
志望動機とは、仕事への理解度や意欲の高さを示すものです。
志望した病院で働きたい理由を明確に伝え、採用するメリットがあると思わせるようなアピールが大切です。
本記事では、志望動機の書き方がわからない方や、なかなか書類選考が通らない方に向けて、面接官に刺さる志望動機の書き方をご紹介しています。
目次
管理栄養士が病院で働く際に知っておきたい志望動機の書き方
面接官の印象に残るような志望動機を履歴書に書くためには、入社意欲の高さとライバルたちとの違いをアピールする内容が大切です。
具体的な志望動機の例文に入る前に、魅力的な文章を作るポイントをご紹介します。
その病院を選んだ理由
管理栄養士の就職先には、病院をはじめ、学校・福祉施設・介護施設・研究機関・食品メーカーなどが あり、それぞれ管理栄養士に求められるスキルや専門性が異なります。
そのため、管理栄養士の資格を活かし病院で働きたいならば、病院で求められるスキルや人材の特徴を理解したうえで、自分がその人物像に合致していることをアピールしなければなりません。
アピールする内容を考える前に大切なのは、応募する病院の業務内容を理解することです。
業務とずれた内容をアピールすると、企業分析をしていないと判断され、入社意欲が低いと受け取られてしまうでしょう。
採用される病院でどのような仕事内容を任されるのか事前に調べて、自分の経験やスキルと照らし合わせることが大切です。
合致している部分は強みにして、足りない部分は勉強しているとアピールしましょう。
これまで培った実務経験
管理栄養士として実務経験がある方は、今までどのような経験を積み、どのような成果をあげてきたか整理しておきましょう。
具体的な活動内容を含め、活動で工夫した点や成果、周囲からの評価まであると、説得力のある自己PRになります。
現職で管理栄養士の仕事をしている方は、栄養の食育経験があれば強みの一つになります。
実績として以下の業務があげられます。
- 施設の規模
- 1日の食事の提供数
- アレルギー除去食対応の経験
- 食品栄養の管理
これらをアピールできると、実績として評価 されるでしょう。
さらに、病気を抱えている方への食事指導や、栄養カウンセリング、献立作成の経験などを記載すると、より専門性の高さをアピールできます。
学生の方は、地域の食育活動への参加や調理実習などの具体的活動と工夫点、周囲からの評価が強みになります。
もし失敗した経験があれば、改善に向け実行したことや成果なども踏まえると、栄養管理士としての素質やPDCAサイクルを回せる社会人としての素質の両面をアピールできるでしょう。
どのように活躍ができるか
採用によって、病院でどのような活躍ができるか記載しましょう。
病院に自分を採用するメリットを感じさせるための大切なポイントになります。
病院が求めている業務内容・ポジションを理解したうえで、今後貢献できる内容を伝えていきます。
貢献できる内容を決めるうえで整理が必要なのは、以下の2点です。
- 病院研究を徹底する
- 自己分析する
病院の栄養管理士は、患者さんの栄養面をサポートする仕事です。
入院患者や通院患者一人ひとりの病状に合わせた栄養指導・栄養管理・献立作成などを行う必要があります。
業務のなかでは、人の命に関わる責任感や、医師・看護師・薬剤師などと連携したコミュニケーション力も必要です。
これらの求められる能力のなかで、面接を受ける病院が最も重視しているのはどの点なのかを、求人情報や病院のホームページなどを読み込んで整理します。
これが病院研究です。
次に自分の強みや弱み、セールスポイントを書き出して、病院が求める能力や人物像に合致する点をみつけましょう。
過去にその強みを活かしてどのような結果を出したか、具体的なエピソードを示せると、病院で活躍する姿をイメージしてもらいやすいでしょう。
管理栄養士が病院へ転職する場合の志望動機 例文
志望動機に書きたい内容を整理できたら、実際に文章を組み立てて志望動機を作りましょう。
管理栄養士の面接で志望動機を伝えるときの具体例を紹介します。
例文1:患者さんを直接サポートしたいことを伝える
