
「女性の平均脈拍数について知りたい」
「動悸がするときは不整脈だと思って良い?」
女性はある年代においては、特別な理由で脈拍異常になりやすいです。
動悸がするからといって必ずしも不整脈とは限りません。
今回は、女性の脈拍数の平均値と、女性ならではの脈拍異常が起きる理由について解説しています。
目次
女性の脈拍数の平均は?
一般的な脈拍数の平均は、1分間に60~100回程度です。
脈拍数は男女差がありますが、その差は大きくありません。
性差よりも年齢と個人による差のほうが大きく、脈拍数の平均値は年齢別でのみ紹介されている場合がほとんどです。
女性が知っておくべき脈拍異常
女性には女性特有の理由で脈拍異常になるケースがあります。
脈拍の異常は以下の3つに分けられます。
- 頻脈:脈拍数が1分間に100回以上
- 徐脈:脈拍数が1分間に50回以下
- 期外収縮:脈拍が飛ぶ、あるいは不規則になる
女性は50歳の前後5年間に更年期を迎えるため、45歳~55歳あたりで動悸が現れ、頻脈になる方が多いです。
ただし、心臓の異常によって起こる不整脈でも頻脈になるため、更年期障害での頻脈なのか不整脈での頻脈なのかを見分ける必要があります。
更年期障害の頻脈の特徴
更年期障害には、以下のような特徴的な症状があります。
- 自律神経症状:発汗、手足の冷え、動悸、息切れ、めまい
- 痛み:肩こり、関節痛、頭痛
- 精神的症状:イライラ、もの忘れ、記憶力の低下、憂うつ
- 不眠
- 倦怠感
- 泌尿器症状:頻尿、尿漏れ
- 生殖器症状:外陰部の違和感、性交痛
上記が更年期障害の症状で、脈拍異常である動悸も含まれます。
不整脈との見分ける際には、動悸以外にも更年期障害の症状が起きていないか確認してみましょう。
また、更年期障害かどうか判断するために簡略更年期指数が存在します。
以下に簡略更年期指数を調べるためのテストを載せておきますので、チェックしてみてください。
症状 | 毎日みられる | 毎週みられる | 強くは感じないがある | なし |
①顔がほてる | 10 | 6 | 3 | 0 |
②汗をかきやすい | 10 | 6 | 3 | 0 |
③腰や手足が冷えやすい | 14 | 9 | 5 | 0 |
④息切れ、動悸がする | 12 | 8 | 4 | 0 |
⑤寝つきが悪い、眠りが浅い | 14 | 9 | 5 | 0 |
⑥怒りやすくすぐイライラする | 12 | 8 | 4 | 0 |
⑦くよくよしたり憂うつになることがある | 7 | 5 | 3 | 0 |
⑧頭痛、めまい、吐き気がよくある | 7 | 5 | 3 | 0 |
⑨疲れやすい | 7 | 4 | 2 | 0 |
⑩肩こり、頭痛、手足の痛みがある | 7 | 5 | 3 | 0 |
参考元:簡略更年期指数
上記の問いに答え、選んだ選択肢の得点を合計し、以下の合計点に応じた評価を参考に今後の行動を決めましょう。
- 0~25点:更年期症状と上手に付き合えているため、これまでの生活態度をキープしましょう
- 26~50点:食事と運動に注意し、生活様式などにも無理のないように過ごしましょう
- 51~65点:医師の診察を受け、生活指導、カウンセリング、薬物療法を受けましょう
- 66~80点:半年以上の長期間の計画的な治療を受けることをおすすめします
- 81~100点:各科の精密検査を受け、更年期障害のみである場合には専門医での長期的な治療を受けることをおすすめします
不整脈の頻脈の特徴
不整脈が原因で頻脈が起きている場合は、致死性不整脈のおそれがあります。
致死性不整脈は重症度が極めて高いため、一度病院で診察を受けましょう。
不整脈が原因で頻脈が起きているか見分けるには、以下のポイントをチェックしてみてください。
- 胸に痛みや圧迫感がある
- 心臓の持病がある
- 血縁者に突然死、繰り返し失神した方がいる
- 安静時に息切れが起きる
- 立ちくらみ・意識がなくなる
上記のような症状がある場合は、更年期障害よりも不整脈が疑われるため、循環器内科を受診しましょう。
女性の平均的な脈拍数は年代によって異なる
女性の平均的な脈拍数は年代によって異なります。
同じ年代でも個人差が大きく、心疾患やスポーツの習慣なども脈拍数に影響を与える要素です。
また、女性は更年期障害により頻脈になることがあるため、不整脈かどうかを見極める必要があります。
今回紹介した簡略更年期指数を使用したり、不整脈の症状と見比べたりして、見極めを行いましょう。
不整脈は命に関わる可能性もあります。
不整脈が疑われる場合は、一度循環器内科を受診してください。