
超高齢社会となった現代、需要が高まっているのが歯科医師という職業です。
歯科医師は虫歯をはじめとする口腔疾患の治療、予防指導を仕事としており、主に歯科医院や病院歯科に勤務しています。
本記事では、歯科医師に必要な資格や大学の選び方など、歯科医師として働くまでのルートについてまとめました。
歯科医師になるにはどうしたら良いのか、何年くらいかかるのかを理解したうえで将来設計を考えましょう。
なお、歯科医師の年収について詳しく知りたい方はこちらの記事をご参照ください。
>>歯科医師の年収は?勤務医・開業医や年代による違いも解説紹介
目次
歯科医師になるには
歯科医師になるには、国家資格が必要になります。
資格の概要と歯科医師国家試験の受験要件を見ていきましょう。
歯科医師には国家資格が必要
歯科医師として働くには、歯科医師資格(免許)という国家資格が必要です。
そのため、まずは歯科医師国家試験に合格しなければなりません。
2006年より、歯科医師資格取得後に厚生労働省が指定する病院や歯科診療所で1年以上の臨床研修が義務付けられています。そのため歯科医師試験に合格してもすぐに開業して働けるわけではない、という点に注意しましょう。
歯科医師国家試験の受験要件
歯科医師資格を取得するには国家試験に合格する必要がありますが、受験にあたっていくつかの要件があります。
歯科医師国家試験の受験要件は以下のとおりです。
- 歯学の正規課程を修めて大学を卒業した者(卒業見込み者を含む)
- 歯科医師国家試験予備試験に合格し、その後1年以上の診療および口腔衛生の実地修練を積んだ者
- 外国の歯科大学や歯科医学校を卒業、または外国で歯科医師免許を取得し、厚生労働省により認定を受けた者
受験資格を得るには基本的に、歯学の正規課程を修めて大学を卒業することになります。
歯科医師になるには何年かかるか
歯科医師になるには、具体的に何年かかるのでしょうか。
ここからは歯科医師になるためのルートと、免許取得までの最短年数を解説します。
歯科医師になるためのルート
歯科医師になるには、高校を卒業したあとに歯科部で6年間学び、歯科医師国家試験に合格するルートが一般的です。
ただし前述したとおり、合格後すぐには開業歯科医師として働けず、歯科医院や病院歯科で1年以上の臨床研修を受ける必要があります。
臨床研修が終了すると歯科医院や病院歯科に就職または独立開業をして働くことが可能です。
歯科医師になれる最短年数
歯科医師になるには、高校を卒業して大学歯学部で6年間学び、国家試験を合格したあとに臨床研修を1年間行うことになります。
このことから、歯科医師になるには高校を卒業してから最短でも6+1年かかるでしょう。
その場合は約25歳での就職となるため、4年制大学や専門学校を卒業して働く方と比較すると、開業までに期間を要します。
また、上記はあくまでも最短年数であり、人によってはもっと時間が必要になるかもしれません。
歯科医師になるための大学について
歯科医師になるためには、歯学部を卒業する必要があると上記で触れました。
ここからは歯科医師養成課程のある大学数と、大学の選び方を解説します。
歯科医師養成課程の大学数
歯学部のある大学で6年間学ぶことが、歯科医師になるための条件です。
2023年時点で歯科医師養成課程のある大学は、国立大学が11校、公立大学が1校、私立大学が17校の合計29校あります。
- 国立大学
北海道大学(北海道)、東北大学(宮城県)、新潟大学(新潟県)、東京医科歯科大学(東京都)、大阪大学(大阪府)、岡山大学(岡山県)、広島大学(広島県)、徳島大学(徳島県)、九州大学(福岡県)、長崎大学(長崎県)、鹿児島大学(鹿児島県) - 公立大学
九州歯科大学(福岡県) - 私立大学
北海道医療大学(北海道)、岩手医科大学(岩手県)、奥羽大学(福島県)、明海大学(埼玉県)、東京歯科大学(千葉県)、日本歯科大学(東京都)、日本歯科大学新潟生命歯学部(新潟県)、日本大学(東京都)、日本大学松戸歯学部(千葉県)、昭和大学(東京都)、鶴見大学(神奈川県)、神奈川歯科大学(神奈川県)、松本歯科大学(長野県)、愛知学院大学(愛知県)、朝日大学(岐阜県)、大阪歯科大学(大阪府)、福岡歯科大学(福岡県)
このように所在地にはばらつきがあり、すべての都道府県に歯科医師養成課程のある大学が存在するわけではありません。
歯科医師の大学の選び方
歯科医師の大学は全国に29校しかないため、地理や学費の都合から思うように選べない可能性があります。
とはいえ6年間学ぶ場所なので、譲れないポイントに優先順位をつけることが大切です。
例えば、私立大学の場合は学費が高額になる点を念頭に置いておきましょう。
6年間の学費は1,800万〜3,000万円にもなり、気軽に出せる金額ではありません。
それに比べると国公立大学の学費は350万円程度となっているため、場合によっては国公立を視野に入れてみてください。
学費以外の面では、偏差値はもちろん学びの環境やカリキュラムにも着目しましょう。
教員によるサポート体制が整っているか、臨床実習を早くから行っているかなど、気になるポイントはホームページやオープンキャンパスで入念に調べておきましょう。
歯科医師試験の合格率が高いところを選ぶのも一つの方法です。
歯科医師になるルートは一つ!まずは大学選びから始めよう
歯科医師になるルートとしては、高校を卒業して歯学部で学び、国家試験に合格するという流れが基本です。
そのためにも、まずは歯科医師養成課程のある大学に合格し、国家試験の受験要件を満たす必要があります。
大学によって、学費だけでなく授業の特色、合格率などさまざまです。
自分が6年間学ぶ場所であることを踏まえて、希望に沿った大学を選ぶようにしましょう。