さまざまな社会的事情を抱えた子どもたちの心身のケアを行う職業、「児童指導員」。
今回は児童指導員をめざす場合の志望動機の書き方、面接でアピールすべきポイントや伝えるべき項目を、例文を用いながらキャリア別・事業所別にご紹介します。
児童指導員をめざしている人や面接を控えている人は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
事業所別|児童指導員が履歴書で書くべき志望動機の例文
まずは、児童指導員の志望動機の書き方を事業所別に解説します。
児童養護施設
児童養護施設は、両親との死別や虐待などさまざまな事情により家族と離れて暮らさなければならない子どもたちが入所する施設です。
子どもたちの身の回りの世話はもちろんのこと、心のケアも担うことのできる人材が求められます。
コミュニケーション能力や体力、そして忍耐力や精神力が必要な職場です。
応募理由として外せないポイント
さまざまな背景を持った子どもたちと誠心誠意向き合う覚悟ができていることをアピールする必要があります。
児童指導員として勤務できる職場がほかにも多数あるにもかかわらず、児童養護施設を選んだ理由もきちんと伝えられると良いでしょう。
例文
私は、困っている子どもたちに寄り添い、助けたいという強い思いから貴施設を志望しました。
児童指導員として、さまざまな理由で心に傷を負った子どもたちが明るい未来に向かって自分自身の人生を歩むことができるよう、全力でサポートしたいと考えています。
小学校の頃から続けてきたバスケットボールで鍛えた体力、高校・大学の受験勉強を通して磨いた精神力を活かし、子どもの心身に寄り添える児童指導員をめざします。
放課後等デイサービス
放課後等デイサービスは、障害を抱えた子どもたちが、放課後に家族の迎えが来るまでのあいだ利用する施設です。
応募理由として外せないポイント
放課後等デイサービスの特性や、障がい児との関わりはぜひ触れておきたいポイントです。
放課後等デイサービスには他職種も勤務している可能性があるため、児童指導員としてどのように活躍したいかまで言及できると、さらに良いでしょう。
例文
小さい頃から両親が共働きであったため、私は小学校の授業が終わってからの時間を学童で過ごしました。
寂しい思いをすることはなく、友達と楽しい時間を過ごしたことを鮮明に覚えています。
このような自身の経験から、子どもたちが家族の迎えを待つ間を楽しく過ごすためのお手伝いができたらと、貴施設を志望しました。
障害を抱えている子どもたちやそのご家族は大変な思いをしながら生活しています。
少しでも子どもたちとご家族の不安や負担を軽減できるよう、児童指導員として貢献していきたいです。
発達支援センター
発達支援センターには、発達障害を抱えた子どもたちが通所・入所します。
児童指導員には、一人ひとりの子どもの発達に合わせた関わりや、成長・発達を促すための関わりが求められます。
応募理由として外せないポイント
必ず盛り込みたいのが、なぜ発達障害のある子どもたちと関わりたいのかの説明です。
また、障害を抱えた子どもたちと接する仕事は児童指導員以外にもたくさんあるため、児童指導員の立場からどういった関わりができるのかについても触れておきたいところです。
例文
私が一番良く遊んでいた友人の兄弟は、発達障害を抱えていました。
初めて会ったときには接し方に困ったこともありましたが、友人がその兄弟とコミュニケーションを取りながら楽しそうに遊ぶ姿をみて感動したことを覚えています。
発達障害があろうとも、表情や行動などを通して自分の考えや思いを伝えてくれるため、こちら側が相手の思いを汲み取ることができれば、障害を抱えた人たちが生きやすくなると思います。
そういった社会の実現をめざし、貴施設を志望しました。
新卒・未経験・転職別|児童指導員の志望動機の例文
続いて、新卒・未経験・転職など、児童指導員をめざす人が置かれている状況別の志望動機例文を紹介していきます。
新卒・未経験の場合
新卒や未経験の場合は、スキルや実績よりも、人間性や考え方が重視されます。
自分の人柄や性格、育ってきた環境などをアピールしつつ、なぜ児童指導員になりたかったのか、またなぜその施設を志望するのかを自分の言葉で伝えられるように準備しておきましょう。
既卒未経験者の場合は、これまでの仕事でやってきたことや、児童指導員として働くうえで活かせることなども伝えられるよう準備しておくと安心です。
新卒の志望動機の例文
私は、子どもが好きで、子どもに関わる仕事に就きたいと考えてきました。
