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内科と外科の違いとは?看護師の仕事内容の違いも解説

この記事の監修者
ゆみさと
ゆみさと
【資格】
看護師

【プロフィール】
岩手県立大学看護学部を卒業後、血液内科・乳腺外科混合病棟にて勤務し、その後、透析クリニックに転職。
現在、看護師として働きながら、医療関係を中心にライターとしても活動中。

看護学生の希望部署選択時や看護師の転職時などで、一度はどの部署が自分に合っているのかと考えたことがあるでしょう。
また、入職前に自分がやりたい・経験してみたいと思った診療科があるものの、自分の性格や雰囲気、特徴と合っているのかがわからないと思った経験はないでしょうか。

ここでは、主な診療科である内科と外科はどのように違うのかについて、わかりやすく解説します。
看護師としての各科の業務内容の違いも解説しているので、ぜひ最後までお読みください。

病院の内科と外科の違いは?

病院の内科と外科の違いは?

同じ病院内であっても、内科と外科では診療の内容がまったく異なっています。

内科は診断を軸とし、開腹や開胸といった外科的手術をせずに、化学療法・点滴・注射などの薬物療法やカテーテル治療など、外科的手術に比べ身体的侵襲の少ない治療がメインです。
診療部位には、内臓・血液・神経などが含まれます。

外科は基本的に内科での診断をもとに手術を行い、疾患の原因に対して直接的に治療を行っていきます。
治療部位は、内臓・神経・骨・関節・皮膚・歯などであり、全身のさまざまな箇所が範囲です。

疾患によって、薬物療法で治療可能な場合もあれば、手術適応との医師の判断がある場合もあります。
そのような場合は、医師の指示のもと外科にて対応されるでしょう。

内科・外科看護師は仕事内容が違うのか

看護師の仕事内容として、日々のケアやナースコール対応などは同じですが、入院している患者さんの状態が違うため、診療補助やケアの具体的内容などは異なります。
内科では、薬物療法の患者さんや慢性期の患者さん、入退院を繰り返す患者さんへの対応、外科では手術前後の対応など多種多様です。

内科

内科は、主に外来と病棟に分けられます。

外来では、医師の診察の介助や補助が主な業務です。
通院している患者さんの対応となり、医師の指示に沿った点滴・注射の実施や、採血などの検査実施、血圧測定・体重測定の介助、衣服着脱の介助や移動の手助けなども行う必要があります。
日々の生活における困りごとや自己管理ができているのかどうかなども確認し、サポートしていきます。

病棟は外来と同様の業務に加えて、入院患者のケアも業務内容です。
具体的には、入院対応や今後の治療予定の説明、薬物療法中のケアや治療による副作用対応、退院支援があります。

内科に入院する患者さんの入院目的や入院期間はさまざまです。
長期間の入院が必要な患者さんは、ベッド上安静の時間が長くなり、筋力の低下につながる可能性があります。
入院中からスムーズに退院をめざせるよう計画的にリハビリを実施するなど看護計画を立てることが大切です。
他にも、入院期間中の不安が強い人には思いを聞いたりなど、患者さんの気持ちに寄り添いながら信頼関係を構築し、精神的なサポートをすることも看護師の役割です。

また、慢性期の患者さんでは入退院を繰り返す患者さんもおり、どのように入退院を減らしていけるのかなども、カンファレンスの議題として取り扱うこともあります。

一般的な看護師の仕事内容については、下記に詳細があるため参考にしてください。

外科

外科も内科同様、病棟と外来に分けられます。

外科外来では、手術後数日が経過した患者さんの創部の処置などを行うため、看護師は患者さんの衣服の着脱や移乗の介助を行い、医師が処置しやすいよう介助します。
また手術前の患者さんであれば、急変がともなう可能性もあるため、全身状態の観察が必要です。

外科病棟の看護師は、患者さんの手術室への送り出しや準備、手術後のお迎え、退院までの援助が主な仕事になります。

内科との大きな違いは、手術前後で患者さんの状態が大きく違うため、看護の視点も変わる点です。
手術前は元気に歩いていて身の回りのこともご自身でできていた患者さんでも、手術後は医師によるベッド上安静の指示や、疼痛などによりADLが低下します。
早期に回復できるよう患者さんの状態に応じた看護ケアを行う必要があるでしょう。

そのため、外科病棟の看護師の仕事内容は、術前と術後で大きく変化します。
術前は、スムーズに手術を行えるよう手術のスケジュールや手術後の状態について術前オリエンテーションを実施して説明します。
術当日には、飲水・食事制限を行ったり、術前の点滴を投与して手術に向けて準備し、患者さんを手術室まで送り出します。

術後は、急変リスクが高いため、バイタルサインを測定しながら、患者さんの全身状態を観察し、感染症など術後の合併症が生じていないかなど異常の早期発見に努めます。
術後の創部の管理など、日常的な医師の回診時に処置介助を行う必要もあるでしょう。
患者さんのADL状態に合わせながら、清潔ケアや食事介助など日常生活ケアも実施します。
術後の数日が経過すると、徐々に離床を開始し、必要なリハビリを行うなど退院に向けてサポートします。

また、手術前後の患者さんは精神的にも不安が強く、「手術が怖い」や「手術したがリハビリが乗り越えられるか不安」などと思いを表出する場合も少なくありません。
術前から術後の状態をイメージできるよう説明するなど不安を軽減できるような関わり方が重要になるでしょう。

看護師として働くなら内科と外科のどちらが良い?

結論からいうと、内科と外科は一概にどちらが良いとはいえません。
それぞれの性格や考え方、看護職への向き合い方、看護師の理想像などから、どちらが適しているかは異なり、一律には判断できないためです。

内科は外科のような手術がないため、緊急での手術準備や術後の合併症による緊急入院が入ることは少ないです。
しかし、内科であっても急性期の患者さんであれば急変対応が必要になる場合もありますし、慢性疾患を抱えて暮らす患者さんや、入退院を繰り返す患者さんに対しては、悩みを傾聴しながら全身の状態を見ていく役割があります。

外科は手術が多く緊急での入院などもあり、業務に優先順位をつけながら行うため、内科に比べて業務に追われているような印象があるでしょう。

しかし、外科では術前後で変わる患者さんの変化に気付いたり、治療後良くなっていく姿を間近で見ることができるため、やりがいや達成感などを得ることができます。

内科と外科の違いを理解し興味のある分野を探そう

内科は診断を軸とし、治療では薬物療法やカテーテル治療が多いなど、外科の治療に比べて比較的身体的侵襲が少ないのが特徴です。
外科では全身のさまざまな部位に対して直接的に手術などを行い、根本的治療を行います。

日々の看護ケアや処置の介助などは同様ですが、疾患や患者さんの状態が異なるため、内科と外科では看護師に求められるスキルは別物になるでしょう。

内科と外科の違いを学び、自分にとってどちらの科が合っているのか、興味があるのかを考え、理想の看護師になれるよう模索しましょう。

執筆者について

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