
歯科医師をめざしてはいるが、自分に適性があるかどうか不安で踏みとどまっている人もいるのではないでしょうか。
本記事では、自分が歯科医師に適性があるのか不安に思っている人向けに、歯科医師に向いている人の特徴をまとめました。
最後まで読んで、自分に足りている能力、不足している能力について知り、歯科医師をめざすかどうか検討してみてください。
目次
歯科医師に向いている人の特徴
歯科医師に向いている人の特徴は、以下のとおりです。
- 向上心がある
- 職人気質で集中力がある
- 周りの人から信用される人柄である
- 経営力がある
一つひとつ詳しく解説していきます。
向上心がある
歯の治療を主に行う歯科医師には、専門的知識が求められます。
医療の技術は日々進歩を続けており、最新の医療技術や医療知識を追求し続ける必要があるため、向上心が高く、患者さんのために勉強を継続できる人であるという点が重要です。

職人気質で集中力がある
歯科医師の仕事には、歯を削ったり、咬み合わせの調整を行ったりと非常に繊細な作業が多いです。
そのため、細かい作業ができる手先の器用な人、かつ小さなずれも許さない几帳面な人が向いています。
しかし、手先が器用ではないからといって歯科医師を諦める必要はありません。
器用さはある程度あとから身につけることができるので、心配はいりません。
器用な人のほうが、技術を身につけるうえで少し有利になる程度でしょう。
細かい作業が多いため、丁寧に集中して治療にあたれることが何よりも大切です。
周りの人から信用される人柄である
患者さんや関わるスタッフなど、周りの人から信用される人柄であることも大切です。
患者さんのニーズを引き出すだけのコミュニケーション能力を身につけたり、わかりやすい治療内容の説明を行えるように、専門知識を伝える能力を磨く必要があります。
自分の頭のなかで理解できていたとしても、患者さんにうまく伝えられるだけの説明力がなければ不十分です。
患者さんに曖昧な説明をする医者という印象を与えてしまい、信頼関係の構築に支障をきたしてしまうでしょう。
また、スタッフに対しては、適切な指示を出しリーダーシップを取っていくことも必要です。
経営力がある
歯科医院を開業する場合には、経営力が求められます。
開業医は歯科医師として治療を行いながら、マーケティング、マネジメントを担う必要があります。
歯科医院の知名度を上げるために営業をしたり、お金の管理について学んだりすることも大切です。
新規の患者さんを獲得し、現在雇っているスタッフを育て定着させていくことを意識しながら、日々仕事をしなくてはなりません。
また、患者さんを獲得するための知識・スキルも必要となります。
インターネットの普及が進んでいる近年では、ホームページで自分の歯科医院をアピールし、差別化していくといった工夫が求められるでしょう。
ホームページの作成や運営に関わる知識に限らず、インターネット予約やSNSで予約確認ができるシステムの導入など、ITを活用して集客していくための努力と技術習得を続けることが大事です。
必要に応じて、周りの力を借りながら効率良く経営を行っていけるようになると良いでしょう。
歯科医師に必要なこと|向いている人が備えている能力
歯科医師に向いている人が備えている能力は4つあります。
- 正確な治療ができる能力
- 円滑なコミュニケーションがとれる能力
- 開業医としての経営能力
- スタッフのマネジメント能力
その理由について一つずつ解説していきます。
正確な治療ができる能力
虫歯の治療や歯列矯正、歯科検診などを行う歯科医師には、作業の正確さが求められます。
治療成果によって患者さんからの信用度は変化するため、日々腕を磨き続けなくてはなりません。
また、日々医療は進歩しているため、最新の知識・技術を学ぶ意識も大切です。
近年、歯科医師の数は増加しており、幅広い分野を万遍なく習得するのではなく、何か専門分野を決めて特にレベルの高い治療を提供するという視点も大事になってきます。
円滑なコミュニケーションがとれる能力
歯科医師は円滑なコミュニケーションがとれる能力も必要です。
患者さんに対してはしっかりと意見を聞きながら、治療内容のわかりやすい説明を行わなくてはなりません。
また、スタッフとの人間関係、信頼関係形成のためにもコミュニケーション能力は必須です。
患者さん、スタッフの2つに分けて詳しく説明していきます。
適切な治療をするための傾聴力
歯科医師は、患者さんと丁寧なコミュニケーションを取ることが大切です。
わかりやすく説明することも大切ですが、コミュニケーション能力のなかでも傾聴力が求められます。
治療方針や治療内容など歯科医師が患者さんに伝えたいことだけを一方的に伝えるのでは、患者さんの気持ちや意見を反映した治療にはなりません。
患者さんも一方的に話を聞くだけになると、自分が伝えたいことを伝えられないという意識になり、歯科医師の話を聞き流すだけになってしまいます。
診療の際には、患者さんが話すタイミングを適切に設け、話し始めたら話を遮ることなくしっかりと話を聞くことが重要です。
これらを行うことで、患者さんの不安や恐怖の軽減につながります。
スタッフに対しての配慮
患者さんだけでなく、スタッフともコミュニケーションを積極的に取る必要があります。
スタッフに対しては話を聞くだけでなく、適切な評価を行うこともコミュニケーションの一環です。
単にスタッフを評価するだけでなく、自分がリーダーとして適切な目標へと導き、必要な知識や技術の習得をサポートすることも、コミュニケーションのきっかけとなります。
スタッフ側も明確な目標に向かって努力し、評価を受けることで、自発的に能力を伸ばそうと自己研鑽に励むようになるという好循環が生まれるでしょう。
開業医としての経営能力
歯科医としてある程度経験を積んだのち、独立・開業する場合には、経営能力も欠かせません。
経営をするとなると、収支管理や税務関係などの経営に関する知識や人事・労務など、人を管理するための知識も必要です。
また、集客のために他院との差別化を図ることも大切になります。
そのためには、専門分野を持つといった工夫をするのも良いでしょう。
さらに、経営をするなかでは適宜状況を振り返ることで医院や自分の問題点に気付き、改善計画を立てて実際に改善していく、PDCAサイクルを回すことが大切です。

スタッフのマネジメント能力
スタッフのマネジメント能力も、一緒に仕事をしていくうえで求められます。
自分だけ腕を磨いても、歯科衛生士の質が悪かったり、受付の電話対応が悪かったりすると、医院の評判は下がります。
医療現場は一人が頑張っても良い結果には結びつかないため、働く人全員が一丸となって患者さんのために全力を尽くせるよう導かなければなりません。
指導をするときには頭ごなしに命令するのではなく、一緒に長く働くためにはどうしたら良いかを考えながら行動していくことが重要です。
歯科医師に向いている人の特徴・能力を知ろう
歯科医師に向いている人の特徴について解説してきましたが、これらすべての能力をはじめから備えている人は少ないでしょう。
器用さやコミュニケーション能力は、自分の努力次第で身についていくものです。
また、専門知識や経営に必要な知識も、コツコツ勉強を続けていれば、いずれ実践に役立てられるときが来ます。
今回の記事を参考にしながら、自分には何が足りていて何が足りないかを分析してみましょう。