いろいろ調べていくうえで、両親との死別や虐待などの理由で家族と離れて施設で過ごす子どもたちの存在を知りました。
心に傷を負った子どもたちに、親の代わりとなって真剣に向き合い、いずれは社会に送り出してあげたいという思いが強くなり、児童指導員をめざしています。
貴施設に見学に伺った際、スタッフの皆様が子どもへ向ける視線や関わり方に感動し、私もチームの一員になりたいと思い貴施設を志望しました。
既卒未経験者の志望動機の例文
私は、飲食店のマネージャーとして6年間勤務して参りました。
自分自身に子どもができたことがきっかけで、子どもに関わる仕事に興味を抱き、児童指導員をめざしています。
貴施設では、前職で培った体力や忍耐力、そしてコミュニケーション能力やマネジメント能力を活かし、児童発達支援のプロフェッショナルをめざしたいと考えています。
同業種から転職する場合
同業種からの転職の場合は、児童指導員としての経歴や実績をアピールしながら、即戦力となることを伝えていきましょう。
具体的な役職やスキルを説明できると、より良い印象を与えられます。
転職者の志望動機の例文
私は児童指導員として発達支援センターにおいて、障害のある子どもたちと関わってきました。
ときにはコミュニケーションがうまく取れず悩んだこともありましたが、一人ひとりの子どもとじっくりと向き合うことで、徐々にそれぞれのことがわかるようになり、発達を促す関わりを持てたこともあります。
今度は、児童養護施設である貴施設で、さまざまな社会的事情を抱える子どもたちの心のケアを中心に取り組みたく、志望いたしました。
発達支援センターで培ったコミュニケーション力を大いに活かし、子どもたち一人ひとりに丁寧なケアを提供していきたいです。
異業種から転職する場合
異業種からの転職の場合、なぜそこで働きたいのかを具体的に伝えるとともに、いままでの経験やスキルから活かせそうなことにも触れておきましょう。
もちろん、熱意ややる気を伝えることも忘れずに。
異業種転職の志望動機の例文
保育士として保育園で5年間勤務するなかで、障害を抱えた子どもやご家族とも接してきました。
発達障害を抱えた子どもたちの成長や発達は周囲からの影響を大きく受けることを実感し、いずれ児童指導員という専門的な立場から、障害を抱えた子どもたちを支えたいと考えるようになりました。
保育士の経験を活かして、子どもたちのために頑張ります。
面接にも対応|児童指導員の志望動機の書き方3つのポイント
児童指導員をめざすために履歴書や面接で書くべき・伝えるべき志望動機のポイントを解説します。
児童指導員になりたい理由
志望動機において、児童指導員になりたい理由は外せません。
また、「子どもが好き」なだけでは志望動機として不十分であることも注意しておきましょう。
子どもと関わる仕事は児童指導員以外にもたくさんあるからです。
なぜ児童指導員を選んだのかをアピールできるように準備しておきましょう。
どういった児童指導員になりたいのか
理想の児童指導員像をアピールするのも重要です。
自分自身が児童指導員としてどのように働きたいのか、どのように子どもたちと関わりたいのかを、できるだけ具体的に伝えるようにしましょう。
また、仕事を通して自分自身がどう成長していきたいのか、キャリアアップの希望にも触れられると良いでしょう。
その事業所を選択した理由
児童指導員をめざした理由ももちろん重要なのですが、なぜこの事業所・施設の求人に応募したのかも伝える必要があります。
児童指導員として活躍できる場が多数あるにもかかわらず、ある事業所・施設を選んだことにはそれなりの理由付けが必要です。
「この施設でなければ実現できないことがある」と言えるように、よく事業所のことを調べて、先方に熱意を伝えましょう。
児童指導員の志望動機は自己PRと連動させよう
児童指導員の志望動機は、自己PRと連動させることが重要です。
自分自身の性格や人間性で児童指導員に向く点、子どもと触れ合った経験やエピソード、いままでの人生で努力してきたことなどを関連付けてアピールできると採用者の目に留まりやすくなります。
自己PRと志望動機との間に矛盾が生じないよう注意が必要です。
将来どうなりたいかを見据えて志望動機を伝えよう
今回は、児童指導員として働く際の志望動機の例文を職場別・キャリア別に解説しました。
事業所・キャリアに関係なく、
- なぜ児童指導員をめざしたか
- どのような児童指導員になりたいのか
- なぜその事業所を志望したのか
以上の3点は事前にしっかりと考えをまとめ、採用担当者に伝えましょう。