地域包括支援センターで働く保健師は、主に地域の高齢者に向けて、介護予防を中心に多岐にわたる業務を担当しています。
具体的には、ケアプランの作成、健康サービスの紹介などです。
ここからは、地域包括支援センターで働く保健師の具体的な仕事内容や役割について解説します。
地域包括支援センターで保健師として働きたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
地域包括支援センターの保健師の仕事内容

地域包括支援センターで働く保健師の主な役割は、高齢者を中心とした介護予防活動です。
具体的な仕事内容は以下のとおりです。
- ケアプランの作成
- 運動機能の向上や栄養状態の改善
- 健康づくり教室等の主催
- 介護予防に役立つ情報の提供
- 独居の高齢者の自宅訪問
- 相談業務
このように保健師の仕事はさまざまですが、今回は主たる3つの業務について詳しく紹介していきます。
地域包括支援センターで保健師として働く上では欠かせない業務なので、よく理解しておきましょう。
ケアプランの作成
保健師の重要な業務に、ケアプランの作成があります。
具体的には、要支援1~2に該当する高齢者が適切な介護を受けられるよう、本人やご家族からの要望を踏まえながら介護の計画を立てます。
ケアプランには3種類あり、一般的にケアプランを作成するのはケアマネージャーです。
しかし、介護予防サービス計画書のケアプランに限り、地域包括支援センターの保健師も作成することができます。
高齢者一人ひとりに合ったサービスを提供するために、利用者とコミュニケーションをとりながらケアプランを作成しましょう。
健康を保持するためのサービスの紹介
地域住民の疾病予防に対する意識を高めるために、さまざまなサービスを紹介・実施する業務も行っています。
地域包括支援センターの保健師が提供するサービスは以下です。
- 医療機関や健康教室、口腔ケア教室などの情報提供
- 健康づくり教室や介護予防体操の開催
- 健康診断受診の促進
教室の開催を担当する場合、企画の立案やチラシの作成も必要です。
このような業務を通じて、地域の高齢者の健康促進に貢献しています。
相談業務
地域住民の悩みを聞いて対応することも、保健師の仕事です。
さまざまな悩みを解消するため、複数の専門家と協力して支援を行います。
介護保険についての相談はケアマネージャーが、生活に関する相談は社会福祉士が一緒に支援を行うことで、より良いサポートが可能になるのです。
また、高齢者の自宅を訪問し、体調管理に関する相談を受けます。
相談内容に応じて適切な機関への橋渡しを行うのも、保健師の大切な役割の一つです。
介護保険の申請手続きについての相談業務なども行っており、幅広い知識と対応力が求められます。
保健師が働く地域包括支援センターの役割
地域包括支援センターの主な役割は、地域に住む高齢者やそのご家族など、介護支援に関わる人が健康を保つことができるように包括的に支援することです。
地域包括支援センターの定義は以下のとおりです。
地域包括支援センターは、市町村が設置主体となり、保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員等を配置して、3職種のチー
ムアプローチにより、住民の健康の保持及び生活の安定のために必要な援助を行うことにより、その保健医療の向上及び福祉
の増進を包括的に支援することを目的とする施設である。(介護保険法第115条の46第1項)
主な業務は、介護予防支援及び包括的支援事業(①介護予防ケアマネジメント業務、②総合相談支援業務、③権利擁護業務、
④包括的・継続的ケアマネジメント支援業務)で、制度横断的な連携ネットワークを構築して実施する。
日本の高齢化が進むなか、高齢者が要介護状態になっても住み慣れた地域で自分らしく暮らしていけるような地域包括ケアシステムの構築が求められています。
地域包括支援センターはその目的を達成するための中心的な役割を担うために設置されました。
保健師をはじめとする専門職が連携し、地域の高齢者を多角的にサポートすることで、安心して暮らせる地域づくりに貢献しているのです。
地域包括支援センターの保健師は介護予防に関わる重要な仕事
地域包括支援センターで働く保健師は、高齢者の介護予防に関わる重要な役割を担っています。
主な仕事内容は、ケアプランの作成、健康維持のためのサービス紹介、相談業務などです。
このような業務を行うことで、要介護者やそのご家族の健康増進を行っています。
今後、地域包括ケアシステムの構築が求められるなかで、保健師の需要はより高まっていくと予想されます。
今回の記事で興味を持った方や介護予防の観点から地域貢献をしたい方は、地域包括支援センターで働くことを検討してみてはいかがでしょうか。
