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保健師の就職先はどこ?勤め先の割合やできる仕事について解説

保健師はどこで働くのかと考えるとき、保健所や市役所を想像する人が多いかもしれません。
実は、保健師の活躍の場は、保健所や市役所以外にもあります。

今回は、保健師の就職先の割合や、職場別の仕事内容・平均年収について詳しく解説します。

保健師業務を検討している人の参考になれば幸いです。

保健師になるにはどうすれば良いのかや、保健師に向いている人はどのような人かを知りたい方は、以下のページも併せてご確認ください。

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保健師の主な就職先は?

保健師の主な就職先は?

保健師は、主に以下の4つに分けられます。

  • 保健所や地域包括ケアセンターなど行政機関で働く行政保健師
  • 企業に就職し社員の健康管理を担う産業保健師
  • 学校で教職員や生徒の健康管理を担う学校保健師
  • 病院やクリニック、介護施設に勤務し、医療機関と地域とを結びつける保健活動を行う病院保健師

就職先別の業務内容や平均年収については、のちほど解説します。

保健師の就職先の割合

保健師の就職先の割合を知ることは、保健師がどこで働くケースが多いのかを知る手がかりになります。

令和2年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況によると、保健師の主な就職先の割合は、以下のとおりです。

就職先 割合
都道府県・市区町村 57.4%
病院・診療所 10.5%
事業所 6.8%
社会福祉施設・介護保険施設など 3.8%

上記の表から、都道府県・市区町村が57.4%と最も高い結果になっており、他との差が大きいことがわかりました。
また、実人員でいうと、全体は55,595人であるなか、都道府県・市区町村の人数は31,879人となっています。

保健師と聞いて真っ先に思い浮かべる人が多いであろう行政機関が最も多く約6割を占めていますが、行政機関以外で活躍する保健師も一定数存在することがわかります。

つまり、保健師の就職先としては都道府県・市区町村が最も多く、そこで働きたいと思っている人にはおすすめです。
もちろん、他の施設で働いている人もいるので、自分が働きたい場所を見極め、どのくらいの割合の人が働いているかを確認しておくと良いでしょう。

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保健師の勤務先ごとの仕事

ここからは、保健師の勤務先別の仕事内容や年収などについて詳しく解説します。

行政保健師(保健センター・保健所・役所など)

市町村や都道府県が管轄する保健センターや保健所、役所などで勤務する保健師のことを行政保健師と呼びます。
行政保健師は、生まれたての乳児から高齢者まで地域に暮らすすべての人を対象とし、予防医療の専門家として、地域住民が健康に生活できるようさまざまな保健支援や健康づくりを行います。

【仕事内容】
行政保健師のなかでも、保健センターと保健所では若干業務内容が異なるため、それぞれについて紹介します。
保健センターは市区町村が管轄する施設で、一般的に母子保健やメンタルヘルスケア、高齢者介護など、2次予防3次予防をメインに地域住民の健康支援を行います。
具体的な業務内容は以下のとおりです。

  • 母子健康手帳の発行
  • 両親学級の計画、開催
  • 1ヵ月健診、3ヵ月健診、6ヵ月健診、1歳児健診、1歳半健診、3歳児健診などの各種乳幼児健診の実施、その後のフォロー
  • 定期健診
  • がん健診
  • 健康に関する相談・支援
  • 訪問支援

一方、保健所は都道府県、特別区、指定都市が管轄する施設で、より専門性の高い保健業務を担い、公衆衛生の専門家として勤務します。
地域の衛生管理や感染症予防対策など、1次予防に関わる仕事がメインとなります。

主な業務内容は以下のとおりです。

  • 難病患者や障がい者の療養支援
  • 感染症対策
  • 依存症に関する啓発・相談支援
  • 市区町村保健師への情報提供・指導

保健センターと保健所は随時連携を図り、地域全体の健康問題のアセスメントと今後の対策を講じます。

【給与について】
行政保健師は地方公務員であるため、給料は所属自治体の給料表によって決まります。
給料区分は自治体によりさまざまです。
一般事務を担う職員と同様、一般行政職(事務職)に該当することもあれば、医療職棒給表(三)に該当する場合もあります。

総務省の令和2年地方公務員給与実態調査結果の状況によると、行政保健師の平均月収は約32.3万円で、年間賞与を4.45ヵ月分とした場合の年収は531.3万円です。

病院保健師(病院・クリニック)

