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鍼灸師とあん摩マッサージ指圧師の違いは?資格やダブルライセンス取得について紹介

この記事の監修者
さっとん
【資格】
鍼灸師

【プロフィール】
ライター、ブロガー、鍼灸師、医療系専門学校教員、FPの5足のわらじを履き、1児のパパとして子育てにも奮闘中。
ライフスタイルのことから医療の専門分野まで多彩な分野で活動している。

鍼灸師とあん摩マッサージ指圧師は、どちらも身体の不調を改善する専門家ですが、その施術方法に違いがあります。
両方の資格を持つことでより患者さんに合わせた施術が可能になり、キャリア選択の幅も広がるでしょう。
本記事では、鍼灸師とあん摩マッサージ指圧師の違いやそれぞれの資格取得方法、ダブルライセンスを持つメリットについて詳しく解説します。
将来この分野でのキャリアを考えている方は、ぜひ参考にしてください。

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鍼灸師とあん摩マッサージ指圧師の違い

鍼灸師とあん摩マッサージ指圧師の違い

鍼灸師とあん摩マッサージ指圧師は、いずれも人々の健康維持や症状改善を目的に施術を行いますが、その施術方法やアプローチには明確な違いがあります。

鍼灸師は、東洋医学の考えに基づき、針と灸を用いて施術を行い、さまざまな症状の改善を促します。
具体的には、針や灸でツボを刺激して体内のエネルギーを調整し、人間の自然治療力を高めるという仕組みです。

一方、あん摩マッサージ指圧師が行うのは、手や指を使った施術です。
体のこりや痛みなどの症状がある人に、ツボを中心に揉みほぐしたり、叩いたりすることで、症状の緩和、改善を促します。

健康保険が適用できる範囲についても違いがあります。
鍼灸師の施術では、神経痛やリウマチ、五十肩、腰痛症、頸腕症候群、頸椎捻挫後遺症などの症状に対して、医師の同意があれば健康保険の適用が可能です。
上記以外の症状は、以下の3つで保険の適用可否を判断します。

  • 医師の同意書
  • その症状が慢性的な痛みをともなうもの
  • 医師による治療手段がないもの

あん摩マッサージ指圧師の施術では、筋麻痺や関節拘縮などの症状で、医師の同意書があれば、健康保険が適用されます。

ただし、疲労回復や予防のための施術、単なる肩こりなどには、健康保健の適応ができません。
どちらも保健が適用できる回数に制限はないため、患者さんには安心して施術を受けてもらうことができます。
このように、鍼灸師とあん摩マッサージ指圧師は、それぞれ異なる方法で患者さんの健康をサポートしています。
両者の特徴を理解することで、患者さん一人ひとりに適切な治療を提供できるようになるでしょう。

鍼灸師とあん摩マッサージ指圧師になるための資格

鍼灸師とあん摩マッサージ指圧師は、いずれも国家資格です。
それぞれの資格を取得するためには、大学や短大・専門学校などで専門教育を受け、国家試験に合格する必要があります。
ここでは、両資格の取得方法について詳しく見ていきましょう。

鍼灸師の資格

鍼灸師になるためには、はり師ときゅう師、両方の国家資格の取得が必要です。
受験資格を得るには、文部科学大臣または厚生労働大臣の認定した大学や短大、専門学校で3年以上の学修が必要です。
視力障がい者の方は視力障害センターや盲学校などで学ぶことができるほか、中学校卒業の場合でも5年間教育を受けることで受験できます。

国家試験の科目ははり師ときゅう師の多くが共通科目となっています。

はり師国家試験 医療概論(医学史を除く)、衛生学・公衆衛生学、関係法規、解剖学、生理学、病理学概論、臨床医学総論、臨床医学各論、リハビリテーション医学、東洋医学概論、経絡経穴概論、はり理論及び東洋医学臨床論
きゅう師国家試験 医療概論(医学史を除く)、衛生学・公衆衛生学、関係法規、解剖学、生理学、病理学概論、臨床医学総論、臨床医学各論、リハビリテーション医学、東洋医学概論、経絡経穴概論、きゅう理論及び東洋医学臨床論