病院で働く栄養管理士の仕事は、患者さんを栄養面でサポートすることです。
患者さんが抱える病気や体調の問題を改善し、治療の一貫として食生活の見直しをします。
志望動機では、食事の面から患者さんに直接サポートしたい点をアピールしていきましょう。
現在の職務は、主に嚥下食作りと食事のカウンセリングを担当しています。
入居者の方に直接お食事の好みを聴くと家庭の味を好む方が多いので、できる限りご要望を献立作成に組み込めるよう尽力しました。
入居者の身体レベルに合わせつつ食事を提供するなかで、食事が健康に与える影響の大きさをあらためて実感しました。
その経験から、今度は病気や体調を崩している方を直接サポートしたいと考えています。
そのため、入院患者の食事にこだわりを持つ貴院を志望いたしました。
貴院では、病気により食事にも制限がかかるなかで、少しでも食事の時間が楽しい時間になるよう患者さんをカウンセリングし、病気も気持ちもサポートできる献立作りに力を入れていきたいです。
例文2:スキルアップが目的であることを伝える
日々医療技術が進化している医療現場では、常に新しいことを学ぶ力が求められます。
面接では、管理栄養士としてさらに知見を広げていていきたいこと、スキルアップしていきたい意欲をアピールしましょう。
そこで、私は患者さんに寄り添うだけではなく、確かな力となるスキルを身につけたいと考え、がんの治療に力を入れる貴院で成長したいと考えています。今後、今まで培ってきた管理栄養士の知見をさらに深めると同時に、がん病態栄養専門管理士の資格も取得予定です。食事の面から、患者さんをサポートできるよう尽力する所存です。
ここでの注意点は、前職に対して否定的な内容を伝えてはいけないということです。
他責にする人だとの印象を与え、マイナス要素になってしまいます。
できるだけポジティブに変換して転職理由を伝えましょう。
管理栄養士の業務内容について詳しく知りたい方は、こちらをチェックしてください。
>>管理栄養士の仕事とは?資格を持って活躍できる場面を職場ごとに解説
管理栄養士未経験者・新卒の場合の志望動機 例文
未経験者や新卒の場合、栄養のスペシャリストとしての姿勢やスキルを持っているかが判断されます。
具体的なエピソードを交えて、働く意欲をアピールしましょう。
例文1:健康のための栄養指導に対する意欲を伝える
栄養士をめざす理由と、病院でのキャリア形成を伝えましょう。
肌も荒れ、気持ちもネガティブになったことから、食事の改善を試みました。
食事内容や栄養に配慮した食事を摂取し、食事をしながらもダイエットに成功したことや、体が丈夫になり風邪をひきにくくなった実体験があります。
この経験から、食事の大切さや重要性に気付きました。
病院では病気の患者さんを食事の面から直接サポートできると思います。
健康的な体づくりだけではなく、一人ひとりの患者さんにあった食事を考えられるように尽力していく所存です。
例文2:過去の原体験から病院で業務を行いたいことを伝える
医療現場での原体験がきっかけで、病院を選んだことをつたえましょう。
そこで臨床栄養の分野に興味を持ち、栄養面から患者さんを支える管理栄養士を志すようになりました。管理栄養士としての基礎知識を活かしながら、学校で病態別の栄養療法に関する論文を読んだり、自炊でも計画的な献立の作成をしたり、アウトプットを通じてより実践に近い形で習得できるよう努めています。今後もスキルとして身につける姿勢を常に持ち、栄養面から直接患者さんをサポートできる管理栄養士として精進していきたいと考えています。
病院で勤務するイメージが湧く志望動機を考えよう
志望動機は、ありきたりな文章では相手に刺さりません。
採用する側にどれほど真剣に働きたいと思っているかをアピールするために、企業研究をしっかり行い、求められるスキルや人物像に自分が合致していることを伝えましょう。
ライバルに差をつけるためにも、志望動機を読んだ時点で自分が病院で働いているイメージをしてもらうことが大切です。
病院にとって自分を採用するメリットは何か、自分には何ができるのか整理し、具体的なエピソードを交え志望動機を書きましょう。