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臨床検査技師の認定資格には何がある?おすすめを紹介

この記事の監修者
玉木いずみ
【資格】
臨床検査技師

【プロフィール】
医療系大学を卒業後、臨床検査技師の資格を取得。総合病院に就職し、臨床検査部にて主に検体検査を担当。その傍ら、独学で心理カウンセラーの資格を取得。現在はこれまでの経験を活かし、ライターとして医療系や心理系を中心に多くの記事を執筆中。「専門的な内容でもわかりやすく、そして正しく執筆する」ことがモットー。

臨床検査技師のスキルアップにはさまざまな選択肢がありますが、「認定資格」の取得はおすすめです。

本記事では、臨床検査技師の上位資格として人気の高い認定資格を詳しく紹介します。
自分に合った資格を見つけて、キャリアアップをめざしましょう。

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臨床検査技師のスキルアップにおすすめの上位資格

臨床検査技師のスキルアップにおすすめの上位資格

臨床検査技師の上位資格には、専門分野ごとにさまざまな認定資格があります。
ここでは、人気の高い認定資格を6個ピックアップして解説します。
自分の興味や強みに合った資格を見つけて、チャレンジしてみましょう。

  • 緊急臨床検査士
  • 超音波検査士
  • 消化器内視鏡技師
  • 二級臨床検査士
  • 一級臨床検査士
  • 細胞検査士

緊急臨床検査士

「緊急臨床検査士」は、臨床検査技師が緊急検査を行うための専門資格です。

臨床検査技師には、当直勤務や夜勤など、緊急時に一人で多数の検査を行わなければならない場面があります。そのような状況でも、本資格は医師の指示のもと迅速かつ正確に検査を行う技術と知識を持つことを証明する資格になります。

試験内容は、緊急検査に関する基本的な手技や知識を問うもので、日常業務を確実にこなしていれば難易度自体はそれほど高くありません。
しかし実技試験では細かな手順や手技まで重視されるため、それらも含めて十分に対策しておく必要があります。

受験料 33,000円(税込)※一括振込
認定証発行手数料 3,300円(税込)
受験資格 以下①・②を満たす方※

①臨床検査技師国家試験に合格し、すでに登録を終えて、臨床検査技師の資格を有する方
②願書提出時に、その職歴について所属長等の証明書を提出できる方

※2024年の受験では、以下に該当するものも試験対象外

・2023年に日本臨床検査同学院が行った資格認定試験(すべての試験)を無断欠席した者
・2023年1次受付で受験可能となった後、連絡なく願書を提出しなかった者(二級・緊急・遺伝子・POCT試験)

注意事項 ・受験資格を満たす受験希望者はまず1次受付を行うが、受験可能の連絡を受けた者のみが願書を含む申請書類を提出できる
・申請料は申請書類送付前に振り込みが必要で、受験料申請後には振り込み通知が届く

参考:2024年(第45回)緊急臨床検査士資格認定試験 受験申請の手引き

超音波検査士

「超音波検査士」は、超音波検査の優れた技能を保つことを証明する認定資格です。

超音波検査とは、超音波を使用して身体へのダメージを最小限に抑えつつ、臓器や腫瘍の有無などをリアルタイムで確認することができる検査です。
他の検査では見つけにくいガンの発見にも役立つことから、今後も高いニーズが予想され、優れた技術を持つ検査士の育成が急務とされています。

超音波検査士の資格には、「体表臓器」「循環器」「消化器」「泌尿器」「産婦人科」「健診」「血管」の7つの領域があり、自分が取得したい領域の試験を受けることになります。
また、同一年度につき1領域のみ受験できるので、すべての領域で資格を得るためには7年以上かかります。

もちろん、必ずすべての領域で資格を得なければならないわけではありませんが、資格取得には十分な臨床経験、超音波専門医の推薦、症例レポート提出、基礎・臨床の筆記試験合格が必要となるため、かなり難易度の高い試験であることは認識しておく必要があるでしょう。

