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歯科医師の免許の取り方は?取得の手順や付与される資格などを解説

歯科医師として働くには、歯科医師免許が必要です。
しかし、どのようにしたら免許を取得できるのか、悩む方もいるのではないでしょうか。
本記事では、歯科医師免許を取得する手順を詳しく解説しています。

また、免許に付与される資格や、医師免許との違いにも触れているため、免許取得によりできることについて関心のある方にも役立つ内容となっています。
ぜひ参考にしてください。

歯科医師の免許を取得するには

歯科医師の免許を取得するには

歯科医師の免許を取得するには、次の3つのことが必要です。

  • 歯科大学・大学の歯学部に入学し、6年間のカリキュラムを修了
  • 歯科医師国家試験に合格
  • 指定の病院やクリニックなどで1年以上の臨床研修を受ける

それぞれ順番に解説します。

歯学部への入学方法

大学の歯学部や歯科大学への入学方法は次の2つです。

  • 一般入試
  • 学士編入

一般入試では、高校卒業予定者や高校卒業者が対象になります。
センター試験や大学独自の入試(筆記試験、面接試験など)を受け、合格者は6年制の歯学部に入学します。

学士編入では、他大学や短期大学を卒業した人や、それと同等の学力を有する人が対象です。
各大学の独自試験(筆記試験、面接試験など)を受け、合格者は2年次に編入ができます。
入学後は所定の期間で単位を修得し、歯科医師をめざします。

歯科医師国家試験について

カリキュラムの修了後、歯科医師国家試験に合格し、歯科医籍に登録すると、厚生労働大臣から国家資格である歯科医師免許が発行されます。
歯科医師として働くためには、この歯科医師免許が必須です。

歯科医師国家試験は、マークシート方式で360問出題されます。
内訳は一般問題が180問、臨床実地問題が100問、必修問題が80問です。
必修問題は、正解率80%以上が求められます。

2022年度(第115回)国家試験の合格基準は、以下のとおりです。

出願者数 受験者数 合格者数 合格率
新卒者 2,413人 1,999人 1,542人 77.1%
全 体 3,667人 3,198人 1,969人 61.6%

歯科医師として働くには1年以上の臨床研修が必要

歯科医師国家試験に合格すると、歯科医師免許を取得できます。
しかし歯科医師免許だけでは、診療に携わることはできません。
指定された歯科診療所や研究施設にて、1年以上の臨床研修が定められているためです。

臨床研修の研修施設や実施方法は歯科医師法第16条の2第1項に規定されており、歯科医師としての人格と基本的な診療能力を身につけることを目的として、基本理念にのっとったプログラムに基づいて行われます。

歯科医師免許を取得後に得られる資格について

歯科医師免許を取得後に得られる資格について

歯科医師免許の取得後に得られる資格は、大きく次の2種類に分かれます。

  • 免許取得と同時に与えられる資格
  • 歯科医師免許取得後に得られる専門医資格

それぞれに複数の資格があるため、資格の種類と活用方法を見ていきましょう。

歯科医師免許取得と同時に与えられる資格

歯科医師免許の取得により、歯科診療以外にもいくつかの資格が付与されます。
また、特定の専門資格の受験資格が与えられる場合や、試験の一部が免除されることもあります。
それぞれの資格は以下のとおりです。

免許に付与される主な資格 受験資格の付与・試験の一部が免除される主な資格
食品衛生管理者 臨床検査技師
衛生検査技師 労働衛生コンサルタント
衛生管理者 介護支援専門員(ケアマネジャー)

歯科医師免許取得後に得られる専門医資格

歯科医師免許取得後に、各専門学会が定めた研修や研究発表、試験による審査などを経て、専門医の資格を取得できます。
2021年6月時点で、厚生労働省が広告を可能としている専門医は次の5つです。

  • 歯科麻酔専門医
  • 歯周病専門医
  • 小児歯科専門医
  • 歯科放射線専門医
  • 口腔外科専門医

この他に「歯科保存(仮称)」「歯科補綴(仮称)」「矯正歯科(仮称)」「インプラント歯科(仮称)」「総合歯科(仮称)」など新たに5領域が協議中です。

歯科医師資格の活用方法

歯科医師は、病院やクリニックなどで診療を行う他に、資格を活かして次のようなさまざまな取り組みを行っています。

  • 産業歯科医
  • 警察歯科医
  • 学校歯科医
  • がん医科歯科連携
  • 日本糖尿病協会登録歯科医
  • スポーツデンティスト

上記のように、一般診療以外にも、歯科医師免許を活かして活躍できる職種があります。

歯科医師免許と医師免許はまったく別の資格

歯科医師免許と医師免許は、どちらも「医師免許」という言葉が入っているため混同しやすいですが、まったく別の資格です。
免許を取得する条件や、対応する診療領域が異なるからです。
資格面、診療領域面からそれぞれ解説します。

歯科医師に必要な資格と医師に必要な資格は異なる

歯科医師と医師は、業務範囲の違いから、それぞれの分野で独自の専門知識と技術が求められるため、必要な資格は別のものです。
学ぶ内容も、基礎科目(生理学、病理学、解剖学など)は医学部と共通して人体のことを学びますが、臨床科目では歯学を専門的に学ぶため、国家試験は異なる内容となっています。

医師免許があっても歯科医はできない

歯科医師は歯科診療以外の医療行為を行えないのと同様に、医師免許があっても歯科分野の診療はできません。
また管轄する法律も、歯科医師法と医師法で異なります。
しかし歯科治療に関わる医療行為であれば、全身麻酔や呼吸管理などの口腔外の領域でも対応でき、死亡診断書も書くことが可能です。

医師と歯科医師は診療分野の棲み分けがされていますが、両方の免許を取得している方も、日本にはごくわずかといわれていますが存在します。

歯科医師免許の特徴を理解して資格取得をめざそう

歯科医師になるには歯科医師免許が必須です。
歯科医師免許を取得するためには、所定のカリキュラムを修了後、歯科医師国家試験を受験し、合格する必要があります。
さらに歯科医師として診療に関わるには、1年以上の臨床研修を経なければなりません。

また歯科医師になったあとでも、免許に付与される資格を活かしたり、専門医の資格を取得して活躍の幅を広げたり専門分野に特化したりすることが可能です。
歯科医師免許の取得方法やさまざまな特徴を理解したうえで、歯科医師の資格取得をめざしましょう。

執筆者について

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