
文系で管理栄養士になれるかどうかを知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
文系が栄養士をめざす際に意識したいポイント
高校で文系を選択した人が栄養士をめざすには、高校生のうちに以下のポイントを押さえておきましょう。
- 受験に備えて生物と化学はできるだけ履修しておく
- 理系科目の勉強量は将来の働き方によって決める
- コミュニケーション力やカウンセリング力をつける
では、さっそく見ていきます。
受験に備えて生物と化学はできるだけ履修しておく
高校で文系を選んでも栄養士の学校に進学できますが、なかには受験科目に生物と化学を設定している学校もあります。
そのような学校を受験するためには、高校の先生にお願いして補習をしてもらったり、塾に通ったりして勉強しなければなりません。
理系選択をしていれば学校の授業で学べたのに、別途追加で勉強するのは大変でしょう。
また、生物と化学の入学試験が不要な学校を選べば問題ないとはいえ、進学先の選択肢が狭くなってしまいます。
国公立大学の入学試験では理系科目が必要となることも多いので注意しましょう。
以下、化学と生物を選択するメリットを紹介します。
化学を選択するメリット
受験以外でも化学を選択するメリットは、生化学に関する知識が身につくことです。
生化学とは、「生命の生命現象を化学的な方法により研究する学問」のこと。
体内の栄養素の代謝に深く関わるため、この知識があると進学先の授業にもついていきやすくなるでしょう。
また、化学を選択していると実験を理解しやすくなるので、進学先での実技にも役立ちます。
生物を選択するメリット
生物を選択するメリットは、生物の細胞に関する知識が身につくことです。
大学では細胞の働きを学びますが、高校で習っていれば復習感覚で学べます。
人間の記憶は繰り返し学ぶことで長期記憶になるので、高校と大学で2回学ぶとしっかり脳に定着するでしょう。
理系科目の勉強量は将来の働き方によって決める
栄養士にはさまざまな働き方があるため、まず栄養士として何をしたいかを具体的に思い描きましょう。
それによって、理系科目をどの程度勉強するかが決まります。
病院などで栄養素に関する研究や分析の仕事をしたい場合は、理系の勉強を深くしたほうが良いでしょう。
ただし、なかには文系の勉強で十分な職種もあります。
たとえば、栄養教諭になるには管理栄養士または栄養士の資格とともに、栄養教諭免許が必要なので、文系の勉強も必要になります。
また、スポーツの現場で栄養指導を行ったり、栄養コンサルタントとして相談を受けたりする場合は、そこまで理系科目の勉強に重きを置かなくても良いでしょう。
コミュニケーション力やカウンセリング力をつける
栄養士になるには理系の知識だけではなく、実際に働いたときに使えるスキルを磨いておくことも重要です。
たとえば、コミュニケーション力やカウンセリング力をつけることです。
栄養士の仕事は一人きりで黙々と行うものではありません。
栄養士の職場は病院や福祉施設、学校、企業など多岐にわたるため、仕事では多くの人と関わる可能性があります。
栄養指導対象者の食事メニュー作成も、関係者とのコミュニケーションなしではできません。
将来のことを考えて、できるだけコミュニケーション力とカウセリング力を培っておくと良いでしょう。
文系から栄養士になるための大学の選び方
栄養士になるには学校で専門的な知識を学び、栄養士の資格を取得する必要があります。
高校で文系だった人は、理系の勉強や資格取得までしっかりサポートしてくれる学校を選ぶと良いでしょう。
ここでは、栄養士になるための学校について解説します。
文系の4年制大学
文系の4年制大学は家政学部などで栄養士の資格を取得できます。
とはいえ、学校によって栄養士養成課程があるかどうか異なるため、受験前にしっかりと下調べをしておきましょう。
栄養士だけではなく、管理栄養士の資格をめざせるコースが用意されている学校もあります。
一般教養や語学など栄養士以外の科目も学べるので、いろいろな分野に興味がある人にも向いています。
短期大学
短期大学は2〜3年で栄養学の知識や技術を学べるので、早く栄養士として活躍したい人におすすめです。
4年制大学と同じように一般教養も学べますが、期間が短いため体力的にはハードになるでしょう。
短大でも学校によっては栄養教諭免許が取得できるところもあります。
専門学校
専門学校は学校によって学ぶ期間が2〜4年と異なります。
早く栄養士になりたい人は2年制が良いでしょう。
給食や調理の現場で働きたい人などは、大学ではなく専門学校に進学するのも一つの方法です。
4年制の専門学校には管理栄養士の養成課程が設置されている学校もあるので、管理栄養士をめざす場合は受験前に確認しておきましょう。
理系の4年制大学
理系の4年制大学としては、栄養学部や農学部、医学部、教育学部などで栄養士の資格を取れる場合があります。
給食や調理の現場で働く人よりも、研究をしたい人に向いています。
将来、栄養士として研究を続けたい場合は理系の大学を選ぶと良いでしょう。
文系でも栄養士をめざせる!理系科目は必要に応じて学ぼう
栄養士は理系の分野の仕事ですが、文系でもめざせます。
なぜなら、高校で文系科目を選択していても、大学や専門学校で理系科目を学べるからです。
とはいえ、進学先によっては受験に理系科目が必要なこともあるので、選択肢を減らさないためにも、できれば理系科目を選択しておきましょう。
受験に必要ない場合でも、高校で理系を選んでおくと、その知識が進学してから役に立ちます。
自分に理系科目が必要かどうかをしっかりと見極め、高校の授業を上手に選択して、栄養士をめざしてください。