受験料 ・公益社団法人日本超音波医学会会員の方:20,000円(税込)
・一般社団法人日本超音波検査学会会員の方:22,000円(税込)
認定証発行手数料 5,000円(税込)
受験資格 以下の条件をすべて満たす者
・日本国の看護師、准看護師、臨床検査技師、診療放射線技師のいずれかの免許を有すること。
・2021年9月1日以前に入会し、3年以上継続して、本会正会員、シニア会員、準会員(期間中にここに掲げる一つの資格からここに掲げる他の資格に種別変更があった場合を含む)のいずれか、または一般社団法人日本超音波検査学会の正会員であること。
・本会認定超音波専門医または指導検査士(受験領域は消化器・泌尿器・産婦人科・血管・体表臓器に限る)の1名による推薦が得られること。ただし、腹部領域の指導検査士は受験領域が消化器・泌尿器・産婦人科領域、血管領域の指導検査士は受験領域が血管、体表臓器領域は受験領域が体表臓器に限り推薦が可能です。

参考:JAN│受験申請の方法

消化器内視鏡技師

「消化器内視鏡技師」は、消化器内視鏡検査における専門技術者で、医師の監督・指導のもとで内視鏡に関わるすべての業務を行う、いわば内視鏡のプロフェッショナルです。

主な業務内容は、検査中の患者さんの介助、生検やポリープ切除の鉗子(かんし)操作、画像システム管理、内視鏡スコープ培養による洗浄の精度管理などです。

あくまで医師の補助がメインですが、より安全に患者さんが治療に臨むために、消化器内視鏡技師は欠かせない存在といえるでしょう。

受験料 10,000円(税込)※一括振込
認定料 10,000円(税込)※学術試験合格後に指定先へ納付
受験資格 ・看護師(助産師・保健師含)、准看護師、衛生検査技師、診療放射線技師、臨床工学技士、臨床検査技師、薬剤師いずれかの医療関連法定資格を有していること
・過去5年以内に、消化器内視鏡学会認定の専門医(非常勤含む)が従事する施設で、内視鏡に従事した勤務年数が満2年以上であること(※1)
・申請時点で技師会・技師会各支部主催の「消化器内視鏡技師学会」または「消化器内視鏡技師研究会」に2回以上出席していること(※2)
・申請時点で技師会が承認する「機器取扱い講習会(基礎編)」を1回以上受講(eーlearning可)していること(※2)
・勤務先在籍の本学会専門医もしくは消化器内視鏡技師会が開催またはeーlearning配信している医学講義によって内視鏡学総論・内視鏡検査と診断・内視鏡的治療に関する講義を合計20時間以上受講していること(※2)
・上部消化管(検査・処置)、下部消化管(検査・処置)、胆・膵(検査・処置)における申請者本人の消化器内視鏡介助症例数の合計が年間100件以上かつ本学会認定専門医より証明及び推薦が得られること(※3)
注意事項 ※1 受験申請時に満2年以上であること
※2 申請する年から遡って5年以内の出席に限る
※3 介助件数の申告は原則直近1年間の介助件数に限り、直近1年間が休職・無職・専門医不在施設に勤務の場合は、過去5年以内の年間介助件数を申告

参考:2025年度(第44回:2025年3月2日)消化器内視鏡技師認定試験実施のご案内

二級臨床検査士

「二級臨床検査士」は、日本臨床検査同学院が認定する上級資格で、臨床検査技師としての知識と技術の向上を目的としています。

この資格を取得すると、各分野の理論と日常の検査に必要な知識・技術を有していることが証明され、一級臨床検査士をめざすことも可能です。

試験は血液学、微生物学、臨床化学など8部門があり、筆記と実技試験が行われます。また、受験は1年に1科目のみ可能です。

「臨床検査技師として、もっとステップアップしたい」と考えている方には、特におすすめの認定資格といえるでしょう。

受験料 27,500円(税込)※一括振込
認定証発行手数料 3,300円(税込)
受験資格 以下①・②を満たす方※

①臨床検査技師国家試験に合格し、すでに登録を終えて、臨床検査技師の資格を有する方
②願書提出時に、その職歴について所属長等の証明書を提出できる方

※2024年の受験では、以下に該当するものも試験対象外

・2023年に日本臨床検査同学院が行った資格認定試験(すべての試験)を無断欠席した者
・2023年1次受付で受験可能となった後、連絡なく願書を提出しなかった者(二級・緊急・遺伝子・POCT試験)

