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「将来スポーツ専門の栄養士になりたい」と思っている人もいるでしょう。
この記事では、スポーツ栄養士とは何か、どのような資格が必要かを解説し、スポーツ栄養士になる方法と仕事のやりがいを紹介します。
仕事内容や年収、資格についても詳しく説明するので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
スポーツ栄養士とは
スポーツ栄養士とは、プロ・アマチュアを問わず競技者の栄養管理をする専門家です。
食事や栄養は健康な身体の基本であり、栄養管理はパフォーマンス向上に欠かせません。
スポーツ栄養士は競技者の栄養面や食事の自己管理をサポートし、その食事環境整備に貢献します。
監督やトレーナー、コーチ、スポーツ医学専門家、スポーツ心理学専門家など、多くのスポーツ関係者と連携して働きます。
まず、スポーツ栄養士の仕事内容や平均年収、スポーツ栄養士と公認スポーツ栄養士の違いがどのようなものか見ていきましょう。
スポーツ栄養士の仕事内容
スポーツ栄養士の主な仕事内容は以下のとおりです。
- 栄養管理
- 食事指導・提供
- セミナー開催
スポーツ栄養士は競技者のために栄養指導を行います。
栄養指導とは栄養バランスの良い食事のメニューを作成し、競技者が求める身体づくりをサポートすることです。
また、疲労回復や筋肉強化など、競技者の目的に合わせたアドバイスを行い、トラブルや悩みの解消をめざします。
競技者が食事を自己管理できるように指導をしたり、必要に応じて食事を提供したりする場合もあります。
また、競技者や保護者のためにセミナーを開催するケースもあるでしょう。
セミナーの内容は、おもに日常の食事メニューのアドバイスや相談の受付などです。
スポーツ栄養士の平均年収
スポーツ栄養士の年収は勤務先や職種などで大きく異なります。
たとえば、病院は250万円以上、ジムは200万円以上、プロ選手の担当栄養士は1,000万円以上と、さまざまです。
各人の働き方によって収入は大きく異なりますが、スポーツ栄養士の平均年収は約350万円といわれています。
スポーツ栄養士と公認スポーツ栄養士の違いとは
競技者をサポートする栄養士には、スポーツ栄養士と公認スポーツ栄養士があります。
公認スポーツ栄養士は、公益社団法人日本栄養士会と公益財団法人日本スポーツ協会の共同認定の資格です。
公認スポーツ栄養士になるには、公認スポーツ栄養士養成講習会を受講し、検定試験を受けて合格する必要があります。
また、認定資格は4年ごとに更新しなければなりません。
現在(2021年10月時点)の認定者数は436名です。
スポーツ栄養士は、管理栄養士の資格を活かして競技者をサポートする栄養士です。
公認スポーツ栄養士資格を持っていなくても、管理栄養士の資格があればスポーツ栄養士になることは可能です。
公認スポーツ栄養士の資格を取るメリットとは
公認スポーツ栄養士の資格を取ると、無資格者に比べて就職しやすくなる可能性があります。
なぜなら、公認資格はスポーツ栄養士としてしっかりと勉強してきた証になるからです。
公認スポーツ栄養士の資格がない場合は管理栄養士の資格だけになり、スポーツ栄養士としての知識や技術の証明ができません。
また、公認スポーツ栄養士養成講習会を受講した知識は、働くうえでも自分の自信につながるでしょう。
競技者への信頼も厚くなる可能性があります。
ただし、公認スポーツ栄養士の資格はかなり難易度が高いといえます。
講習会の受講人数に制限があり、受講できる人数は70人程度です。
受講後もいくつも講習や試験を受け、インターシップを体験しなければなりません。
そのため、最短期間(約2年)で合格する人は全体の1〜2割程度といわれています。
それだけ困難だからこそ、希少価値が高まり、就職が有利になるのでしょう。
スポーツ栄養士になる方法
スポーツ栄養士になるには、管理栄養士の資格の取得が必要です。
しかし、管理栄養士になっただけでは、スポーツに特化した知識や技術が不足しています。
そのため、スポーツ栄養を学べる専門学校に通って、管理栄養士になるための知識とスポーツに特化した知識をあわせて勉強するのがおすすめです。
専門学校によっては、スポーツ栄養士コースを設置しているところもあります。
公認スポーツ栄養士の資格を取得するのは、管理栄養士の資格を取得したあとになります。
