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登録販売者が医薬品のインターネット販売でできる仕事の範囲と注意点

2009年の薬事法改正によって誕生した登録販売者は、医薬品のプロとして、一般用医薬品(OTC医薬品)を販売できます

登録販売者が取り扱える医薬品は、一般用医薬品のうち第2類と第3類のみに限られています。
ただし、薬剤師でなければ取り扱うことのできない第1類は、一般用医薬品全体の1割にも届きません。
そのため登録販売者は、薬剤師をサポートする役割として重宝されています。

2014年6月からは一般用医薬品のすべてがインターネットで販売できるようになり、登録販売者にも新たな活躍の形が生まれました。

ただし、医薬品のインターネット販売には、法律で定められたルールがいくつか存在します。
本記事では、ルールを守って医薬品の通販を行うために必要な情報をまとめてみていきましょう。
また、厚生労働省のサイトに記載された最新情報もご紹介するので、ぜひチェックしてみてください。

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登録販売者がインターネット販売ですべきことは店舗勤務と同じ

登録販売者がインターネット販売ですべきことは店舗勤務と同じ
登録販売者がインターネットで医薬品を販売する際は、店舗販売と同様の業務を行います。
そのためインターネット販売であっても、許可を受けた薬局・薬店の実店舗を持たなければなりません。

実店舗にプラスして医薬品のインターネット販売を行う体制は、今後も成長する可能性が高いといわれています。
店舗がない地域の人でもオンライン販売で容易に一般用医薬品を手に入れられること、他人には知られたくない医薬品の購入がしやすいこと、実店舗よりも安く購入できることがあるなど、メリットが豊富にあるからです。

登録販売者にとっては、働き方の選択肢が増えることも、インターネット販売の魅力といえるでしょう。
ただし、実店舗での販売に加えて通販も行う際は、条件やルールを守った正しい運用が必要になります。

医薬品のインターネット販売のルール

医薬品をインターネットなどで販売することは、正式には特定販売と呼ばれています。
特定販売には、インターネット上での販売の他に電話販売やカタログ販売も含まれます。
以上を踏まえて各ルールを一つひとつ詳しく説明していきましょう。

保健所に届け出て許可を得る必要がある

医薬品のインターネット販売をスタートさせるためには、保健所に届け出ることから始めます。
実店舗がある地域を管轄している保健所で手続きを行いましょう。
保健所の許可がなければ、インターネット販売はできません。

届け出る内容は、通販を行う店舗名や、ホームページのURL、特定販売の実施の有無、特定販売を行う際に使用する通信手段、特定販売を行う医薬品の区分などです。

手続きが完了すると、インターネット販売を行う店舗の一つとして厚生労働省のサイトに追加されます。
手続き後は店舗の一覧に掲載されているか確認してみてください。

医薬品のインターネット販売は登録販売者や薬剤師が行う

医薬品をインターネット販売する場合でも、薬剤師もしくは登録販売者が医薬品の実地管理をしなければなりません。
また、営業時間中は店舗に専門家が常駐するのもルールの一つです。

薬剤師や登録販売者は医薬品の専門家であることを証明するために名札の着用も義務付けられています。

インターネット販売を行う場合には上記に加えて、テレビ電話の設置など、薬事監視を確実に行える仕組みや整備を整えること、販売した医薬品情報や販売に携わった専門家の氏名を購入者に伝えること、販売者や販売時刻などの記録・保存が求められます。
これらの情報は自動送信や一斉送信が不可なので、必ず販売者がチェックを行ってから、情報を送信しなければなりません。

インターネット販売可能と定められた医薬品のみ販売する

インターネットで医薬品を売ることができるものは第1類から第3類までの一般用医薬品すべてです。
ただし第1類医薬品に関しては薬剤師の対応が必要です。
そのため、インターネット販売でも薬剤師が不在である際は第1類医薬品を販売できません。