注意事項 ・受験資格を満たす受験希望者はまず1次受付を行うが、受験可能の連絡を受けた者のみが願書を含む申請書類を提出できる

参考:2024年(第110回)二級臨床検査士資格認定試験 受験申請の手引き

一級臨床検査士

「一級臨床検査士」も、日本臨床検査医学会が認定する上級資格で、臨床検査技師が受験できる認定資格のなかで難易度の高い資格の一つです。

試験は、筆記試験と実技試験の2つがあり、筆記は病理学・血液学・循環生理学など8分野から選べます。

さらに、一級臨床検査士の受験にあたっては二級臨床検査士の取得が必要です。また「検査室の指導的技術者として適当である」と所属長に証明してもらう必要があることから、資格取得者は将来指導者・管理者として働く道も開かれます。

スキルアップだけでなく、臨床検査技師としての道を極め、さらには検査部部長など管理者として働きたい方には取得が必要になる資格といえるでしょう。

受験料 【1次筆記試験】
・英語、専門筆記:22,000円(税込)
・英語のみの再受験(専門筆記合格済みの方):11,000円(税込)【2次実技試験】
33,000円(税込)
認定証発行手数料 5,500円(税込)
受験資格 以下どちらも満たしている者
・臨床検査技師(国家試験)免許取得後5年以上の実務経験又は教育歴を有している者
・二級臨床検査士資格認定試験当該科目に合格後3年以上の実務経験または教育歴を有し、検査室の指導的技術者として適当な人物であることを所属長が証明した者
注意事項 ・専門筆記に合格後に合否通知と一緒に2次実技受験料振込に関するお知らせが届く

参考:一級臨床検査士試験 日本臨床検査同学院

細胞検査士

細胞検査士は、日本臨床細胞学会と日本臨床検査医学会が知識や技術能力を認定する資格です。

主に顕微鏡を用いてガン細胞などの異常な細胞のスクリーニングを行い、医師の診断・治療を支援します。

近年、ガンの罹患者が増え続けていることから、ガン診断において欠かせない技術を持つ細胞検査士の需要はますます増えると予想されます。

また、本資格は他の資格とは異なり、学会が認定する養成機関の卒業者もしくは卒業見込みの学生など、臨床検査技師の資格を持っていない方でも受験可能です。

臨床検査のなかでも、将来的には病理検査部に所属してガンの早期発見・早期治療に貢献したいという意欲がある方は、取得を検討してみると良いでしょう。

受験料 40,000円(税込)※一括振込
受験資格 次のいずれか1つに該当する者

・臨床検査技師または衛生検査技師の資格取得後,2023年12月1日までに主として細胞診検査実務に1年以上従事した者
・臨床検査技師または衛生検査技師の資格を有し、以下(※1)に挙げる日本臨床細胞学会認定の細胞診技術者養成機関卒業見込み者又は卒業者
・4年制大学で、以下(※2)に挙げる日本臨床細胞学会認定の細胞検査士養成課程修了者で大学卒業見込み者又は卒業者、及び該当課程修了者で臨床検査技師又は衛生検査技師の資格を取得した者※所属学部長の発行する細胞検査士養成コース修了の証明書と卒業見込み書が必要
・2022年度細胞検査士資格認定試験1次合格、2次不合格者で2023年度試験の受験資格を有し、受験を希望する者
※1次試験を免除され、2次試験を直接受験できる
・一度細胞検査士資格を喪失した場合でも、細胞診専門医の推薦により、細胞診断業務に復帰できるとその所属長が判断した時から3年以内に2回まで、細胞検査士資格認定試験の1次試験を免除され、2次試験を直接受験できる。
※本法人を退会した者及び理事会の議を経て細胞検査士資格を取り消された者については免除の対象としない

注意事項 細胞検査士資格認定試験の構成は2段階
・1次試験(筆記試験・細胞画像試験)
・2次試験(スクリーニング試験・同定試験・標本作製実技試験)

