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医療従事者の働き方を見つけるインタビューVol.7|薬剤師として働く方のホンネ【前編】

お話を伺った人
藤咲雫さん(イケてるハーツ)

藤咲 雫さん

帝京大学薬学部卒業
薬剤師国家試験合格後、調剤薬局に勤務
その後アイドル活動と薬剤師を並行して活動中
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医療・介護業界で働いたことがある人に仕事のホンネを伺うインタビュー企画。第4回目の今回は、薬剤師の仕事とアイドルグループ「イケてるハーツ」でのアイドル活動を両立している藤咲雫さんにお話を伺いました。”現役薬剤師 兼 アイドル ”の藤咲さんに、薬剤師をめざしたキッカケ・やりがい・おもしろさについて聞いてみました。

薬剤師とアイドル活動の両立

ーー今日はよろしくお願いします。まずは藤咲さんがなぜ薬剤師に興味を持ったかを教えてください。

薬剤師という職業にはとても小さな頃から興味を持っていました。ただ、本格的に薬剤師をめざすキッカケとなったのは「両親のすすめ」です。私の両親は調剤薬局を経営しており、両親共に薬剤師です。そういった背景もあり、薬剤師の良さについて両親から教えてもらう機会が多くありました。具体的には、将来的に一人で生活することになった場合に安定した収入を得やすいこと、育休明けの復帰がしやすい傾向にあることなどです。

ーーご両親が薬剤師なんですね。次にアイドルをめざすようになったキッカケと、薬剤師との両立に至った背景もお聞きしたいです。

3歳頃から当時流行していたモーニング娘。やディズニーキャラクターに関心があり、人前に立つことへ漠然と憧れがありました。高校生の頃、芸能界に本格的に興味をもちアイドルをめざすようになりました。
両親からアイドルをめざすこと自体に反対はされなかったのですが、長期的な安定性を考え、薬剤師免許の取得を強くすすめられました。両親の将来を見据えた意見には納得していたので、薬剤師とアイドルという目標を並行して追いかける選択を決意しました。

ーー勉強が大変な薬剤師とアイドルの夢を並行して追いかけるのは、とても大変なチャレンジだと感じます。

そうですね……研修生として本格的に活動をスタートできたのは大学を卒業して社会人になってからです。

ーー大学での勉強はそれだけ大変だったということですね。しかし、ご両親が薬剤師というのはチャレンジするうえでとても心強いですよね。

藤咲さん : はい。育った環境として医薬品の話題に触れる機会が多かったので、必然的に薬剤師という職業に興味を持つ機会が多く、相談にも乗ってもらえました。小さな頃から身近な存在だったので、薬学について勉強をすることも苦に感じませんでしたし、資格勉強のときも目標のために努力できました。

藤咲さんが考える薬剤師という働き方の魅力

ーー藤咲さんは現在”薬剤師 兼 アイドル”として活動していますが、薬剤師という働き方の魅力について教えていただきたいです。

働き方としての魅力は、二点あると思います。一つ目は、雇用が安定しているということです。学生時代の知人から、職場で薬剤師が不足しているという声をよく耳にします。薬剤師の有効求人倍率(※※令和2年1月時点4.76倍)からも分かるように、雇用の安定性は魅力の一つとして実感しています。

ーー藤咲さんも転職を経験されたことがあるんですよね。

はい。新卒で入社した職場では、調剤薬局で正社員として週5日働いていたのですが、入社半年後にアイドルデビューをキッカケに週5日の勤務が難しくなったため、別の調剤薬局に転職しました。現在は週3日ほどのパート・アルバイトとして働いています。

ーー二つ目はどのような魅力ですか?

二つ目の魅力は時給の高い求人が多いということです。これはパート・アルバイトとして働く場合の魅力ですね。アイドル活動を続けながら、薬剤師を選んだ理由として「時給の高さ」があります。特にツアー準備中は忙しく、たくさんシフトに入ることができないので時給が高いというのはとても魅力的です。
アイドル活動に目一杯チャレンジすることができているのも、時給の高さが関係しているかもしれません。勤務日数・時間によりますが、一人暮らしをするのに問題ないくらいの時給をいただくことができると思います。一つ目の魅力にもありますが、私の場合「雇用の安定性」や「待遇面」に魅力を感じていますね。

ーーありがとうございます。環境が変化していくなかでも、薬剤師として働くことの「安定性」を実感できたということですね。

薬剤師のやりがい・おもしろさ

ーー薬剤師として働いているとき、やりがいやおもしろさはどういった場面で感じますか?