公認スポーツ栄養士資格が認定されるまでの流れは以下のとおりです。
- 日本スポーツ栄養学会のスポーツ栄養ベーシックコースの講習会を受講する
- 必要書類を日本スポーツ栄養学会へ提出する
- 受講決定通知受領後、公認スポーツ栄養士養成講習会を受講する
- 共通科目の検定試験を受ける
- 合格後、専門科目集合講習会を受講する
- 専門科目検定試験を受ける
- 合格後、認定される
スポーツ団体で働くか、フリーランスのスポーツ栄養士として経験を積んでから、スポーツ管理栄養士をめざすのが一般的です。
スポーツ栄養士に必要なスキル
競技者のパフォーマンスを最大限に高めるためのサポートをする以上、スポーツ栄養士には栄養に関する知識だけではなく、競技の知識も必要になります。
競技ごとの特性に合わせた栄養サポートを行うためです。
また、知識だけではなく、競技者の心理を理解して選手個人をサポートする力も欠かせないスキルといえるでしょう。
競技者と関わる仕事なので、コミュニケーション能力や他者の気持ちになって考える想像力が必要です。
競技者によっては好きなものを好きなだけ食べたい人もおり、食事メニューに反論されることもあります。
このようなケースでは、相手の気持ちを考え、気長に対応していかなければならないでしょう。
スポーツ栄養士のやりがい
ここでは、スポーツ栄養士のやりがいを5つ紹介します。
- 有名スポーツ選手の専属栄養士になれる可能性がある
- 多様な分野の専門家と仕事ができる
- さまざまな場所で活躍できる
- 選手から個別にアドバイスを求められる
- 選手と一緒に勝利の喜びを感じられる
有名スポーツ選手の専属栄養士になれる可能性がある
「スポーツ栄養士になるなら、有名スポーツ選手の専属栄養士になりたい」と考える人もいることでしょう。
そのような願いが叶うのは選ばれた人だけだと思うかもしれません。
しかし、実績を積んで結果を残せば、有名スポーツ選手の専属栄養士になれる可能性もあります。
有名スポーツ選手の専属栄養士には、地道にアピールをして採用された人や、結果を出して憧れの選手をサポートすることになった人もいます。
多様な分野の専門家と仕事ができる
スポーツ栄養士は競技者の栄養サポートをしますが、仕事で関わるのは競技者だけではありません。
スポーツドクターやトレーナー、監督、コーチ、医療スタッフなど多くの分野の専門家と協働します。
多くの人と連携するため、関連知識が増え、スキルアップにもつながるでしょう。
また、人脈づくりにも役立つ可能性があります。
さまざまな場所で活躍できる
スポーツ栄養士になっても仕事が見つかるか心配になるかもしれませんが、スポーツ栄養士にはスポーツの数だけ活躍する場があります。
プロチーム以外にもジュニアチームがあり、チームではなく個人で栄養士を求めている場合もあるでしょう。
プロやアマチュアの競技者ではなく、一般人が訪れるスポーツジムやパーソナルトレーニングジムでもスポーツ栄養士は活躍できます。
また、病院などの医療機関もスポーツ栄養士を必要とします。
たとえば、運動機能の回復を求める競技者のリハビリの一環で、疲労回復や筋力増進の食事メニューを提供するケースを想像してみてください。
選手から個別にアドバイスを求められる
スポーツ栄養士はさまざまな競技者の栄養サポートをしますが、信頼関係が築けないうちはアドバイスを受け入れてもらえない可能性があります。
しかし、信頼と実績を重ねるうちに、トラブルや悩みのある選手から個別に相談を受けることもあります。
自分を信頼して相談してくれると、やりがいを感じられるでしょう。
選手と一緒に勝利の喜びを感じられる
サポートしてきた選手が結果を出せば、自分のことのようにうれしくなるのもスポーツ栄養士の醍醐味です。
選手の苦労や悩みに寄り添っているからこそ、勝利の喜びは大きくなります。
選手を勝利に導く仕事にやりがいを感じ、スポーツ栄養士として結果を出したことを誇りに思うでしょう。
スポーツ栄養士になって選手の心身をサポートしよう
スポーツ栄養士はスポーツをする選手すべての栄養サポートをする仕事です。
管理栄養士の知識や技術はもちろん、スポーツの知識も必要になります。
食事に関するサポートをするため、身体のサポートと思いがちですが、心理面でのサポートも行います。
競技者の心身サポートを行うスポーツ栄養士をぜひめざしてみてはいかがでしょうか。