
かかりつけ薬剤師の算定要件には、施設基準があります。
算定要件を把握しておかないと、業務に支障が出てしまうかもしれません。
算定要件を知って、業務に活かしたいのではないでしょうか。
この記事では、算定要件の施設基準を紹介します。
合わせて、指導料や包括管理料の算定要件も紹介します。
目次
かかりつけ薬剤師の算定要件の施設基準
かかりつけ薬剤師の算定要件には、以下の3点から施設基準が設定されています。
- 勤務経験
- 研修認定
- 地域活動
勤務経験
施設基準として、配置されている薬剤師の勤務経験があります。
以下の要件をすべて満たす薬剤師が、服薬の管理や指導を行う必要があります。
- 調剤薬局で3年以上の勤務経験があること
- 調剤薬局での勤務時間が週に32時間以上あること*
- 調剤薬局での在籍期間が1年以上継続していること
*育児・介護休業法の規定により、労働時間が短縮された場合においては、週24時間以上かつ週4日以上である場合も含む。ただし、短時間勤務の保険薬剤師のみでの届出は不可。
調剤薬局での在籍期間は、届出をするタイミングまでの直近で連続している期間が条件であるため、注意が必要です。
一度退職している場合や、産休や育児休暇は在籍期間に含まれません。
なお、管理薬剤師についても同様です。
研修認定
施設基準には、研修認定を取得していることもあります。
薬剤師認定制度認証機構が認証する研修認定制度などの認定を取得した薬剤師が配置されていることが必要です。
認定制度の種類は、以下の4つに分かれています。
- 生涯研修認定制度
- 特定領域認定制度
- 専門薬剤師認定制度
- その他の薬剤師認定制度
研修認定を取得するまでの条件は、それぞれ違います。
該当する認定制度で研修認定を受けるようにしましょう。
地域活動
地域活動への参加も施設基準となっています。
医療に係る地域医療活動の取り組みに参加していることが必要となっているからです。
地域医療とは、地域包括ケアシステムをつくるための活動や、地域住民とのつながり形成、信頼関係の構築などを目的とした活動を行うことです。
具体的には、研修会に参加したり、子どもたちに薬を適正に使用するための説明を行ったりすることが求められます。
さらに、多くの職種が連携して定期的に行っている医療や介護に関する会議であったり、地域の行政機関などが主催する住民への研修会に継続的に参加することなども含まれます。
患者さんのプライバシーの確保
施設基準には、患者さんのプライバシーの確保も必要です。
患者さんと服薬指導など会話でやりとりする際に、プライバシーに配慮している必要があるとされているからです。
例えば、他の患者さんに聞こえないように、パーテーションなどで区切られたカウンターが設置されている必要があります。
服薬指導を行う際は、患者さんの個人的な病状や体調などを話す必要もあるため、患者さんのプライバシーを確保しつつ対応できるスペースが欠かせません。
かかりつけ薬剤師指導料の算定要件
かかりつけ薬剤師指導料とは、施設基準をクリアして届出を行った施設に所属する保険薬剤師が、その薬剤師を選択した患者さんに対して服薬指導などを行った場合に、算定できる薬学指導料です。
医師と連携して、服薬状況を一元的・継続的に管理します。
かかりつけ薬剤師指導料は、調剤薬局に通っている患者さんから同意を得たうえで、必要な服薬指導などを行った場合に算定が可能です。
一人の患者さんに対して、同意を得た一人の保険薬剤師のみ算定できます。
点数は、2020年度に診療報酬が改定されてから76点 となっています。
かかりつけ薬剤師包括管理料の算定要件
かかりつけ薬剤師包括管理料とは、地域包括診療加算または認知症地域包括診療加算を算定する患者さんに服薬指導などを行った場合に算定できる薬学指導料です。
医師と協力して患者さんの服薬状況を一元的に把握し続けたうえで、患者さんの対応を行います。
何度も通っている患者さんから同意を得て、次回の処方箋を受け付けた場合に算定可能です。
点数は、2020年度での診療報酬改定後に291点 になっています。
かかりつけ薬剤師の算定要件を知って参考にしよう
かかりつけ薬剤師の算定要件には、施設基準があります。
算定要件を把握しておかないと、業務に支障が出てしまうかもしれません。
算定要件の施設基準は、調剤薬局での勤務経験が3年以上あることや研修認定を取得していることといった配置されている保険薬剤師に関わる基準のほか、地域活動への参画や患者さんのプライバシーへの配慮などがあります。
かかりつけ薬剤師の指導料や包括管理料は、患者さんの同意を得たうえで、次回の指導や管理から算定できます。