週5日働いていたとき、毎回のように私が担当する患者さんが何名かいました。はじめは患者さんは急いでる様子で必要最低限のコミュニケーションしか取れていなかったのが、少しずつ打ち解けていき、最近あった出来事・体調を自分から話してくれるようになりました。パーソナルな日常の出来事まで聞けるようになると、生活を見守っているような感覚が芽生えてくるんです。そういった「患者さんとのコミュニケーション」に大きなやりがいを感じていました。
もう一つやりがいを挙げるならば、「お子さんの成長を感じられる」ということです。お子さんは成長するスピードが早いので、お薬の容量があっているか確認するために体重を聞きます。体重を聞くたび、重くなっていくんですよね。お子さんがのびのびと成長していく過程を、体重を聞くたびに感じることができるんです。

ーー素敵なやりがいですね!

ありがとうございます(笑)調剤薬局は、患者さんとコミュニケーションする機会が多いので、「人と人とのつながり」が生まれやすいと思います。

患者さんとの印象に残っているエピソード

ーー調剤薬局で働くなかで、印象に残っているエピソードはありますか?

そうですね……私の場合、劇的に感動したり、印象に残っているエピソードはないかもしれないです(笑)というのも、患者さんの立場になって話を聞くことが大切で、薬剤師の仕事というのは、丁寧な「ヒアリングの積み重ね」なんですよね。
たとえば、皮膚科の患者さんで「肌のかゆみがいつまでも治らない」とすこし怒り気味の方がいました。「同じ薬しか出さず、症状がほとんど良くならない」と、不満を抱えていたんですよね。

ーーその患者さんにはどのような対応をしたのでしょうか?

その患者さんに対しては、そもそも前提として、使用している塗り薬の使い方をきちんと理解できているのか確認し、「塗り方・塗る量」を丁寧に指導しました。
基本から指導することで、患者さんから「薬剤師さんに教えてもらった使い方をしたら良くなってきたよ。ありがとう。」と伝えてくれて。同じ薬を使っていて改善の兆しが見られない場合には、前提の部分から丁寧に指導を行い、使用方法について正しく理解することができているか意識することで、役に立つことができました。

ーー患者さんに向き合い、丁寧に話を聞く姿勢が満足度につながるということですね。

はい。この患者さんの場合、効果を感じられていなかったことから「塗り薬に対する不信感」を感じていたと思うんです。そういった患者さんには、効能効果・使用方法を時間をかけて指導することが大切だと感じました。
すこし話は変わりますが、自ら話をしたり、状況を打ち明けることが得意ではない患者さんもいると思います。そのような方には、歩み寄る姿勢で「患者さんとの距離感」を縮めていき、コミュニケーションしやすい関係をつくり出すことが大切だと考えています。

ーー自ら歩み寄り、話しやすい関係性をつくり出す……。本当に大切なことですよね。私自身も、相手への「共感」を忘れずにコミュニケーションをしようと意識しています。

調剤薬局で働く藤咲さんは「待遇面」「やりがい」ともに満足感を感じていた

薬剤師であるご両親のすすめもあり、薬剤師としてのキャリアを調剤薬局でスタートさせた藤咲さん。働き方の魅力では、「雇用の安定性」「待遇面(時給の高さ)」を挙げてくださいました。
また、業務に対するやりがい・おもしろさでは、コミュニケーションの重要性を具体的なエピソードをもとにお話してくださいました。「人と人とのつながり」を大切にする藤咲さんの価値観は、患者さんの立場からするととても心強い存在だと思います。

【後編】では、「お給料事情」「薬剤師としてのキャリアパス」「薬剤師をめざす方へのメッセージ」を、藤咲さんにお話していただきます。

執筆者について

情報かる・けるは、医療・介護従事者として働いている方や、これから目指す方の「知りたい」に応えるメディア。 全国54,000件以上の求人を扱う弊社スタッフが、編集部として情報発信! “いい仕事が見つかる・いい仕事を見つける”ための、有益なコンテンツをお届けします。 https://twitter.com/karu_keru

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