引用:試験概要

国家試験に合格すれば、晴れて鍼灸師として活動できます。
この資格は東洋医学に基づき、患者さんを治療できる知識と技術があることを証明できます。

なお、はり師国家資格ときゅう師国家資格は同日に受験することが可能です。
その場合、重複する科目については、片方の試験において免除されます。

あん摩マッサージ指圧師の資格

あん摩マッサージ指圧師も国家資格であり、鍼灸師と同様の受験資格が必要です。
文部科学大臣または厚生労働大臣が認定した大学や短大、専門学校、盲学校などで3年以上学んだあと、受験資格が得られます。

試験科目は前述したとおり、はり師ときゅう師の国家試験科目の、はり理論ときゅう理論があん摩マッサージ指圧理論に置き換わります。

合格後は、あん摩マッサージ指圧師として活動し、患者さんの疾病予防や症状の改善・緩和、健康の増進などに貢献できます。

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鍼灸師とあん摩マッサージ指圧師のダブルライセンスを取得するメリット

鍼灸師とあん摩マッサージ指圧師のダブルライセンスを取得することで、施術の幅やキャリア選択の幅が広がります。
以下では、ダブルライセンス取得のメリットをご紹介します。
将来、独立開業をめざしている方にもおすすめなので、ぜひ参考にしてください。

施術方法が増える

ダブルライセンスを取得することで、施術方法の幅が広がります。
鍼灸の技術と、マッサージや指圧などの手技を併せて施術できるようになるため、より柔軟で効果的な治療プランを立てることができます。

これにより、患者さんのニーズに合わせた対応ができ、治療効果の向上も期待できるでしょう。

給料アップにつながる

ダブルライセンスの取得は、収入面でもメリットがあります。
医療機関や治療院によっては、複数の資格所有者に対して、資格手当を支給しているところもあります。
ダブルライセンスを取得すると、幅広い症状に対応できるため、より多くの患者さんを担当できるようになるでしょう。
そのため、自然と収入アップにつながります。

さらに技術や経験を積むことで、指名料を設定している施設では、患者さんからの指名回数の増加にともない、収入アップも期待できます。
このように、ダブルライセンスを取得することで、給与面でも大きなメリットを得られるのです。

勤務先が増える

鍼灸師とあん摩マッサージ指圧師の両方の資格を持っていると、就職や転職をする際に選択肢が広がります。

鍼灸院だけでなく、医療機関やマッサージ店、介護施設など、さまざまな施設への応募ができます。
自分の興味や適性に合った職場を見つけやすくなり、キャリアアップにもつながるかもしれません。

独立開業に役立つ

将来的に独立開業を考えている方は、ダブルライセンスを取得することで、有利になることがあります。
なぜなら鍼灸とマッサージ、両方のサービスを提供できるため、より多くの患者さんのニーズに合わせたサービスを提供できるからです。

複数の資格を持っていることは、幅広い知識とたしかな技術を持っていることの証明になり、信頼を得ることができます。
これは、新規開業時の集客や事業運営に欠かせない要素です。
独立開業をめざす方は、ぜひダブルライセンスの取得に挑戦してください。

鍼灸師とあん摩マッサージ指圧師の違いやダブルライセンスを取得するメリットを知って参考にしよう

鍼灸師とあん摩マッサージ指圧師、両方の資格を取得することで、施術の幅が広がり、より多くの患者さんのニーズに応えることができます。
さらに、自身の活躍の場を広げたり、将来的に独立開業をめざせるでしょう。

鍼灸師とあん摩マッサージ師の違いや資格取得のメリットを理解し、自身のキャリアプランの参考にしてください。
両資格の取得は決して容易ではありませんが、取得することで活躍の場が広がり、より多くの患者さんに貢献できるので、ぜひ挑戦してみてください。

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