参考
第56回細胞検査士資格認定試験実施要領(2023年度)
第57回細胞検査士資格認定試験 受験案内

(※1)
・財団法人癌研究会有明病院付設細胞検査士養成所
・大阪府立成人病センター内細胞検査士養成講習
・東京都がん検診センター細胞検査士養成所(令和4年3月閉講)
・杏林大学保健学部細胞検査士養成課程
・藤田学園衛生技術短期大学細胞診スクリーナー養成所(平成21年10月認可辞退)
・北里大学医療衛生学部細胞検査士コース
・山口大学医学部保健学科細胞検査士養成課程
・群馬大学医学部保健学科細胞検査士養成コース
・玉田学園神戸常盤大学保健科学部医療検査学科細胞検査士養成課程
・加計学園細胞病理学研究所(倉敷芸術科学大学内)
・学校法人冬木学園畿央大学細胞検査士養成課程
・九州保健福祉大学がん細胞研究所

(※2)
・杏林大学保健学部細胞検査士養成課程
・北里大学医療衛生学部細胞検査士コース
・山口大学医学部保健学科細胞検査士養成課程
・群馬大学医学部保健学科細胞検査士養成コース
・倉敷芸術科学大学生命科学部生命医科学科
・玉田学園神戸常盤大学保健科学部医療検査学科細胞検査士養成課程
・弘前大学医学部保健学科細胞検査士養成課程
・九州保健福祉大学がん細胞研究所
・関西医療学園関西医療大学保健医療学部臨床検査学科細胞検査士養成課程
・学校法人加計学園千葉科学大学危機管理学部保健医療学科
・学校法人森ノ宮医療学園森ノ宮医療大学保健医療学部臨床検査学科
・京都橘大学健康科学部臨床検査学科細胞検査士養成課程
・四日市看護医療大学 看護医療学部 臨床検査学科細胞検査士コース
・福島県立医科大学保健科学部臨床検査学科 細胞検査士養成コース

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臨床検査技師が上位資格を取得するメリット

臨床検査技師が上位資格を取得することには、いくつかのメリットがあります。
ここでは、就職・転職で有利になることと、給与アップにつながることについて解説します。

就職・転職で有利になる

上位資格の取得は、就職や転職で有利になります。
上位資格を取得することで、面接担当者に特定分野での専門性の高さをアピールでき、就職・転職先での業務内容とマッチしていれば他の候補者との差別化ができます。
特定の分野での高い専門性を持つと評価されれば、採用の可能性が高まるでしょう。

給与アップにつながる

上位資格を取得すれば、職場から資格手当をもらえる可能性があるため、給与アップにつながります。
資格手当の金額は施設により異なりますが、一般的には5,000~15,000円程度です。
一部の資格のみ30,000円を支給する施設もあります。
上位資格を取得して、給与アップを目指してみるのも良いでしょう。

責任者や管理職になる道が開ける

認定資格のなかでも取得が難しいとされる資格を取得することで、その分野での専門性や技術力の高さを証明することにつながることから、各検査部門のリーダーや責任者、管理職になれる可能性も高まります。

管理職になるということは、当然重大な責任が伴いますが、その分より給与面などでも優遇されますし、より検査がしやすいよう検査部の運営にも関われるようになります。

検査の技術を高めるだけでなく、よりリーダーのような立場で検査部を引っ張っていきたいと考える方は、積極的に取得を検討してみると良いでしょう。

臨床検査技師の上位資格の中から興味があるものを見つけよう

臨床検査技師の上位資格には、さまざまな専門分野があります。
自分の興味のある分野や、今後伸ばしていきたい分野の資格を探してみましょう。

より合格に近づくためには、受験資格や試験内容、受験料などを確認し、取得に向けて計画的に準備を進めていくことが大切です。

そして上位資格の取得は、就職・転職で有利になったり、給与アップ、管理職への道につながったりするメリットがあります。

ただし、取得のためには一定の経験年数や単位取得、定期的な更新などが必要なので、資格を取った後のことも含めて計画的に準備を進めていかなければなりません。

自分のキャリアプランに合った資格を見つけて、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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執筆者について

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