病院やクリニック、診療所、訪問看護ステーション、健診機関等の医療機関に勤務し、地域医療連携室や保健指導室、退院支援室などと呼ばれる部署で活動する保健師を病院保健師と呼びます。

【仕事内容】

  • 患者の支援方針の検討
  • 患者・家族の相談窓口
  • 患者・家族への退院指導
  • 訪問看護ステーションとの連携・調整
  • 健診や予防接種の管理、サポート
  • 生活習慣病やうつ病をはじめとする精神疾患予防
  • 職員の健康管理

病院保健師は、院内外の関連機関と連携を図りながら患者の退院調整を担うことが多いです。
病院と地域の橋渡し役であり、大変やりがいがあります。

それだけでなく患者や職員の健康管理も行いますが、特に予防に注目して介入することが多いのが特徴です。
退院調整や地域との連携が好きな人におすすめの仕事です。

【給与について】
病院保健師の平均年収は、400万円〜500万円であるとされています。

行政保健師と比較すると年収相場が低めですが、看護師と保健師を兼業できる医療機関もあり、資格をフルに活かして勤務できる点が医療機関に所属する場合のメリットです。
なかには、看護師として夜勤に入り、平均年収よりも多くの収入を得ている保健師もいます。

産業保健師(一般企業)

産業保健師(一般企業)

一般企業や事業所に勤務する保健師は、産業保健師と呼称されます。
企業で働く社員の健康管理が主な業務内容で、産業医や衛生管理者との連携が必須です。

【仕事内容】
産業保健師の仕事内容は以下のとおりです。

  • 健康診断の企画・実施・フォローアップ
  • 保健指導
  • ストレスチェック
  • メンタルヘルス支援
  • 健康相談
  • 感染症等に関する情報発信、注意喚起

健康診断の実施やその後の保健指導はもちろんのこと、最近ではメンタルヘルス支援活動も重要視されています。
過労や会社の人間関係などが原因で発症するうつ病を予防するためのストレスチェックや、休職者への対応、復職支援も産業保健師の役割です。

病気や障害を抱えている人だけでなく、健康な一般社員を対象とする保健活動に興味がある人におすすめです。

【給与について】
産業保健師は、所属する会社や事業所の一職員としての位置づけとなります。
給与は会社の規模や保健師の人数などによって大きく異なるため、金額の幅が広いです。
また、経験の有無や年数によっても給料が変動します。

産業保健師未経験者の場合、年収は320万円〜420万円程度、経験者の場合、年収は400万円〜500万円程度です。
大企業である場合や、経験年数が10年20年となる場合には、より給料が高くなることもあります。

学校保健師

学校保健師

学校や大学、研究機関等において活躍する保健師は学校保健師と呼ばれます。
教職員や生徒、学生の健康管理を中心とした業務を担います。

【仕事内容】
学校保健師の主な仕事内容は以下のとおりです。

  • 生徒・学生、教職員を対象とした健康診査の企画、実施、事後フォロー
  • 健康相談
  • 健康教育
  • 施設の環境管理
  • 生徒・学生、教職員のケガや病気の初期手当

体調不良者やケガへの応急処置はもちろんのこと、定期健診の計画や実施、健康相談や健康教育、感染症予防、メンタルヘルスなど、業務内容は多岐に渡ります。
なかでも、最近では不登校の生徒や学生、ホームシックに陥った大学生などの心のケアの必要性に注目が集まっています。
勤務場所が学校であるため、子どもたちと関わることが好きな人は活き活きと働けることでしょう。

私立の小・中・高等学校、専門学校や大学では保健師の免許のみで学校保健師として勤務できますが、国公立の小・中・高等学校で学校保健師として勤務するには、保健師免許に加えて養護教諭免許も必要になります。

【給与について】
企業保健師と同様、学校保健師も所属する学校や教育機関によって年収が異なりますが、平均は450万円程度とされています。

保健師の年収については、こちらのページでも詳しく解説しているので参考にしてください。

保健師の働く場所は多数ある

今回は、保健師の就職先やその割合、就職先別の仕事内容、平均年収について解説しました。
同じ保健師であっても、勤務先によって保健活動の対象者や活動内容は大きく異なります。

就職先を選ぶにあたって年収はもちろん重要ですが、自分がやりたいことや得意な分野に目を向けることも忘れないようにしたいもの。
行政保健師、病院保健師、産業保健師、学校保健師それぞれに魅力的な点があり、保健師として働きたい人におすすめです。

保健師としての就職を検討している人は、ぜひ視野を広く持って、自分に合った職場を見つけてください。

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