もし、第1類医薬品の注文を受けた場合には、薬剤師が注文者とメールや電話などでコンタクトをとります。
薬剤師は注文者の性別や年齢、症状、副作用歴の有無などをヒアリングし、注文者に最適な医薬品の用法・用量、服用上の注意点を説明していきます。
この販売対応を行ったうえで、ようやく第1類医薬品の販売が可能となるのです。

なお薬剤師であってもインターネット販売では、対面および書面での情報提供が必要な要指導医薬品や処方箋医薬品は認められていません。

有形の店舗でも販売している必要がある

インターネット販売を実施するには、調剤薬局・薬店の許可を取得した有形店舗でも、きちんと販売業務を行っている必要があります。
自宅を店舗代わりにするような形だけの店舗では許可は下りません。
保健所の担当者が実地で確認して初めて許可がおりるので、必ず以下のルールを守るようにしてください。

実店舗では、週30時間以上を目安に営業していることに加え、店舗に貯蔵・陳列している医薬品の販売が求められます。
実店舗での営業と併せてインターネットで消費者の相談に対応できる体制を整えることも必要です。

医薬品の販売サイトに必須の表記を記載する

販売サイトにおいては実店舗の名称、写真、勤務する専門家の氏名、許可証の内容を記載する必要があります。
また、営業中・営業時間外を含めた連絡先、さらに対応する専門家の勤務シフト表など、多くの情報を掲載しなければなりません。

販売サイトの情報は消費者が購入先を選ぶにあたって一番重視するポイントです。
しっかりと信頼できるサイト運営やインターネット販売を行っていることを証明するために、内容一つひとつについてもしっかりと補足を入れるような形で詳しく説明していることが望ましいです。

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登録販売者がインターネット販売ですべき具体的な仕事内容

登録販売者がインターネット販売ですべき具体的な仕事内容
登録販売者が医薬品のインターネット販売を手がける際には、患者さんに確認しなければならない項目があります。
店舗業務同様、シートの項目を選ぶ形で患者さんが自身の状態を記入していきます。
具体的な確認項目は以下のとおりです。

  1. 年齢
  2. 他の薬剤・医薬品の使用状況
  3. 性別
  4. 症状、医療機関の受診の有無
  5. 現にかかっている疾病名
  6. 妊娠の有無、妊娠週数
  7. 授乳の有無
  8. 当該薬剤・医薬品の購入や使用の経験
  9. 薬剤・医薬品の副作用の経験やその内容
  10. その他情報の提供及び指導を行うために確認することが必要な事項

参考:一般用医薬品のインターネット販売について

インターネット販売では、患者さんと直接会って相談や悩みを聞くことができないため、店舗業務以上に症状や状態をしっかりと答えてもらうことが必要です。

患者さんの状態を確認したら、提供する医薬品の情報を記載したメールで服用時の注意点をお伝えしていきます。
このとき記載する内容は以下のとおりです。

  1. 名称
  2. 有効成分の名称・分量
  3. 用法・用量
  4. 効能・効果
  5. 使用上の注意のうち、保健衛生上の危害の発生を防止するために必要な事項
  6. 販売する薬剤師・登録販売者が、適正な使用のため必要と判断する事項

参考:一般用医薬品のインターネット販売について

登録販売者から送られてきた情報を患者さんが理解できたら、疑問点の有無も含め情報を理解した旨を返信してもらいます。
最後に医薬品を発送して、インターネットでの販売業務は完了です。

医薬品のインターネット販売は対面同様ルールを守って行う

一般用医薬品のインターネット販売が可能になり、登録販売者はよりさまざまな消費者に医薬品を届けられるようになりました。

オンライン販売を行う場合には、対面同様ルールが定められているので、本記事で紹介してきたルールを必ず守って行ってください。

店舗だけに縛られないインターネット販売によって働き方も広がるでしょう。
また、インターネット販売の有無によっては、給与状況に変化が出る場合もあります。

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