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歯科医師の将来性は?歯科医師が増えすぎているのは本当?

歯科医師の数は年々増加しており、自分がなる頃には飽和状態にあるのではないかと不安な方は多いでしょう。
歯科医師資格を取得したとしても、将来仕事にできるかわからないのでは意味がありません。

本記事では、実際に歯科医師の数は過剰といえるのか、また将来性を考えたときに歯科医師をめざすのは現実的ではないのかについて解説します。
歯科医師として活躍したい方は、キャリアプランを見つめ直すヒントとして活用してみてください。

歯科医師の将来性をさまざまな面から分析

歯科医師の将来性をさまざまな面から分析

平成28年、厚生労働省は「2029年には約14,000人の歯科医師が過剰になる」という推計を発表しました。
歯科医師の数だけでなく歯科医院の数も増加傾向にあり、現在歯科医院の数は全国のコンビニエンスストアの店舗数を超えています。
また、平成23年以降の歯科医院の外来患者数はほぼ横ばいとなっていますが、将来的には人口が減少し、患者数の減少も考えられます。

この歯科医院・歯科医師増加問題について、将来性はどうなのかを分析してみましょう。

年齢にともなう収入増

歯科医師は、年齢が上がるにつれて収入が増える傾向にあります。
厚生労働省による令和2年の賃金構造基本統計調査では、歯科医師の平均年収は25~29歳が約651万円、そこから年々増加し55~59歳には約1,426万円、60~69歳では減少するものの70歳以降は1,484万円という結果でした。

このように高収入が期待できる職業ではありますが、経営者の高齢化や後継者不足で休廃業・解散/倒産となってしまうところもあります。
次で解説するように、治療の専門分野化を行い他院と差別化するなど工夫が必要になるでしょう。

治療の専門分野化

近年、歯科治療の専門分野化が進んでいます。
特に高齢化という背景から、訪問歯科の需要が増加しました。
訪問歯科が増えることのメリットとして、保険点数の加算が多く、外来診療と比較すると約3倍報酬が高くなることが挙げられるでしょう。

ほかにも口腔ケアへの関心の高まりから、歯周病や小児、口腔外科など専門分野に特化した歯科医師の需要が高まっています。
また、口腔外科専門医や小児歯科専門医などの専門医資格を持っていることで、働ける範囲が拡大することもメリットです。

治療内容の広範囲変化

歯科疾患実態調査結果によると、若年層の虫歯患者数は減少傾向にあります。
一方で、デスクワークによる姿勢の悪化やストレスを原因とした歯ぎしり、食いしばりが原因で顎関節症に悩む方は増えているといいます。
歯科医院では顎関節症の治療も行っていて、虫歯治療・歯周病治療だけにとどまらず治療内容が広範囲化しました。

歯列矯正やホワイトニングなどの審美歯科、歯髄再生治療など、今や幅広い治療の需要があります。
実際に平成29年・令和2年の患者調査を比較してみると、平成29年は矯正での初診患者数が1日で800人であったのに対し、令和2年には1日2,900人の約3.6倍に上昇していました。
このことからも、口内環境への関心の高まりが読み取れるでしょう。

歯科医師の増加と将来への影響

歯科医師の増加と将来への影響

ここまで解説したとおり、歯科医師の数は増加し続けていますが、求められることの範囲も拡大しました。

よって歯科医師の将来性を考えた場合、矯正歯科や小児歯科、口腔外科医など専門分野を極めることが鍵を握っているといえるでしょう。
歯科医院の開業についても同様に、専門分野に特化するのが英断です。

なお、令和2年の歯科医師の平均年齢は52.4歳と、50代が主力となっています。
この世代が今後10~20年のうちに退職することで、歯科医の数は減少するかもしれません。

なお、平成30年の女性の歯科医師の割合は24.1%で、その割合は上昇傾向にあります。
非常勤での雇用を行う歯科医院もあるため、子育てと両立しつつ働くことも可能です。

歯科医師は専門性を磨きながら将来の活躍の場を見つけていくことが大切

歯科医師・歯科医院は増え続けているものの、10~20年後には現在主力となっている50代の歯科医師の退職が予想されるでしょう。
さらに口腔ケアへの関心の高まりや、高齢者に対する訪問歯科など、歯科医師が担う業務も拡大してきたため、歯科医師の将来性がないわけではありません。
今後歯科医師をめざす方は、自分が極めたいと思える専門分野を見つけていきましょう。

執筆者について

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